アナと雪の女王2

2019年11月22日(金)公開 全国ロードショー

これでハッピーエンドなのか?

 アレンデール王国の女王として人々に慕われているエルサは、雪と氷を操る不思議な能力の持ち主。今では自分の能力を恐れることもなくなり、平和な暮らしにもすっかり馴染んでいる。だが彼女は、遠くから自分に呼びかける不思議な声を聞くようになる。声に導かれたエルサは四元素の精霊を覚醒させ、アレンデールは大きな混乱に陥る。エルサは精霊の源をたどって、今では霧に包まれている北の魔法の森へ向かう。妹のアナやその恋人クリストフ、トナカイのスヴェン、雪だるまのオラフも一緒だ。霧の中に入り込んだ4人(?)と一匹は、霧の中で戦い続けるアレンデールの王家警備隊と先住民族ノーサルドラの戦士たちに出会う。彼らはなぜ戦い続けているのか。戦いを仲裁したエルサとアナたちは、エルサだけに聞こえる不思議な呼び声に応えてさらに北に向かう。そこで待っていたのは、アレンデール王国の歴史に秘められた暗い過去の記憶と、エルサ誕生の秘密だった。

 世界中で大ヒットした『アナと雪の女王』(2013)の続編。誰もが愛した作品のその後を描くにあたり、作り手には相当の苦労とプレッシャーがあったと思うが、残念ながらやはり前作には遠く及ばない映画になってしまった。一番の問題は、登場人物それぞれの物語が同時に進行して、どれも中途半端なものになってしまったことだろう。全体を貫く大きな物語があるようでなく、脇のエピソードも生煮えのままだ。たぶん脚本を練っている間に、いろいろなアイデアが提案されては没になったのだろう。その残りかすのようなものが、映画にまとわりついているのではないだろうか。今回の映画で中心になるのは、エルサの物語なのだ。この映画は、アナもクリストフもいないままで成立する。その証拠に、クリストフは物語の序盤で早々にアナやエルサと別行動。アナとオラフもその後エルサと別行動になって、エルサは単独行になる。クライマックスでは合流するが今さらだ。

 アレンデール王は、なぜ森の中にダムを造らねばならなかったのか。なぜアナたちは、そのダムを破壊しなければならなかったのか。ダムはアレンデールの犯した罪の象徴であり、ダムの破壊で生まれた大洪水は、人々の罪を拭い去る洗礼の水のメタファーだ。ならばアレンデールは、この洪水の水に洗われる必要があった。規模の大小は問わず、ダムからあふれ出た水が、一度はアレンデール王国を洗わねばならなかった。しかし何ということだろう。この水は、エルサの働きで食い止められてしまう。ここに僕は大きなフラストレーションを感じたのだが、これは別の方法でアレンデールが罪のゆるしを得るための伏線なのだ。罪を犯した人々は、その罪を背負って神々の前に捧げる生け贄を必要とする。今回の映画では、それがエルサだ。彼女はアレンデールの罪を一人で背負って、ひとりノーサルドラの精霊の森に移り住むことになる。これでアレンデールの罪は許されたわけだ。

(原題:Frozen II)

ミッドランドスクエアシネマ2(スクリーン11)にて 
配給:ディズニー 
2019年|1時間43分|アメリカ|カラー|2.39 : 1 
公式HP: https://www.disney.co.jp/movie/anayuki2.html 
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt4520988/

アナと雪の女王 2  オリジナル・サウンドトラック
ヴァリアス・アーティスト 松たか子 神田沙也加 イディナ・メンゼル
Universal Music =music= (2019-11-22)
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