ワンダーウーマン1984

12月18日(金)公開 全国ロードショー

聖闘士星矢 vs ミュージカル「キャッツ」

 1984年のワシントンD.C.。スミソニアン博物館の女性研究者ダイアナの正体は、人々の前にたびたび現れて危機から救い出すスーパーヒロイン、ワンダーウーマンだった。そんな彼女が知り合ったのが、博物館に新たに採用された研究者バーバラだ。彼女のもとに盗品の古美術品が大量に持ち込まれたことが、歴史的大事件の発端になる。盗品の中に埋もれた、古びた石のかけら。それは持つ者の願いをひとつだけ叶える、不思議な力を秘めているらしい。とても本気にできるような話ではないが、ダイアナは石を握りしめ、長年心に秘めている願い事をつぶやくのだった。やがて彼女の目の前に、遠い昔に死んだはずの恋人スティーブが現れる。願いが叶ったのだ。同じ頃、真面目で優しい性格だが不器用で容姿にも自信が持てないバーバラは、「私はダイアナになりたい!」と石に向かって願っていた。その願いは叶う。だが不思議な石の力は、これだけでは終わらなかった。

 たまたまその日がシネコンの会員割引き対象日で、たまたまその日に空いていた時間と都合がよかったという理由で観た映画だが、前作『ワンダーウーマン』(2017)を観ないまま、いきなり続編の本作から観はじめたのはよくなかったかもしれない。話がわからないわけではないのだが、今回の物語の設定がよくなかった。この映画で主人公は願い事が叶うことと引き替えに、アマゾン族の女王としのスーパーパワーを奪われてしまうのだ。ワンダーウーマンとしての人間離れした活躍は映画の冒頭に少し出てくるが、中盤はあまり見せ場がない。ワンダーウーマンの映画を観いてるはずなのに、主人公がワンダーウーマンとして活躍する場面がほとんどないのだ。映画終盤には主人公がパワーを取り戻すのだが、戦う相手はミュージカル映画『キャッツ』に出てきたネコ人間。ワンダーウーマンは金ぴかの鎧を身につけて、どこか見覚えがある姿。これは、聖闘士星矢ではないか!

 物語のテーマは非常に道徳的で、ストーリーはきわめて教訓めいている。何しろベースになっている物語はW・W・ジェイコブズの短編小説「猿の手」なのだ。(この有名な小説は1902年に書かれているので、ダイアナもスティーブもこれを読んでいる。)人間の利己的な望みを叶えるには、何らかの代償が伴う。人は何かを得れば、それと引き替えに何かを失う。もちろん道徳的な物語が悪いわけではない。それは普遍的な価値を持ち、普遍的なものは力強く物語を引っ張る力を持っている。だがかくも声高に道徳を叫ばれると、ひねくれ者の僕は少し白けてしまったりするのだ。映画の最後は、まるっきりのお花畑のように思える。小学校の学級会ならこれでもいいのだが、中学生以上になればこんなことは嘘っぱちだとわかるのではないだろうか。その嘘を、映画の嘘で強引に押し通すこともあっていいのだが、それだけのパワフルさがこの映画にあるかどうかは少し疑わしい。

(原題:Wonder Woman 1984)

ミッドランドスクエア シネマ(Dolby Cinema)にて 
配給:ワーナー・ブラザース映画 
2020年|2時間31分|製作国|カラー|2.39 : 1
公式HP: https://wwws.warnerbros.co.jp/wonderwoman/ 
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt7126948/

Wonder Woman 1984 (Original Soundtrack)
Hans Zimmer(アーティスト)
Watertower Music (2020-12-16T00:00:01Z)
5つ星のうち4.0
¥2,024

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