KCIA 南山(ナムサン)の部長たち

 1月22日(金)公開 シネマート新宿ほか全国ロードショー

手に汗握る暗殺シーンの再現

 大韓民国中央情報部。略称はKCIA。パク・チョンヒ大統領時代に北朝鮮工作員対策を目的に作られた情報機関だが、反政府運動の取り締まりにもその力を振るい、軍事政権の独裁を支えていた。情報部の部長は「南山の部長」と呼ばれ、大統領に次ぐ韓国ナンバー2の実力者と目されていたという。1979年。元KCIAの部長だったパク・ヨンガクがアメリカに亡命し、公聴会で大統領の数々の不正を証言しはじめる。大統領はこれに激怒。大統領警護室長のクァク・サンチョンは元部長の暗殺を提案するが、現在の情報部部長キム・ギュピョンは強く反対。米国政府の保護下にある前部長に手を出せば、米国との同盟関係に大きな亀裂が入ることは免れない。キム部長は単独で渡米し、かつての上司で友人でもある元部長と交渉する。助命の条件は、出版準備が進む回顧録を公表しないこと。だが約束を交わしてキム部長が韓国に戻った直後、回顧録の内容がマスコミに流れた。

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大コメ騒動

1月8日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

主人公に魅力が乏しいのが残念

 大正時代半ば。富山県の小さな漁師町で暮らす松浦いとは、夫が出稼ぎ漁で留守の間、女仲仕の仕事をして家族の生活を支えている。富山は日本有数の米どころ。集められた米は貨物船で全国に出荷される。いとは他の女たちと一緒に米蔵から米俵をかつぎ、港まで運ぶのが仕事だ。一日の給金はわずかなものだが、それでもこうし女たちが働かねば漁師一家の暮らしは成り立たない。だが大正7年夏にシベリア出兵が決まると、米は軍事需要を当て込んだ投機筋の金を集めて、みるみるうちに価格が急騰した。当時の日本人労働者層は、大人1人が1日1升の米を食べていた。生きるのに必要なカロリーも栄養も、ほとんど米に頼っていたのだ。米の値上げは、庶民の生活を直撃することになった。米の値上げで困窮する人々の目の前を、多くの米が素通りして船で運び出されていく。これを阻止しない限り、米は高値が続くだろう。女たちは浜に結集し、実力行使に出るのだった……。

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天外者(てんがらもん)

2020年12月11日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

三浦春馬の主演最終作

 黒船来航で幕府の屋台骨が大きく揺らいでいた幕末。外国との交易窓口として開けた長崎の町で、薩摩の五代才助(五代友厚)、土佐の坂本龍馬と岩崎弥太郎、長州の伊藤利助(伊藤博文)が出会って、あっという間に意気投合する。薩摩は攘夷派の雄藩だが、才助は開国論者だから周囲には疎まれる。彼が求めるのは、生まれた身分に関わらず、誰もが夢を持てる国を作ることだった。丸山遊郭の遊女はると親しくなった才助だったが、生麦事件とそれに次ぐ薩英戦争でイギリスの捕虜となり、はるはイギリスの商人に身請けされることを条件に才助の命を救う。はるはそのまま、イギリスへと旅立つことに。やがて薩摩藩の遣英使節団の一員としてイギリスに渡った才助は、ひとり彼女の行方を捜すが再会することはできなかった。やがて帰国した才助は、はるが胸を病んで帰国し、海辺の療養所で最後の時を過ごしていることを知る。早速彼女のもとに駆けつけた才助だったが……。

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