ガメラ 大怪獣空中決戦 4K HDR

1月15日(金)公開 丸の内ピカデリーほか全国主要都市にて公開

政治家の顔が見えない時代の怪獣映画

 太平洋を航行中プルトニウム輸送船が、環礁に乗り上げて座礁するという事故が起きた。この環礁は海図にない巨大な海上浮遊物で、やがて海流に乗ってどこかに姿を消してしまう。海上保安庁巡視船「のじま」一等航海士・米森は、消えた浮遊環礁の調査に合流する。同じ頃、五島列島の姫神島で島民らがすべて姿を消すという事件が起きる。姿を消した鳥類学者の教え子・長峰は、恩師の行方を追って長崎県警の大迫刑事と共に姫神島へ。そこで見たのは、3頭の巨大飛翔生物だった。島民たちはこの生物に襲われたのだ。島民を食い尽くした巨大生物は、新たな食料を求めて九州本土に飛ぶ。長峰の発案で、日本政府はこの巨大生物を福岡ドームに閉じ込め、生け捕りにする作戦を決行。しかしそこに、太平洋の浮遊環礁が向かっていた。環礁は巨大な怪獣の姿になって、福岡ドームに襲いかかった。政府はこの怪獣をガメラ、先に現れた飛翔生物をギャオスと呼ぶことを決定した。

 この映画は公開時に劇場で観ているのだが、怪獣映画は大画面で観てナンボなので、改めて劇場に足を運んでみた。今回はDOLBY CINEMAでの上映。これがフィルムとどう違うのかは、突き合わせて比較しているわけではないからよくわからない。確かなのは、これが現在もっとも高画質の『ガメラ 大怪獣空中決戦』だということだ。肝心の映画の感想だが、「こんなものだったかなぁ」というのが正直な気持ちでもある。正体不明の怪獣が日本に現れ、役人や学者や警察や自衛隊が右往左往するというシミュレーション。これは『シン・ゴジラ』(2016)の先駆となった作品なのだ。だが『シン・ゴジラ』が政治家を主人公にしているのに対して、本作には政治家が一人も出てこない。これはとても不自然なことにも思えるのだが、映画公開時にそんなことを言った人は誰もいなかった。当時は政治家の顔が見えない時代だったということだろうか。(村山内閣時代。)

 本作の怪獣映画としての見どころは、見慣れた日常風景がぶっ壊されていく部分にある。ギャオスが登場する姫神島は架空の島だが、ギャオスに襲われて破壊された家屋のセットは見事。竜巻に吹き飛ばされたり、巨大重機でむしり取られたような木材家屋の断面が、それだけで巨大生物の破壊力を感じさせる。ギャオスの移動先になる、福岡の実景とミニチュアセットの組み合わせも素晴らしい。ここでガメラが初めて姿を現し、映画は一気にヒートアップ。さらに場面は岐阜県木曽山中に移動し、次は富士山麓へ。さらに東京芝公園。半壊した東京タワーにギャオスが巣作りする場面は美しい。この映画は絵作りがきれいなのだ。これだけ盛り沢山で、上映時間はたったの1時間35分。このスピード感も本作の魅力だ。シミュレーション映画としては政治不在で物足りない部分もあるのだが、それを欠点とは感じさせない疾走感。ギャオスが来て、ガメラが戦って勝つ。単純明快だ。

ミッドランドスクエア シネマ(スクリーン5)にて 
配給:KADOKAWA 
1995年|1時間35分|日本|カラー|ビスタサイズ|5.1ch 
公式HP: http://cinemakadokawa.jp/gamera/ 
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt0113142/

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伊原剛志(出演), 小野寺昭(出演), 中山忍(出演), 藤谷文子(出演), 螢雪次朗(出演), 本田博太郎(出演), 長谷川初範(出演), 本郷功次郎(出演), 久保明(出演), 渡辺裕之(出演), 金子修介(監督)
KADOKAWA / 角川書店 (2021-01-29T00:00:01Z)
5つ星のうち4.6
¥6,606

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