らいか ろりん すとん -IDOL AUDiTiON-

1月15日(金)公開 テアトル新宿ほか全国順次公開

コロナ禍で行われたアイドルオーディション

 2020年3月。関東近郊の某所で、音楽事務所WACKの合宿オーディション「WACK合同オーディション2020」がスタートした。事前に書類審査などで選ばれた参加者は18名。オーディションの様子はニコ生で動画配信され、多くの視聴者たちの前で毎日何名かずつが脱落して行くサバイバルマッチになっている。オーディション参加者は個人情報を守るため全員仮名。今回この中で注目されていたのは、前年のオーディションで無念の初日リタイアとなったワキワキワッキーの再挑戦。そして、インポッシブル・マイカという候補生だった。オーディションから数日で、参加していた候補生の半数が脱落。その後は毎日数名ずつが脱落して行く中で、このふたりは終盤まで戦列に残り続ける。同じ頃、実力者や個性派がそろうオーディション会場には、自分の殻を破れずもがく候補生トト・パーティン・トトがいた。特殊な環境の重圧で、彼女の表情は固くこわばっていく。

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ミッドナイト・ファミリー

1月16日(土)公開 ユーロスペースほか全国公開

いろいろと危うい民間救急隊の日常

 オチョア家の仕事は民間救急隊だ。事故があった、事件があった、病人が出た、ケガ人がいると聞けば、一目散に現場に駆けつけて、患者の救護と病院への搬送を行う。東京23区に匹敵する人口900万人のメキシコシティに、公営の救急車はたった45台しかないのだ。その不足を補うために、オチョア家のような民間救急隊が患者を病院に運ぶのだが、彼らの収入はその見返りとして患者から受け取る謝礼のみ。だが民間救急隊は行政未公認のもぐり稼業。搬送した患者や家族が「金は払わない」と言えば、それ以上の無理な取り立てはできない。患者とトラブルを起こせば、警察に逮捕されかねないのだ。民間救急隊の競争は激しい。警察無線を傍受したり、知り合いの警官からの電話連絡で現場に駆けつける必要がある。だがその患者が、料金を支払ってくれるとは限らない。メキシコシティには貧しい人も多いからだ。オチョア家の人々は、もう何日も収入が無い状態だった。

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