ガメラ2 レギオン襲来 4K HDR

2月11日(木)公開 丸の内ピカデリーほか全国DOLBY CINEMAにて

怪獣映画の衣を着た本格SF映画

 北海道の支笏湖付近に隕石が落下し、陸上自衛隊が現地調査に向かった。しかしいくら調べても、落下地点から隕石本体は見つからない。まるで落下後の隕石が移動しているかのようだ。しかも隕石は墜落寸前に制動をかけた形跡がある……。同じ頃、墜落地点付近では巨大な電磁波によるものと思われるオーロラが発生。また、付近のビール工場ではビールびんが大量に消失し、NTTの光ファイバー網もあちこちで寸断していく。これらの発生場所は、隕石墜落場所から少しずつ札幌方面に移動していた。やがて札幌市内で地下鉄が謎の生物の群体に襲われ、すすきののデパートには巨大な植物が出現して建物を崩壊させる。隕石として飛来した宇宙生物が、繁殖のために根を張ったのだ。群体はそれと共生関係にある生物らしい。やがて巨大植物は大きな花を咲かせ、その中心部からは巨大な種子が現れた。その時、三陸沖から現れたガメラが飛来し、巨大植物に襲いかかっていく。

 前年公開の『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)に続き、1996年に公開された「平成ガメラ・シリーズ」第2弾。前作が「ガメラ VS ギャオス」の正統派怪獣映画だったのに対し、本作は「外宇宙からの異生物」をモチーフにした本格SFに大きく傾いている。人間を捕食していたギャオスに対し、本作に登場するレギオンは人間に直接危害を加える存在ではない。だが都市の放つ電磁波に誘われてその中心部に根を張り、巨大な種子を外宇宙に発射するため半径数キロを完全に壊滅させる。この本体の成長に必要な養分(ガラスに含まれているケイ素など)を運ぶため、無数の甲虫が本体の周囲を取り囲み、近づくものを攻撃する。レギオンに敵対的な意思はない。ただ自らの繁殖のために行動し、それが結果として周囲に甚大な被害を与える。要するに日本のあちこちで生態系を破壊する「外来生物」の宇宙規模版なのだ。この敵に対し、人間はほとんど為すすべがない。

 もちろんガメラ登場以降は物語が怪獣バトルになるのだが、特撮のレベルは今観ても目を見張るような迫力がある。前作は本作のための習作に思えるほどだ。出演者も豪華で、どれも見事に役にはまったキャスティングになっている。この映画をリアルタイムで観ていた世代には、自衛官役で登場する沖田浩之の顔が懐かしいかもしれない。養老孟司が解剖医役で出演したり、本作の製作者である徳間康快が内閣官房長官の役で出演しているのも面白い。大泉洋や安田顕がエキストラで出演しているらしいのだが、それはよくわからなかった。

 ところで本作に登場する「レギオン」という怪獣の名は新約聖書由来なのだが、映画は他にもそこかしこにキリスト教的な意匠が登場する。冒頭のタイトルには十字架が登場してガメラの「メ」の字になるし、ガメラは一度死んでから復活して勝利し、最後は多くの人が見守る中で空の彼方に去って行く。なんと、ガメラはキリストなのだ。

ミッドランドスクエア シネマ(スクリーン5/DOLBY CINEMA)にて 
配給:KADOKAWA 
1996年|1時間40分|日本|カラー|ヴィスタサイズ|DOLBY ATMOS 
公式HP: http://cinemakadokawa.jp/gamera/gamera2/ 
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt0116390/

「ガメラ2 レギオン襲来」4Kデジタル修復 Ultra HD Blu-ray 【HDR版】(4K Ultra HD Blu-ray +Blu-ray 2枚組)
永島敏行(出演), 水野美紀(出演), 石橋保(出演), 吹越満(出演), 藤谷文子(出演), 川津祐介(出演), 金子修介(監督)
KADOKAWA / 角川書店 (2021-03-26T00:00:01Z)
5つ星のうち4.6
¥6,606

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中