5月21日(金)公開予定 TOHOシネマズ日比谷ほかロードショー
つまらない男社会へのささやかな反逆
良子の夫は交通事故で死んだ。自転車で横断歩道を渡っているとき、突っ込んできた車にはねられたのだ。加害者は85歳の元官僚だが、認知症を理由に逮捕すらされなかった。それから7年後。天寿を全うした加害者の葬儀に、喪服姿の良子が現れる。「加害者の顔をもう一度見たかった」と言う良子に、遺族は「悪質な嫌がらせだ」と罵声を浴びせて葬儀場からつまみ出す。13歳の息子・純平には、そんな母の行動がちょっと理解できない。夫を亡くした後もカフェを経営して純平を育ててきた良子だが、コロナ禍で店は閉店。今はスーパーの生花コーナーでアルバイトをしている。だがこれだけでは生活することができない。良子は純平に内緒で、ピンサロの風俗嬢としても働いていた。それでも暮らしはぎりぎり。なにしろ良子は、夫の事故の賠償金は一切受け取らず、夫が愛人に生ませた子供の養育費をいまだに払っているのだ。ある日良子は、中学時代の同級生と再会する。
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