王の願い −ハングルの始まり−

6月25日(金)公開予定 シネマート新宿、シネマート心斎橋

まったく新しい文字をゼロから作った男

 1442年夏。李氏朝鮮第4代国王・世宗は、雨乞い儀式にうんざりしていた。神々に捧げる祝詞の文言が漢文なのだ。漢文の祝詞が朝鮮の神々の心に響くだろうか。だが腹立たしいことに、朝鮮には自分たちの言葉を表記する文字がない。王族や役人などは漢文を読み書きできるが、自分たちが日常的に使っている言葉は書き記す術がないのだ。世宗は朝鮮独自の文字を作る必要を感じていた。そんなとき、ある事件をきっかけにして世宗は仏教僧のシンミ和尚と出会う。当時の朝鮮は仏教を弾圧していたが、寺院には漢文資料では手に入れられない梵字(サンスクリット語)の資料がある。ひょっとすると、梵字は朝鮮語表記の参考になるのではないか? 世宗はシンミ和尚に協力を求め、新しい朝鮮語表記用文字の創作に着手する。だがこれは、宮廷の役職を独占支配する儒者たちの反発を招いた。儒者と仏僧は犬猿の仲。だが両者の協力なしに、文字の普及浸透はあり得ないのだ。

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