7月8日(木)公開 全国ロードショー
ナターシャ・ロマノフと「家族」の秘密
■あらすじ
1995年、オハイオ州。アメリカに潜伏していたスパイ一家4人が、捜査当局の追跡をかいくぐってキューバへと脱出した。4人をキューバの空港に出迎えたのは、レッドルームの首領ドレイコフ。4人はここで離れ離れになり、娘たちは再び厳しい訓練に戻るのだ……。
2016年。元アベンジャーズのナターシャ・ロマノフの潜伏先に、かつての「妹」エレーナから荷物が送られて来た。その直後にレッドルームの殺し屋に襲われたナターシャは、エレーナと合流するため荷物の発送元であるブダペストに向かう。
エレーナと再会したナターシャが知らされたのは、レッドルームの首領ドレイコフが薬物を使った物理的洗脳で少女たちを操り、感情のない殺人兵器「ブラック・ウィドウ」に作り替えているという陰謀だ。彼を止めるには、まずレッドルームの所在地を突き止めねばならない。手掛かりは彼女たちの「父」であり、今は服役中のアレクセイだけだった。
■感想・レビュー
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作は、アベンジャーズの「ブラック・ウィドウ」ことナターシャ・ロマノフの過去を描いたアクション大作。劇中の事件は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)の間にあたる物語らしいが、僕はどちらも観ていないのでつながりはよくわからない。僕はMCU作品をほとんど観ていない初心者なのだ。
とはいえ、この映画はこれだけでも十分に楽しめる。大作スーパーヒーロー映画である以前に、これはワケありで疑似家族になっていたメンバーが離散し、その後再び集合して家族になるという定番の物語だからだ。夫婦と娘2人の家族は、父親がキャプテン・アメリカのロシア版コピー「レッド・ガーディアン」で、妻と娘はレッドルームの養成した凄腕スパイで殺し屋の「ブラック・ウィドウ」なんだから、中身はほとんど『Mr.インクレディブル』(2004)を実写映画にしたような世界だ。
物語はレッドルームの破壊という大きなドラマを描きつつ、そこに至る過程で4人の疑似家族が再会し、過去の経緯もっあってギクシャクしながらも、家族としての絆や一体感を取り戻していくまでを描いている。「妹」のエレーナがアベンジャーズとして活躍する「姉」のナターシャに焼き餅を焼いたり、「父」のアレクセイが元「妻」のメリーナに秋波を送ったり、そんな「両親」の姿を見て「娘たち」がうんざりしたりする姿に、観ているこちらはついほのぼのした気分になってしまう。ナターシャは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で物語世界から離脱しているので、今後は本作に登場した彼女の「家族」やヴィランたちが、新たにMCUに関わっていくのかもしれない。
Disney+で同時配信されている作品だが、派手で迫力満点のアクションシーンは大画面で観るべきものだろう。
(原題:Black Widow)
ユナイテッド・シネマ豊洲(10スクリーン)にて
配給:ディズニー
2021年|2時間14分|アメリカ|カラー|2.39 : 1
公式HP: https://marvel.disney.co.jp/movie/blackwidow.html
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt3480822/
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