7月2日(金)公開 全国ロードショー
2大モンスター主演のヤンキーバトル映画
■あらすじ
南太平洋の孤島・髑髏島。外部から隔離された環境で平和な暮らしをしているキングコングだったが、巨大なコングにとって髑髏島は既に手狭になっていた。島は防護スクリーンですっぽり覆われているが、コングが島から出れば、巨大モンスターの気配を察したゴジラが襲撃に訪れるだろう。
コングにとっての安住の地は地球内部の空洞しかないが、その入口は南極にある。コングを南極に運ぶため、大規模艦隊による輸送計画が進められた。だがその途中で、やはりゴジラがコングを襲う。ゴジラのパワーは圧倒的だった。何とかゴジラから離脱した一行は南極のトンネルを通って、地球内部の空洞に進入する。
同じ頃、エイペックス社の秘密研究施設には、一人の男が呼び寄せられていた。それは芹沢猪四郎博士の息子・芹沢蓮だ。彼はエイペックスが開発した、ある巨大マシンを駆動させようとしていたのだ。それはゴジラを凌ぐ圧倒的な戦闘力を持っていた……。
■感想・レビュー
『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)に登場するキングコングと、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)で地球の覇者になったゴジラが対決する怪獣アクション映画。キャラクターや物語の設定などはそれぞれ過去作品を引き継いでいるが、本作は圧倒的なパワーとパワーのぶつかり合いで、物語だの設定だのをほとんど意味のないものにしていると思う。
《関連作品》ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
これは東西両横綱の対決。いや、それは巡り合わせがよければ年に6回ぐらい実現するから、例えとしては適切でないだろう。これはもっと野蛮に、東の番長と西の番長のタイマン勝負みたいなものだ。どちらも圧倒的なパワーと破壊力を誇り、これまでにも宿敵たちとの数々の勝負を繰り広げてその力を見せつけてきた。それがついに、正面からガチンコで衝突するのだ。
ゴジラとコングの戦いは2回ある。1回目は予告編にも登場する太平洋上での遭遇だ。2回目は香港が舞台。周囲に遮るものが何もない海上で白昼に行われる戦いと、香港の近代的なビル群の中で夜間に行われる戦いの対比。香港の戦いでは「100万ドルの夜景」が二大怪獣によって無慈悲に蹂躙されていく。踏みつぶされ、たたき折られ、ぶった切られ、爆破される。徹底した破壊のカタルシス。そこにエイペックスの秘密兵器まで登場して、香港の街は巨大なジューサーミキサーの中に放り込まれたように粉砕される。
控え目に言って、これは最高。この破壊に次ぐ破壊を、巨大なスクリーンで観られて本当に良かった。
今回の映画は小栗旬の登場も話題だったが、ゴジラとコングの頂上バトルを見せるのが目的の映画で、彼は損をしてしまったと思う。しかしめげることはない。初代『ゴジラ』(1954)に出演した宝田明は、スタッフに「主役の宝田です」と挨拶したら「主役はゴジラだ」と叱られたそうではないか。今回の映画は主役がゴジラとコング。小栗旬は気の毒だった。
(原題:Godzilla vs. Kong)
ユナイテッド・シネマ豊洲(4スクリーン)にて
配給:東宝
2021年|1時間53分|アメリカ|カラー|2.39:1
公式HP: https://godzilla-movie.jp/
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt5034838/
Godzilla vs. Kong (Original Soundtrack)
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