竜とそばかすの姫

7月16日(金)公開 全国ロードショー

これはディズニー版『美女と野獣』のリメイクだ!

■あらすじ

 高知の田舎町で暮らしている内藤鈴(すず)は、親友の別役弘香(ヒロちゃん)から新しいSNSに招待される。それは「U」という世界最大の仮想現実空間。ユーザーは生体認証機能を使って「As」と呼ばれるアバターを生成し、現実とは別のもう一つの現実を生きることができる。すずは「ベル」というAsを作成。すずは仮想現実の中にいいるときだけ、自分の気持ちを語るように歌うことができた。歌姫ベルの誕生だ。

 ベルの存在は「U」の中で脚光を浴び、膨大な数のフォロワーが付くようになる。そしてとうとう、仮想現実空間の中で彼女のコンサートが開かれることになった。だがそこに現れたのは「竜」と呼ばれる無法者のAs。竜はUの秩序を乱す者としてユーザーたちに憎まれ、同時に一部の者たちのヒーローになっていた。竜はコンサート会場を破壊して逃走する。

 竜の正体は何者か? すずは竜の手掛かりを追って、その隠れ城にたどり着いた。

■感想・レビュー

 『バケモノの子』(2015)や『未来のミライ』(2018)の細田守監督最新作。コンピュータの中にある仮想現実空間の出来事と、現実の日常空間がオーバーラップしていくという物語は、細田監督のデビュー作『劇場版デジモンアドベンチャー』(1999)や『サマーウォーズ』(2009)でも取り上げられているモチーフ。異世界と現実世界の交流は『バケモノの子』でも取り上げられていたし、『時をかける少女』(2006)や『未来のミライ』もそのバリエーションかもしれない。要するに今回の映画は、細田監督作品の集大成であり決定版と言えそうな作品なのだ。

 観てすぐわかるように、これはディズニーアニメ『美女と野獣』(1991)を踏まえた作品だ。共通点は多い。まず、これはミュージカル映画だ。仮想空間「U」の中で活動する主人公のAsの名が「ベル」で、これはディズニーアニメの主人公と同じ名前。登場する「竜」は頭部がモンスターだが身体は人間に近く、このデザインはディズニー版の野獣に似ている。他にも劇中には竜の隠れ城が出てくるし、バラの花も出てくる。竜とベルとダンスもあれば、城を襲撃して竜を退治しようとする自警団の襲撃もある。

 本作は『美女と野獣』の批判的なリメイクにも思える。新しいのは、主人公である竜とベルと関係をロマンチックな恋愛関係として描かなかったこと。竜は傷つき苦しんでいる何者かであり、ベルは命がけでそれを助けようとする存在。主人公すずの母は彼女が幼い頃に川の事故で亡くなっているが、すずは自分で意識することなく母の生き方をなぞっているのだ。人は相手が名前さえ知らない赤の他人でも、それを助けるために命をかけることができる。

 主人公の恋愛模様も描かれてはいるが、「竜」との関係に比べると、主人公の恋が薄っぺらに見えてしまうのが残念なところだろうか。だってしのぶくんより、カミシンの方がいい奴じゃん!

ユナイテッド・シネマ豊洲(8スクリーン)にて 
配給:東宝 
2021年|2時間1分|日本|カラー|2.35:1 
公式HP: https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/ 
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt13651628/

U (通常盤) (特典なし)

U (通常盤) (特典なし)

posted with AmaQuick at 2021.07.16millennium parade × Belle(アーティスト)
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