そして、バトンは渡された

10月29日(金)公開 全国ロードショー

石原さとみと永野芽郁の好演が光る感動作

そして、バトンは渡された

■あらすじ

 みいたんは優しいけれど泣き虫な小学生の女の子。幼い頃に母と死別したが、父の再婚で新しい母・梨花がやって来た。梨花は太陽のような明るさで、みいたんのことを我が子のように愛してくれる。

 だが夢見がちな父は、家族に黙ってブラジルでの新事業立ち上げを決める。梨花はこれに大反対。みいたんも日本に残りたいと言う。結局ブラジルには父が一人で渡り、離婚した梨花がみいたんを我が子として育てることになった。

 高校3年生の森宮優子は、父のことを「森宮さん」と呼んでいる。優子と森宮には、血の繋がりがない。彼女の母は子連れで森宮と結婚したあと、子供を置いてどこかに姿を消してしまったのだ。それでも義理の親子関係は良好。森宮は世界一の父親だった。

 優子は合唱会のピアノ奏者に選ばれた。これは友達のいない優子への、クラスメイトの嫌がらせだ。だがこのことで、優子は他のクラスで伴奏を担当する早瀬賢人と親しくなる。

■感想・レビュー(ネタバレがあるので注意してください)

 2019年の本屋大賞を受賞した瀬尾まいこの同名小説を、『映画 ビリギャル』(2015)の橋本裕志が脚色し、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(2018)も彼とコンビを組み、現在『老後の資金がありません!』(2021)も公開中の前田哲監督が演出したヒューマンドラマ。

 映画はヒロインの人生を2つのパートに分けて描く。ひとつは、泣き虫のみいたんと継母梨花の物語。もうひとつは、高校生の優子と、継父森宮さんの物語だ。「みいたん=優子」なのは序盤から察しがつくのだが、優子と森宮の生活から梨花が消えているのはなぜなのか?

 梨花はみいたん(優子)を心から愛し、みいたんも梨花のことを母として慕っている。二人は誰よりも愛し合っているのだ。にもかかわらず、優子と森宮の前から梨花は姿を消した。このことは大きな謎として、映画後半の物語を牽引していくことになる。

 成長した優子を演じているのは永野芽郁。継父の森宮を演じるのが田中圭。この二人が親子というのが、映像的にはちょっと苦しく感じた。この二人は実年齢で15歳しか離れていない。二人の暮らしぶりは、親子というより年の離れた恋人同士みたいにも見えて、ちょっと生々しすぎる。まだ30歳代の田中圭が、無理して父親ぶっているのが不自然なのだ。

 そんな不自然な親子関係だから、高校を卒業した優子が家を出て独立すると、観ている方はホッとする。だがそうなったらそうなったで、今度は物語が普通になってしまって詰まらない。結局この物語は、優子と森宮の奇妙な親子関係が物語前半の推進力になっている。そのためには、親子には見えない永野芽郁と田中圭の組み合わせが成功しているのかもしれない。

 今回素晴らしかったのは、梨花を演じた石原さとみだと思う。しかし梨花が隠し続けた「意図」が、映画の終盤に台詞で説明されてしまうのは残念。ここは何か工夫が欲しかったと思う。

ユナイテッド・シネマ豊洲(11スクリーン)にて 
配給:ワーナー・ブラザース映画 
2021年|2時間17分|日本|カラー|1.85 : 1 
公式HP: https://wwws.warnerbros.co.jp/soshitebaton-movie/ 
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt14605210/

そして、バトンは渡された

そして、バトンは渡された

posted with AmaQuick at 2021.11.07瀬尾まいこ(著)
文藝春秋 (2018-02-22T00:00:01Z)
5つ星のうち4.4
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