シン・ウルトラマン

5月13日(金)公開 全国ロードショー

銀色の巨人が現代の日本に現れる

シン・ウルトラマン

■あらすじ

 日本各地に現れる巨大生物・禍威獣(かいじゅう)に対応するため、政府は禍威獣特設対策室専従班(略称:禍特対)を組織。各省から集められたスペシャリストの知見と分析によって、禍威獣に対処することとなった。

 だがその禍特対も、地中に穴を掘りながら進む禍威獣ガボラには打つ手だてがない。このままでは、核関連施設が破壊されて大規模な災害になってしまう。人間たちが何もできず手をこまねく中、外宇宙から飛来した銀色の巨人がガボラを倒す。

 それは禍威獣から人間を守る、知性を持った外星人らしい。人間たちはその巨人を「ウルトラマン」と呼ぶようになる。ウルトラマンはガボラとの戦いに巻き込まれて命を落とした禍特対メンバー神永新二の体を借りて、地球で人間として生活しはじめる。

 そんな中、禍特対の本部に外星人ザラブが現れ、地球人たちに取引を持ちかける。同時に禍特対から神永の姿が消え、ウルトラマンが日本の街を襲いはじめる。

■感想・レビュー

 1966年から翌67年まで放送された特撮テレビドラマ「ウルトラマン」を、庵野秀明と樋口真嗣の『シン・ゴジラ』(2016)コンビで映画化した作品。

 劇中に登場するのは架空の日本だが、その風景は「ウルトラマン」の初期シリーズが放送されていた昭和40年代と現代の奇妙な融合。例えば子供たちが遊ぶ公園に設置されている回転遊具は、昭和の児童公園や校庭ならどこにでもあったが、今は危険視されてほとんど撤去されているはず。外星人たちがテレポーテーションする際の、光学合成風のビジュアルエフェクトも懐かしい。

 『シン・ゴジラ』が怪獣をテーマにした政治シミュレーションドラマだったので、今回の映画にもそれと同じテイストを期待した僕は大いに肩透かしを食らわされた。これは確かに「ウルトラマン」のリブート映画だが、それよりこの映画に似ているのは、NHKが放送している内村光良ら主演のコント番組「LIFE!〜人生に捧げるコント〜」だと思う。もちろんそれよりお金はかけているが、この映画が持つ奇妙さはどう見てもコント番組のそれと同質なのだ。

 こうしたユーモアのセンスは、おそらくテレビシリーズにもあったものだと思う。日常風景の中で巨大怪獣が大暴れしたり、奇妙奇天烈な現象が起きたりすれば、そこで右往左往する人間たちの姿はどうしたって滑稽さを帯びてくる。『シン・ゴジラ』はそれを巧みに隠してシリアスドラマに仕立てたが、『シン・ウルトラマン』はそれを逆方向に持っていった。

 SNSで見る限りは賛否両論の映画のようだが、僕は楽しんで観た。ただし禍特対の制服は、科学特捜隊のオレンジ色のスーツをスクリーンでも見たかった。災害が起きると首相や大臣が作業着風の防災服を着るのと同じように、禍特対も現場に向かうときはオレンジ色の制服でいいと思う。もちろん現代的にデザインし直してだが、続編を作るならその際はこの点もぜひ考えていただきたい。

TOHOシネマズ日比谷(スクリーン4・IMAX)にて 
配給:東宝 
2022年|1時間52分|日本|カラー 
公式HP: https://shin-ultraman.jp/
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt10737918/

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