スティング

10月18日(金)公開 午前十時の映画祭10 FINAL

詐欺師映画の古典であり最高傑作

 1936年、イリノイ州ジョリエット。昔ながらのすり替え詐欺で小金を稼いでいるルーサーとフッカーの詐欺師コンビは、かすめ取った封筒の中に思わぬ大金が入っていて驚いた。それは大物ギャング、ロネガンの賭場の売上金だ。ロネガンは見せしめのためルーサーを殺し、フッカーにも追っ手を放つ。辛くも逃げ出したフッカーはルーサーの詐欺師仲間ゴンドーフに会うためシカゴに向かい、そこでロネガンに報復するための計画を練り始める。ゴンドーフが声をかければ、昔の詐欺師仲間が集まってくる。情報屋曰く、「ロネガンは一か八かの博奕はせず、勝てるとわかる堅実な勝負しかしない。ポーカーをやっても最後はイカサマで必ず勝つ!」。ならば引っかける方法はある。コンドーフはロネガンのポーカー勝負にまぎれ込むと、ロネガン以上のイカサマ手口で見事に相手から大金をせしめた。だがその直後、フッカーは「あれはイカサマです」とロネガンに密告する……。

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ジョーカー

10月4日(金)公開 全国ロードショー

道化の仮面がひとりの男を救う

 アーサーは病気の母親の世話をしながら、いつかコメディアンになることを夢見ている。今は街頭宣伝のバイトをしているが、彼自身はこの仕事が嫌いではない。むしろ天職だとすら思っている。人を笑わせてハッピーにするのが、彼の生きがいなのだ。少なくとも、彼は自分でそう信じようとしている。そうとでも思わなければやりきれない現実が、彼の目の前にはあるからだ。街は犯罪に満ちあふれ、人々の心は荒んで、貧富の差は開く一方だ。アーサーのような底辺の人間には、上に這い上がるチャンスすらない。母は認知症を患い、アーサー自身は緊張すると笑いが止まらなくなる病気を抱えている。ある日、同僚から護身用にと銃を押し付けられたアーサーは、うっかりそれを仕事先の病院で落として仕事をクビになる。落ち込んだアーサーは地下鉄の中で笑いの発作を起こして3人組のエリート会社員たちに暴行され、とっさに持っていた銃で相手を射殺してしまうのだった。

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惡の華

9月27日(金)公開 全国ロードショー

お前はド変態のクソムシ野郎だ!

 中学2年生の春日高男は、自分を取り囲む環境にうんざりしていた。ボードレールの詩集「惡の華」の世界に耽溺しながら、自分以外にそんなものを理解する人は誰もいない。友人たちが興味津々にセックスの話ばかりしているのもくだらない。だがそんな春日にも、気になる女子生徒がいる。それは他の男子生徒も憧れている佐伯奈々子。ある日教室に忘れ物を取りに戻った春日は、棚から落ちている彼女の体操着をふと拾い上げ、そのまま家に持ち帰ってしまった。翌日そっと返そうと思ったが、既に「体操着が盗まれた」と大騒ぎでそれどころではない。何もできないまま家路につく春日に、クラスの中でも嫌われ者の女子生徒・仲村佐和が声をかける。彼女は春日が体操着を盗んだことを知っていた。仲村は春日の弱みに付け込んで、強引にひとつの契約を交わす。それは春日が仲村の言うことを、何でも聞かねばならないというもの。仲村の要求は、過激で変態的なものだった。

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時計じかけのオレンジ

10月4日(金)公開 午前十時の映画祭10 FINAL

辛辣すぎて観客を凍り付かせるブラックコメディ

 高校生のアレックスは暴力に夢中になっている。夜な夜な仲間たちとミルクバー(麻薬入りのミルクを飲ませる店)に集まり、高揚した気分で街に獲物を探しに行く。彼らは薄汚いホームレスを袋叩きにしてウォーミングアップしたあと、他のギャンググループと乱闘して汗を流し、最後はお高くとまったインテリの家を襲撃して鼻歌まじりに女をレイプし、夫を叩きのめすのだ。仮病を使って学校を休み、レコード店で二人組の女の子をナンパして3Pセックスにふける。アレックスの強権体制に反抗的な仲間を暴力で屈服させたまではよかったが、強盗に入った家で女を殺したのはまずかった。仲間はさっさとアレックスを見捨てて逃げ出し、彼はひとり刑務所に入ることになった……。14年の刑を受けたアレックスは、牧師お気に入りの従順な模範囚を演じることで脱出の機会を狙っている。唯一のチャンスは、心理学の理論を応用した最新の矯正プログラムを受けることだった。

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アイネクライネナハトムジーク

9月20日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

悪い話ではないが淡白で薄味

 仙台駅前の大型モニターには、日本人初のヘビー級タイトルマッチの様子が生中継されていた。マーケットリサーチ会社に勤める佐藤は、そんなこととは関係なしに街頭アンケートを行っている。ほとんどの人が見向きもしないまま通り過ぎていく中で、快く協力してくれたリクルートスーツ姿の若い女性。他愛のない会話を交わしただけで別れたが、彼女は佐藤の心に忘れがたい印象を残した。佐藤は仕事もできるし、見た目も性格も悪くない。だが恋人はいない。これまでに、いい出会いがないのだ。早くに結婚した大学時代の友人・織田は、運命の出会いなんてものは言い訳に過ぎないという。誰かを好きになって、付き合って、何なら結婚して、何年もした後に、あの時の出会いは運命だった、この人と出会えて良かったと思うんじゃないか? 織田の説明は、佐藤にはわかったようでよくわからない。それからしばらくして、佐藤はある場所であのアンケートの女性と再会する。

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宮本から君へ

9月27日(金)公開 新宿バルト9ほか全国ロードショー

個人的なトラウマ漫画の劇映画化

 文具メーカーの若い営業部員・宮本浩は、仕事にも恋にも全身でぶつかる熱血漢。そのせいで仕事でも何度かトラブルを起こし、同じだけ周囲の人たちに助けられてきた。そんな彼が、年上の女性・中野靖子と付き合い、結婚することになる。両親に彼女を紹介するため実家に帰った際、食事中に気分が悪くなって席を立つ靖子。宮本の母は彼女が妊娠していることを察して、このことで息子に小言を言う。「どうしてあなたは何も説明してくれないの。靖子さん妊娠してるのね。みんな聞いたわよ」。「聞いたって、何を、どこまで聞いたんだ!」。いきなり血相を変える宮本。じつは靖子の妊娠には、彼女と宮本以外にほとんど誰も知らない秘密があったのだ……。宮本がまだ靖子ときちんと付き合い始める前、彼女の部屋を始めて訪ねたときのことだ。そこにやって来たのは、靖子の元恋人・祐二。宮本は祐二の前に立ちふさがり、「靖子は俺の女だ。俺が守る!」と啖呵を切った。

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ジョン・ウィック:パラベラム

10月4日(金)公開 TOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー

マーク・ダカスコスに目が釘付け!

 殺し屋たちの聖域・コンチネンタルホテルで宿敵サンティーノを射殺し、1,400万ドルの賞金首になってしまったジョン・ウィック。追っ手がかかるまでの猶予1時間をあっという間に使い果たした彼は、個人的なつてを頼ってモロッコに渡る。モロッコのコンチネンタルホテルで支配人を務めているのは、血の誓印を交わした元殺し屋のソフィア。彼女の手引きで誓印や金貨の管理人ベラーダに接触したジョンは、世界中の殺し屋組織を束ねる首領に会うため砂漠に向かった。一方、組織はニューヨークに組織の裁定人を送り、かつてジョンに協力した者たちに情け容赦の無い制裁を加えていく。タブーを犯したジョンに1時間の猶予という温情を示したウィンストンも、ホームレスたちの地下組織に君臨するキングも、組織に地位を奪われることになった。ジョンはもはや孤立無援。彼を助ける力を持っているのは、謎めいた組織の首領だけ。ジョンは彼に接触できたのだが……。

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