オール・ザット・ジャズ

5月25日(金)公開 午前十時の映画祭9

「死」をテーマにしたミュージカル映画

 演出家で振付師、さらに映画監督でもあるジョー・ギデオン。才能がひしめき合うブロードウェイで、誰しもが認めるナンバーワンの才能と実績の持ち主だ。現在は新しいショーの準備が始まったのに加え、映画の編集は大詰めに差し掛かっている。まったく気の休まる暇が無い多忙な日々。それでも彼は毎朝鏡に向かい、自分を鼓舞するように「ショータイムだよ、皆さん」と言ってから稽古場や編集室に出かける。(そして女遊びも欠かさない。)だがショーの準備が半ばに差し掛かった頃、長年の不摂生がたたってジョーは倒れてしまう。医者の診断は絶対安静。しかしジョーは見舞に来る友人たちを相手に、毎日のようにバカ騒ぎを続けるのだ。彼は自分が不死身だとでも思っているのだろうか? そうではない。彼は誰よりも自分の死を強く意識している。長年に渡り、死は彼にとって最良の友であり、同時に敵でもあった。彼は今、目の前に迫ってくる死に怯えているのだ。

続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

 5月12日(土)公開 新宿バルト9ほか全国順次公開

子供にとって安モーテルが全世界だった!

 フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートは、ディズニー社が経営する世界最大のアミューズメントリゾート施設だ。だが世界各地から来る観光客を迎える「夢の国」の外側には、廃墟と化した別荘地や商業施設、安モーテルがひしめき合っている。6歳の少女ムーニーは、母のヘイリーとそんな安モーテルのひとつで暮らしている。同じモーテルには似たような境遇の家族が長期滞在しているが、ヘイリーは仕事を失って週払いの部屋代にも窮する状態。それでもムーニーと仲間の子供たちの夏休みは、毎日が驚きと冒険に満ちている。モーテルの雇われ支配人ボビーは、支配人としての職分と限界を十分に自覚した中で、モーテルで暮らす人たちや子供たちを見守っている。貧乏人の寄り合い所帯であるモーテルがかろうじて安全と秩序を保っているのは、彼の働きによるところが大きいのだ。だがムーニーとヘイリー母娘の暮らしは、さらに過酷なものになっていく。

続きを読む

ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜

5月11日(金)公開 新宿ピカデリーほか全国ロードショー

日本の難病青春メロドラマをアメリカでリメイク

 17歳のケイティは幼い頃に母を亡くし、今は父と二人暮らし。彼女には母の記憶も、太陽の下で過ごした記憶もない。彼女は色素性乾皮症(XP)という難病のため、太陽の光に当たることができないのだ。家から出るのは日が暮れてからで、今は夜中の駅で自作の曲を通行人に歌って聞かせるのがケイティにとって掛け替えのない時間になっている。ある晩、歌っている彼女の前に、チャーリーという同い年の少年が現れる。有望な水泳選手でありながらケガで大学の奨学金を棒に振った彼は、ケイティを一目見て心を奪われてしまう。だがケイティにとっても、チャーリーは10年以上前から窓越しに姿を追う片思いの相手だった。ふたりはすぐに交際を始めるが、ケイティは彼に自分の病気について話すことができなかった。心配する父や友人に、「病気の話をすれば彼は病人と付き合うことになってしまう。今は病気と無関係な私を見てほしい」と言うケイティだったが……。

続きを読む

のみとり侍

5月18日(金)公開 全国ロードショー

丁寧な作りでクスクス笑わせる艶笑時代劇

 江戸時代中期。俗に言う田沼時代。越後長岡藩士の小林寛之進は些細なことで藩主の逆鱗に触れ、「ネコのノミとりでもしておれ!」と江戸の町に放り出される。お役後免になったとは言え、藩主の命令とあらば従ってみせるのが武士の意地。そのままノミとり稼業に足を踏み入れる寛之進を待っていたのは、ネコのノミとりとは表向き、裏では女相手に体を売る売笑夫としての生活だった。だが買春稼業はサービス業。色事に疎い寛之進は最初の客にいきなり「ヘタクソ」と言われて、真面目で研究熱心な性分に火が付いた。たまたま町で知り合ったのが、小間物問屋の入り婿だが浮気ぐせが直らぬ清兵衛という男。彼に色事の指南をあおぎ、寛之進はめきめきと房事の腕を上げていく。最初に寛之進をヘタクソ呼ばわりしたおみねも、すっかり馴染みになってメロメロだ。だが江戸城内では田沼意次が失脚。大目に見られていたノミとり業も、厳しい取り締まりの対象になった……。

続きを読む

名探偵コナン ゼロの執行人

4月13日(金)公開 全国ロードショー

いちいち大げさに騒ぎすぎなんだよ……

 東京サミット開催直前、会場に予定されていた東京湾の複合リゾート施設で爆発が起きる。一時はガス漏れによる事故と思われたが、現場から毛利小五郎の指紋が残され、毛利探偵事務所のパソコンからは施設のガス器具にアクセスした痕跡が発見された。小五郎は身に覚えのない事件の容疑者として逮捕されてしまう。事件はともかく、小五郎が関わったという話は公安によるでっち上げだ。コナンは公安捜査員である安室に詰め寄るが、安室はまるで非協力的な態度だ。また小五郎が有名人であることから、彼の弁護士になろうとする者は誰もいなかった。困り果てたコナンや蘭たち前に現れたのは、公安がらみの事件弁護で連戦連敗という女性弁護士の橘境子。はたしてコナンや蘭たちはこの頼りない弁護士と組んで、小五郎の無実を証明することができるのか? そして爆破事件の真相や、小五郎を罠にはめた公安の目的は何なのか? やがて意外な犯人の正体が明らかになる。

続きを読む

孤狼の血

5月12日(土)公開 全国ロードショー

東映やくざ映画の正統な後継者

 昭和63年。広島県呉原市。県警から赴任してきたばかりの新人刑事・日岡が見たのは、やくざ同士の対立で一触即発状態になっている町と、地元やくざとずぶずぶの関係になっているベテラン刑事・山上の存在だった。山上とコンビを組む日岡は、県警の監督官から山上の不正の証拠探しを命じられていた。だが山上のもとに「兄が行方不明になっている」という女からの相談があったことで、ふたりはやくざ抗争のまっただ中に巻き込まれて行くことになる。消えた男は、地元やくざの尾谷組と対立する広島系やくざ・加古村組のフロント企業で金庫番をしていた男だ。山上はこの男が、何らかの事情で既に加古村組に殺されていると直感する。その確たる証拠が見つかれば、加古村組を一網打尽にできる。山上は拷問・放火・窃盗など、なり振り構わぬ強引な捜査を進めるが、これらはどれも日岡の目に余ることばかりだった。この間にも、やくざ同士の緊張関係は高まっていく。

続きを読む

レディ・プレイヤー1

4月20日(金)公開 全国ロードショー

スピルバーグから映画ファンへのプレゼント

 西暦2045年。人口増加と資源の枯渇でスラム化した世界の中で、人々は「オアシス」というネットワークゲームの中で、現実離れした仮想現実の人生を楽しんでいた。だがある日、その世界が一変する。ゲーム開発者であり運営会社の筆頭株主でもあるジェームズ・ハリデーが亡くなり、遺産として、会社の経営権を譲り受けるための秘密の鍵をゲームの中に隠したのだ。世界中の人々が、一攫千金を夢見て鍵の争奪戦に参加する。17歳のウェイドも同じだ。鍵さえ手に入れば、今の貧しい暮らしから脱出できる。ウェイドのアバター名はパーシヴァル。彼はゲームの中で出会った信頼できる仲間たちと共に、最初の鍵を見つけることに成功する。パーシヴァルは一躍世界的な有名人になった! だがこれを心好く思わないのが、ゲーム世界の資産を独占しようとする巨大企業IOI社。IOIが鍵と「オアシス」の権利を独占するために、パーシヴァルと仲間たちは邪魔だった。

続きを読む