スリー・オブ・アス

第28回 東京国際映画祭 コンペティション

政治亡命者の視点から見たイラン現代史

NOUS TROIS OU RIEN

 1970年代のイラン。青年弁護士イバットは、国王の独裁に抗議して民主化を求める学生組織のメンバーだった。しかし当時は政府批判がタブーであり、政治犯として逮捕されたイバットは懲役10年の判決を受ける羽目になる。服役中に国内では反政府運動が高まり、彼が7年半の服役を終えて刑務所の外に出てきた直後、ついに国王は国外に亡命して国家体制は刷新された。だがその後のイランを支配したのは、民主主義とはほど遠いイスラム国家体制。イバットは再び反体制運動に身を投じ、警察に追われることになった。結婚して子供も生まれたが、もはやイランにイバットたちの居場所はない。彼は同じ反体制派であるクルド人たちの手を借りてトルコへの国境を越え、さらにフランスへと亡命する。暮らし始めたのはパリ郊外の低所得者向けアパート。必死にフランス語を学び、勉強してフランスの弁護士資格も取った。やがて彼は地域のNPOで働き始めることになる。

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