まぼろしの市街戦《4Kデジタル修復版》

2018年10月27日(土)公開 新宿K’s cinema

時代を経ても色褪せない現代人のための寓話

 第一次世界大戦末期の1918年10月。敗走中のドイツ軍は北フランスの小さな村を放棄する際、村全体を吹き飛ばすことができる巨大な時限爆弾をセットした。これをレジスタンスからの暗号電文で知ったイギリス軍は、伝書鳩係のプランピック二等兵を決死隊として村に送り込む。彼がその任務に選ばれたのは、彼がフランス語を喋れるという理由だけ。プランピックは村に潜入したものの、そこには既に村人たちの姿がない。あっという間にドイツ兵に見つかったプランピックが逃げ込んだ先は、村のはずれにある精神病院だった。医者も看護師も逃げ、患者だけになった病院で、プランピックはとっさに「ハートのキング」と名乗って患者たちの喝采を浴びる。やがてドイツ軍も村を脱出。誰もいなくなった村に出て行った患者たちは、思い思いの服を着て、自分のなりたい者になる。だがこの間にも、爆弾炸裂までの時間は刻一刻と迫っていた。タイムリミットは真夜中だ。

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劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>

** 2月8日(金)公開 全国ロードショー**

ああ、80年代が懐かしい!

 シティーハンターの異名を持ち、裏社会で知らぬ者なき凄腕のスイーパー(始末屋)冴羽獠。彼のもとに、人気モデルの進藤亜衣からボディガードの依頼が舞い込む。1ヶ月ほど前に彼女の父が交通事故死して以来、正体不明の男たちに何度も襲われているというのだ。獠は相棒の槇村香と共に、24時間体制で付きっきりのガードを行うが、亜衣に付きまとっているのはただのチンピラではなく、武装したプロの傭兵たちだった。この事態の背後で、資金力を持つ巨大な組織が動いている。だがいったいなぜ、彼らは亜衣を襲おうとするのだろうか? 亜衣の仕事場に付き添った獠たちは、そこでIT企業の社長・御国真司に出会う。彼はなんと香の幼なじみ。十数年ぶりに再開した御国は香をデートに誘うが、獠はそのことにまるで無関心な様子。同じ頃、海坊主と美樹、警視庁の野上冴子や公安警察は、新宿を舞台に起きようとしている巨大な陰謀の手掛かりをキャッチしていた。

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グリーンブック

3月1日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

古典の風格が漂う実話ベースの感動作

 1962年の秋。ニューヨークの一流ナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒をしていたトニー・リップは、店の改装でしばらく無職の身となった。そんな彼に、運転手の仕事が舞い込んでくる。雇い主は黒人ジャズ・ピアニストのドン・シャーリー。当時まだ露骨な黒人差別が行われていたアメリカ南部を巡る、8週間の演奏旅行だ。レコード会社の担当者から黒人旅行者用のホテルガイド「グリーンブック」を手渡され、トニーとドンの旅がはじまる。演奏するのは一流のクラブやコンサートホール、レストランなど。観客は金持ちの白人ばかりだ。ドンの華麗な演奏テクニックと洗練された物腰に、行く先々の観客たちは大喝采。生まれも育ちも人種も違う二人の会話はまるで噛み合わないが、トニーが妻に書く手紙をドンが手伝うようになったことから、二人の距離は急速に縮まっていく。やがてトニーは、ドンが危険で屈辱的なこの演奏ツアーを企画した意味を知るのだった。

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翔んで埼玉

2月22日(金)公開 全国ロードショー

これは映画ならではのウルトラC

 恋人との結婚が決まり、やっと熊谷の実家を出て憧れの東京暮らしができると張り切る愛海。両家顔合わせのため両親の車で会場に向かう途中、ラジオから流れてきたのは「埼玉にまつわる都市伝説」を紹介する番組だった。1990年代。東京の超エリート校である白鵬堂学院に、アメリカからの転校生・麻実麗がやって来る。都会育ちの超リッチなエリートを感じさせる麗の優雅な物腰に、在校生たちは夢中。都知事の息子で生徒会長の壇ノ浦百美は当初反発したものの、やがて彼に惹かれていくことになる。これは単なる好意ではないく、禁断の恋。だが麗は身分を偽って学園に侵入した埼玉県民だった。当時東京は埼玉や千葉との県境を閉ざし、両県から東京に入るには通行手形が必要だった。中でも埼玉県への差別は激しく、県民はほとんど人間扱いされていないありさま。身分を偽って東京に侵入した「かくれ埼玉人」への取り締まりも苛烈だった。麗と百美は埼玉に逃れる。

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パルプ・フィクション

2月1日(金)公開 午前十時の映画祭9

1990年代生まれのカルトムービー

 殺し屋のヴィンセントは同じ組織のジュールスと一緒に、ボスに命じられた仕事を片づける。こんな仕事は、文字通り朝飯前だ。それよりヴィンセントが気になるのは、ボスに言いつけられているもうひとつの仕事のことだ。大した内容ではない。ボスの新妻ミアの外出に付き合い、彼女をエスコートすればいいのだ。だがほんの少し前、同じくミアの世話係を命じられた男がヘマをして、ボスから半殺しの目にあわされている。気が短く嫉妬深いボスを少しでも不快にさせれば、自分もただでは済まされない。だがミアは自由気ままに振る舞うじゃじゃ馬で、この夜の出来事はヴィンセントにとって忘れられないものになる……。同じ頃、中年ボクサーのブッチは、ギャングのボスから八百長試合を命じられていた。彼はこの申し出を受けながらボスを裏切り、負けるべき試合に勝ってノミ屋の賭けで大儲けする。ボスがこれを許すはずがない。彼は恋人と二人で逃げ出すのだが……。

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メリー・ポピンズ リターンズ

2月1日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

本家が作ったパスティーシュ映画

 バンクス家からメリー・ポピンズが去って25年。ジェーンとマイケルは大人になり、二人の生活も、世の中の様子もずいぶん変わった。マイケルは1年前に妻を亡くし、銀行勤めをしながら3人の子どもを育てている。だが妻の闘病などでここ数年は経済的負担も大きく、銀行への借金返済が滞ったままだ。銀行は借金の担保になっている家を取り上げると通告している。このままでは家を取り上げられてしまう。そんな時、バンクス家に再びメリー・ポピンズがやって来る。メリーは子どもたちを風呂に入れたり、一緒に散歩に出かけたりしてすっかり打ち解け、子どもたちは少しずつ本来の明るさを取り戻していく。一方マイケルは、親から相続した銀行の株券があれば家を取られずに済むと考えて、家中を引っかき回して必要書類を探す。だがそのための時間は、あまり残されていなかった。じつはこの借金抵当問題には、不況下にも着々と事業拡大する銀行家の陰謀があった。

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アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング

** 2018年12月28日(金)公開 新宿ピカデリーほか全国ロードショー**

終盤の取りまとめが雑なのは残念

 世界的な化粧品メーカーに勤めるレニーは、自分の容姿に自信が持てないことで窮屈な生活を送っている。動画サイトを見ながら化粧や髪型を工夫しても、彼女は自分が美しくないことに引け目を感じていた。だがある日フィットネスクラブで転倒して目を覚ますと、彼女の身に奇跡が起きていた。鏡の中にいるのは、これまで見たことがないような絶世の美女。(ただしそう見えているのはレニー本人だけなのだが。)容姿に自信が付いたレニーは、あらゆることに積極的になる。周囲の人は、決して美しいとは言えないレニーが自信満々なのを不思議そうな目で見る。だが彼女は周囲の驚きの目を、「私が美しいせいでみんながびっくりしている!」と解釈している。レニーは本社の受付嬢に名乗りを上げて採用され、本社の経営トップや幹部たちからも一目置かれるようになる。素敵な恋人もできた。だがこうした変化は、レニーの態度を少しずつ傲慢なものにしていくのだった。

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