犬部!

7月22日(木・海の日)公開予定 全国ロードショー

主人公たちの戦っている相手が見えない

■あらすじ

 秋田の獣医大学に通う花井颯太は、人並み外れた犬好き。親しい友人たちは彼を「犬バカ」と呼ぶ。ある日、彼は迷い犬を一匹保護する。張り紙を作って飼い主を探したところ、それはすぐに見つかった。犬は大学の安室教授が管理していたのだ。ということは……。

 教授は外科実習の担当だ。愛護センターから殺処分予定の犬をもらい受け、生体を使った解剖実習を行っている。保護した犬はその実習教材。この犬を教授に返せば、実習で殺されてしまうことになる。颯太は一度は犬を教授に引き渡したのだが、しばらくすると犬はまた逃げて颯太のもとに戻って来てしまう。もう犬は渡せない。颯太の思いつめた様子を見て、教授は犬を颯太に引き渡すことにした。

 この出来事をきっかけに、大学に「犬部」が誕生する。メンバーは愛護センターから犬や猫を引き取って、新しい飼い主を探すのだ。

 それから16年。颯太は東京都内で自分の動物病院を開いていた。

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あのこは貴族

2月26日(金)公開 ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

何かと生きづらい世の中ですが

 都心の高級ホテルで毎年元日に行われる家族食事会に、ひとり遅刻して現れた榛原華子。じつは一緒に来るはずだった恋人と直前に別れてしまい、少々ばつが悪かったのだ。家族は華子の話を聞いて驚くが、その後の切り替えは早い。「なら次の人を見つけなさいよ」「年も年なんだし、あなたも早く結婚しなくちゃ」。結局その日のうちに、父の知り合いだという医者の息子と見合いすることを承諾させられてしまった。この見合いは結婚につながらなかったが、これをきっかけにして華子はせっせと婚活に精を出すようになる。そして出会ってしまったのだ、運命の人に……。義兄の会社の顧問弁護士だという青木幸一郎に、華子はほとんど一目惚れ。話はとんとん拍子に進んでプロポーズされ、華子もそれを夢見心地のまま了承。だがその直後に、幸一郎には交際している女性がいることがわかる。相手の名は時岡美紀。それからしばらくして、華子は美紀と会ってみることにする。

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グレース・オブ・ゴッド 告発の時

7月17日(金)公開 ヒューマントラストシネマ渋谷ほかロードショー

神父の性犯罪と教会の偽善を告発する実録映画

 アレクサンドルは、フランスのリヨンで妻や5人の子供と暮らす40歳代の銀行幹部だ。彼は友人のひとりから、少年時代にボーイスカウト活動を指導していたプレナ神父が、再びリヨンに戻ってきたことを知らされる。「君もプレナ神父に触られたかい?」と言う友人は、プレナ神父から性的虐待を受けた被害者だった。アレクサンドルが心の中で封印していた思い出が蘇る。自分も同じように、プレナ神父の性虐待の対象になっていた。しばしば個室に呼び出され、体をなで回されてキスされた。神父の性癖は当時ボーイスカウトに参加していた子供たちにとって公然の秘密で、同じような被害を受けた子供は大勢いるはずだ。その神父が、今もまだ教会で聖職者を続け、聖書クラスで子供たちを教えているのだ。アレクサンドルは30年前の性被害を、教会に告発することにした。神父を子供たちから遠ざけ、聖職を剥奪しなければならない。アレクサンドルの戦いが始まった……。

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エジソンズ・ゲーム

6月19日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

巨人ウェスティングハウス!

 1880年代のアメリカ。列車用空気ブレーキの発明で事業家としても成功していたジョージ・ウェスティングハウスは、エジソンの白熱電球に注目していた。白熱電球は世界を変える素晴らしい発明だ。しかしエジソン社が供給している直流電源システムでは、大規模な電力供給網を作ることができない弱点がある。この弱点を克服した交流発電機を入手・実用化させていたウェスティングハウスは、エジソンと手を結ぶことで全米規模の電気事業を作り上げられると考えた。だが直流にこだわるエジソンはこの提携話を拒む。こうして直流のエジソン方式と、交流のウェスティングハウス方式が、市場の覇権を争う「電流戦争」が勃発した。当初はエジソンの名声でリードしていた直流陣営だが、エジソン社で交流の研究を阻まれた天才科学者ニコラ・テスラがウェスティングハウス陣営に参加する頃から、徐々に劣勢に立たされるようになる。市場は交流派に大きく傾いていく……。

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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

6月12日(金)公開 全国ロードショー

名作「若草物語」の最新映画版

 ニューヨークで作家修業中のジョーは、マーチ家四人姉妹の次女だ。長女のメグは既に結婚して二児の母。三女のベスは身体が弱くて、実家で母と暮らしている。四女のエイミーは資産家の伯母に連れられて、パリで絵の勉強をしている。必死の売り込みでようやく作家としての入口に立ったジョーは、まだ姉妹が実家で一緒に暮らしていた頃のことを思い出す。

 北軍の従軍牧師として出征し、長く家を留守にしている父。不在の父にかわって、一家の大黒柱となっている母。隣人ローレンス氏の思いやり。ローレンス氏の孫、ローリーとの友情。そんな中で、ベスが猩紅熱にかかったのは家族にとって大きな事件だった。しかし家族の必死の看護もあって、ベスは一命を取り留める。他人が見れば何でもない出来事も、姉妹たちにとってはかけがえのない日々だった。しかしそれから7年たった。四姉妹の少女時代は終わったのだ。時の流れは、否応なしに家族の姿を変えていく。

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ライフ・イットセルフ 未来に続く物語

11月22日(金)公開 TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

タネも仕掛けもたっぷりのロマンス映画

 ウィルとアビーは深く愛し合っていた。少なくとも、ウィルはそのつもりだった。大学で知り合ったふたりは卒業後に結婚し、やがて子供を授かる。子供の出産を控えた幸せな日々。だがその幸せを無視するように、突然アビーはウィルのもとを去った。この事実を受け入れられないウィルは自殺を図り、精神病院に一時的に入院。退院後は精神科医のカウンセリングに通いながら、傷ついた心を癒やそうとしている。今でもウィルは「なぜ彼女は去ったのか」と自分自身に問い続けている。あれほど愛していたのに。いや、ひょっとすると愛していたのは自分だけで、彼女はそうではなかったのだろうか。自分の気持ちも、愛ではなくただの束縛だったのかもしれない。そんな堂々巡りを続けるウィルに、精神科医は語りかける。「アビーは去ったのではない。あなたの目の前で、交通事故で死んだのだ」と。ウィルが受け入れられないのは、アビーが死んでしまったという事実だった。

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アド・アストラ

 9月20日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

冒頭の大落下は大画面で観る価値あり!

 近未来の地球。宇宙から降り注ぐ電流サージによって、世界中で大規模な事故や火災などが増えていた。サージに起因する事故に遭いながら九死に一生を得た宇宙飛行士のロイ・マクブライドは、上官から秘密の任務を命じられる。それは人類を危機に陥れているサージを止めるため、海王星まで行けというものだった。今から16年前、地球外生命体を探す「リマ計画」というプロジェクトがあり、旅立った飛行士たちはそのまま消息を絶った。参加者全員死亡と見られていたが、じつは参加者のうち、ロイの父クリフォードだけがまだ生きており、海王星付近で活動しているらしい。この活動が、結果としてサージの原因になっている。ロイの任務は父を説得して、地球に連れ帰ることだ。彼は民間人旅行者の身分で月基地に渡り、さらに火星の中継基地に到着する。だが心理テストで任務から任務から外されそうになったことで、ロイは強引に探査ロケットに乗り込んだのだが……。

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エイス・グレード/世界でいちばんクールな私へ

9月20日(金)公開 ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国ロードショー

美しくもなく輝いてもいない思春期!

 ケイラは中学生ユーチューバーだ。定期的にネットに動画をアップして、同世代の子供向けにポジティブなメッセージを送っている。だがそれを学校で知る人はほとんどいない。パソコンのカメラの前で笑顔を振りまき饒舌な彼女も、学校では無口な子、目立たない子、イケてない子で通っているのだ。学内の人気者たちを横目で見ながら、積極的にその中に入っていけないことに自分でイラだっている。怒りをぶつける相手は父親だ。自分の事が心配なのはわかるが、あれこれ口を出したり干渉したりしてくる父親にも、ケイラはイライラが止まらない。そんな彼女が、クラスの人気者ケネディの母親から、プール開きパーティに招待された。ケネディ本人は明らかに乗り気じゃない。それがわかるから、ケイラもこの招待に応じるのは気が重い。しかしこれを断れば、自分がクラスのはぐれ者であることを自分で認めるようなもの。ケイラは勇気を振り絞って会場に乗り込んだが……。

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

8月30日(金)公開 TOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー

タランティーノが作った夢のハリウッド

 1969年のハリウッド。テレビ西部劇で一世を風靡した俳優のリック・ダルトンは、番組打ち切り後に何本かのB級アクション映画に出演した後、これといっためぼしい役にありつけないまま「往年のスター」扱いされつつあった。時々回ってくる役は、テレビ映画にゲスト出演する悪役ばかり。彼に忠誠を尽くす専属スタントマンのクリフ・ブースも、今では身の回りの世話をする雑用係のようなありさまだ。そんな彼の家の隣に最近引っ越して来たのは、『ローズマリーの赤ちゃん』の大ヒットで時代の寵児となっているロマン・ポランスキー監督と新妻シャロン・テート。成功の上り坂を駆け上がる者と、同じ坂をゆっくり下って行く者の悲しい対比だ。リックにはイタリア製西部劇への出演依頼があるが、ハリウッドで一度は時代の寵児となった男にとって、イタリアへの都落ちはプライドが許さない。同じ頃、ハリウッドでは危険なカルト集団が勢力を伸ばしつつあった。

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ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた

6月7日(金)公開 ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにてロードショー

小さくて愛らしいミュージカル映画

 ブルックリンで小さなレコードショップを経営するフランクは、17年続けた店を閉めようと決心した。一時は流行った店だ。今でも熱心な常連客はいるものの、インターネット時代にレコード一本の店は成り立たない。妻が事故で亡くなった後、男手ひとつで育て上げた一人娘のサムは、新学期からLAの大学で医者になる勉強をはじめるため家を出る。そろそろ潮時なのだ。元ミュージシャンの彼にとって目下唯一の楽しみは、子供の頃から音楽を教えて育てた娘との即興的なセッション。あまり乗り気ではないサムを強引に誘い、その晩ひとつの曲が生まれた。それが「ハーツ・ビート・ラウド」だ。出来上がった曲が驚くほど良かったため、フランクは娘に内緒でSpotifyにアップロード。これがSpotifyの注目曲リストに選ばれたことで、彼はすっかり舞い上がってしまう。だがサム自身はもっと冷静だった。音楽は大好き。でもそれは彼女の夢ではないのだ。

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