ザ・ファブル 殺さない殺し屋

6月18日(金)公開 全国ロードショー

堤真一が演じた悪役の奇妙な魅力

■あらすじ

 ボスの命令でとある売春組織のメンバーを次々に始末していく、凄腕の殺し屋ファブル。彼はターゲットを始末した際に現場にいた少女を助けたが、彼女はこの出来事が原因で下半身不随となってしまう。

 それから数年後。殺しの仕事を離れて「普通の生活」をしているファブルこと佐藤明は、公園で下半身麻痺のリハビリをしている佐羽ヒナコに出会う。彼女はかつてファブルの殺しの現場に出くわして少女だった。ヒナコは小さなNPO団体の職員だが、代表の宇津帆という男はNPOや興信所を隠れ蓑にして悪どい仕事を重ねる裏社会の人間だ。

 宇津帆は自分のグループの新しいメンバーとして、元真黒組の井崎という男を引き入れる。彼はヒナコが出会った佐藤が真黒組の社員向け施設に暮らしていることを知り、宇津帆は佐藤が伝説の殺し屋ファブルであることを確信する。

 宇津帆にとって、ファブルは自分の売春組織を壊滅させ弟を殺した仇だった……。

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キャラクター

6月11日(金)公開 全国ロードショー

菅田将暉主演の和製サイコサスペンス

■あらすじ

 マンガ家志望の山城圭吾は、有名マンガ家のアシスタントをしながら、デビューを目指して作品の持ち込みを続けている。画力や構成力には非の打ち所がない。だがキャラクターの弱さが、圭吾の作品を凡庸なものにしていた。クライムサスペンス指向なのに、犯人像にとがった魅力がないのだ。圭吾はマンガ家への道を諦めかけていた。

 だが勤め先のマンガ家からスケッチを依頼されて夜の街に出た圭吾は、そこでたまたま一家四人殺害事件の現場に出くわす。現場は血の海。そこから立ち去る若い犯人と、圭吾は確かに目が合った。だが圭吾はそのことを警察に黙っていた。この犯人を主人公に、事件をモデルにしたマンガ作品を描きたいという衝動が勝ってしまったのだ。

 1年後、山道で起きた運転手家族四人殺害事件の現場を調べていた清田刑事は、現場の状況があるマンガに瓜二つだと気付く。それは山城圭吾の「34(さんじゅうし)」という作品だった……。

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ジャッリカットゥ 牛の怒り

7月17日(土)公開予定 シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

爆走する91分のジェットコースター映画!

■あらすじ

 南インドのケーララ州。鬱蒼としたジャングルの合間に切り開かれた小さな村に、アントニの肉屋があった。ここの肉は新鮮なことで評判だ。何しろ毎日生きた水牛を仕入れて潰し、まだ湯気が出ているような新鮮な肉を切り分けて売っているのだ。

 だがある日、アントニの店に連れてこられた水牛が突然暴れて逃げ出した。慌てて追いかけるアントニ。その様子を見た村人たちも、水牛捕獲に加勢する。だが逃げる水牛も命がけ。取りつく人間たちを振り払い、蹴散らしながら、村とその周辺を駆け回る。肉屋としての面目丸つぶれになったアントニは、まず自分が捕まえねばと血まなこで水牛を追う。

 だが水牛は捕まらない。それどころか水牛を捕まえて謝礼をせしめようと、多くの男たちが水牛を追い回し、人数はどんどん増えていく。隣村の腕自慢たちがやって来た。噂を聞きつけて札付きの不良も村に戻ってくる。

 はたして水牛を捕らえることはできるのか?

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すばらしき世界

2月11日(木)公開 全国ロードショー

穏やかなハッピーエンドに涙する

 殺人犯の三上正夫が、13年ぶりに刑務所から出所する。彼は刑務所を出る前、ある資料を東京のテレビ関係者に送っていた。それは「身分帳」と呼ばれる自分自身の調査書を、裁判中に自分自身の手で書き写したものだ。三上には幼い頃に生き別れた母がいる。その母の行方を、テレビの力を借りて探したかったのだ。こうして出所直後の三上の様子を、テレビのスタッフが追いかけ始める。三上は身元引受人の弁護士夫婦に見守られつつ職探しを始めるが、刑務所を出たばかりであることに加えて持病もあり、止むを得ず生活保護を受給することに。だがオンボロアパートで一人暮らしを始めた彼の生活は、どこか周囲の人たちからずれている。世の中は彼が知っている13年前とは、ずいぶん様変わりしているのだ。三上は弁護士夫妻の他、福祉窓口のケースワーカー、最初は彼を万引き犯と間違えたスーパーの店長などに囲まれて、更生への道を歩んでいくかに見えたのだが……。

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悪人伝

7月17日(金)公開 全国劇場公開

マ・ドンソクの存在感にしびれる!

 夜道で人が刺され、金を奪われる事件が発生した。警察は強盗殺人事件として捜査開始。だが刑事のチョン・テソクは、これが近隣で起きている他の殺人事件と同一犯だと直感する。上司は「他の管轄の事件に首を突っ込むな」と釘を刺すが、テソクは独自に捜査を進めていく。そんな中、しばしばテソクと対立している大物やくざのチャン・ドンスが、何者かに刺されて病院に担ぎ込まれた。犯人は逃亡したが、テソクはこれも連続殺人犯の仕業だと確信する。だとすれば、ドンスは一連の事件の唯一の生存者だ。ドンスは犯人の顔を見て、会話も交わしている。だが警察は一連の事件が同一犯だという見立てにはとらず、テソクは自由に使える人手がない。一方ドンスも復讐のために犯人を追うが、多くの部下が動いても雲をつかむような話。警察の調査分析能力と、やくざの人海戦術を組み合わせるしかない。こうしてテソクとドンスは、一時的に手を組むことになったのだが……。

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初恋

2月28日(金)公開 全国ロードショー

荒ぶるベッキーに注目だ!

 天涯孤独の若きプロボクサー葛城レオ。彼は体調不良を疑って診察を受けた医師から、脳腫瘍で余命わずかの宣告を受ける。手術可能だが、ボクサー生命は絶たれる。やけっぱちな気分になったレオは、夜の街で「助けて!」と叫びながらすがりついてくる若い女と、彼女を追う中年男に出会う。反射的に手が出た。プロのカウンターパンチを食らって、中年男は失神。だが殴った相手は刑事だった。逃げていたのは、やくざ組織に囲われていたシャブ中の娼婦モニカ。刑事の大伴は組織の若いやくざ加瀬とつるみ、組織に運び込まれた大量の覚醒剤を横領しようとしていたのだ。しかしただ横領したのではすぐ足が付く。だからモニカがブツを奪って逃げたことにして、彼女の身柄は闇から闇に葬ってしまえばいい。完璧に見えたシナリオ。それがレオの登場で狂い始める。一方で加瀬も、ヤクを奪う際の不手際で計画に齟齬を生じさせていた。やくざ、刑事、中国マフィアが動き出す。

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パラサイト 半地下の家族

1月10日(金)公開 TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

これは現代版『天国と地獄』だ

 低所得者が多く住む裏町で、家賃の安い半地下の部屋に住むキム一家は、家族全員が失業中だ。そんな中、浪人したまま定職にも就かないでいる長男ギウに、高校時代の友人が紹介してくれたのが、家庭教師のアルバイトだった。もともとその友人のバイト先だったのだが、急きょ留学が決まって後釜にギウを紹介したのだ。数日後、ギウが向かったのは高台の高級住宅地。高名な建築家が設計したというパク家の豪邸で、ギウは女子高生ダヘに英語を教えることになった。その家には小学生の息子ダソンもいて、両親は絵を教える家庭教師を探しているという。ギウは姉のギジョンを海外から帰ったばかりの美術療法士に仕立て、同じパク家に雇わせることに成功。さらにギジョンはトリックを使って一家の主人が雇っていた運転手を解雇させ、架空の運転手派遣会社を介して父ギテクを新しい運転手として雇わせる。残るは母チュンスクを雇わせる番だが、これは少し手間がかかった。

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ドクター・スリープ

11月29日(金)公開 全国ロードショー

こうして物語は受け継がれていく

 ダン(ダニー)・トランスはアル中の中年男だ。父親もアル中だったが、彼が5歳のときに山間部のリゾートホテルで冬季管理人の仕事を引き受け、孤立した環境の中で精神を病んで死んだ。だがダンは知っている。父ジャックは、ホテルに巣食っていた悪霊に取り憑かれたのだ。ダンは子供の頃から「シャイニング」と呼ばれる不思議な力を持っており、悪霊たちはその力を自分たち側に引き込むため、父を使って彼を殺そうとした。父の手を逃れたダンだったが、悪霊は彼につきまとい続ける。ダンは自分を守る黒人の霊に指導され、悪霊たちを一人ずつ自分の頭のなかにある箱の中に閉じ込める。悪霊は去ったが、安らぎは訪れない。彼はアルコールまみれの生活を立て直すため、ニューハンプシャー州の小さな町に転居してホスピスで仕事を始める。ようやく手に入れた安らかな生活。しかし彼はそこで、アメリカ各地で起きる少年少女誘拐殺人事件に巻き込まれていくのだった。

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アイリッシュマン

11月15日(金)公開 全国ロードショー

デ・ニーロがスコセッシ映画に帰ってきた!

 これはひとりの男の回想だ。トラック運転手のフランク・シーランは、車のエンジン不調で立ち往生しているところで、たまたま通りがかった男に声をかけられた。立派な身なりの男は、手が油まみれになるのも厭わずエンジンに手を突っ込み、不調の原因をピタリと言い当てる。これがフランクとラッセル・ブファリーノの出会いだった。積み荷の横領で小遣い稼ぎをしていたフランクは、雇い主に訴えられたところを組合の弁護士に助けられ、彼の紹介でラッセルと再会する。すっかり意気投合した二人は家族ぐるみの付き合いをはじめる。ラッセルは裏社会で名の知れた顔役のひとりで、いつしかフランクはその右腕として、頼まれた「ペンキ塗り」の仕事を手掛けるようになった。「ペンキを塗る」は裏社会の隠語で、人を殺すことだ。そんな中でラッセルが自分の仕事仲間としてフランクに紹介したのが、全米トラック運転組合「チームスター」の会長ジミー・ホッファだった。

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キング

10月25日(金)公開 アップリンク渋谷・吉祥寺にて公開

シェイクスピアの世界を大胆に翻案

 15世紀初頭のイギリス。イングランド王ヘンリー4世の嫡男ハル王子は父親と対立して宮廷を離れ、放蕩無頼の生活に身を落としていた。病身の父王は王子を廃嫡し、弟トマスに王位を継がせると宣言。しかしトマスはウェールズとの戦いで命を落とし、ハル王子は宮廷に呼び戻されて、父王の死後ヘンリー5世として即位する。だが宮廷内にはこれを好ましく思わない者たちも多い。新王に対する暗殺計画は未然に防ぐことができたが、フランスも暗殺者を送り込んで王位を脅かす。ヘンリーはフランス出兵を決めたが、信頼できる側近がいないのは大きな弱味。彼は放蕩時代の仲間だったフォルスタッフを宮廷に召し出して要職に就けたものの、こうした人事を好ましく思わない者たちの心はむしろ離れて行く。フランスに攻め込んだイングランド軍は上陸地点に近い城を落とすと、さらに内陸へと進軍。しかしその行く手には、フランス王太子ルイが率いる大軍が待ち構えていた。

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