クリード 炎の宿敵

1月11日(金)公開 TOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー

『ロッキー』シリーズの集大成

 話題先行のタイトルマッチから3年。アポロの息子アドニスは、ついにWBCのヘビー級チャンピオンのベルトを手にする。それはかつて父アポロや親友ロッキーが手にした、曰く付きのベルトでもあった。彼は恋人のビアンカと結婚し、順風満帆の人生。だが同じ頃、遠く離れたウクライナで新王者のベルト奪取を狙う父子がいた。30年前にアポロと戦って彼を死に至らしめ、その後ロッキーに敗れ去ったイワン・ドラゴと、彼の息子ヴィクターだ。プロモーターは「因縁の試合」という話題性でボクシングファンとヴィクターを挑発し、アドニスは「父の仇討ち」のためにこの挑戦を受ける。だがこの試合に不穏なものを感じたロッキーが、アドニスのセコンドに付くことはなかった。そしてはじまった、世界が注目する初防衛戦。だがヴィクターの猛攻にアドニスは何もできず、立っているのが精一杯。相手の反則で王位陥落は免れたが、アドニスの心と体は深く傷ついていた。

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こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話

2018年12月28日(金)公開 丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

大泉洋主演の実録難病ドラマ

 1994年の札幌。医学生の田中と交際中の美咲は、彼がしばしば「ボランティア」と称して約束をすっぽかすことに不信感を募らせる。ひょっとして彼は、浮気しているんじゃないだろうか? 予告なしに田中のボランティア先を訪ねた美咲は、そこで大勢の若い女性ボランティアに囲まれてご満悦の、鹿野という男に出会う。筋ジストロフィー(全身の筋力が衰えていく難病)患者である彼の自立生活を支えるため、大勢の生活支援ボランティアが無償で働いている。田中もそんなボランティアのひとりなのだ。美咲を田中が勧誘した新しいボランティアだと勘違いした鹿野は、一目で彼女を気に入り夜中のシフトにも強引に入れてしまう。自分のために働くボランティアを当然のようにこき使い、あれこれ命じて好き放題に振る舞う鹿野に、美咲のイライラは募るばかり。田中が自分のことを、交際相手だと紹介しないことにも腹が立っている。その怒りがある日ついに爆発する。

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パウロ 愛と赦しの物語

11月3日(土)公開 ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー

ひたすら地味で、暗く、つまらない

 西暦67年のローマ。ネロ帝は数年前に起きた大火の責任を、当時帝国内に目立ちはじめたキリスト教徒になすりつけ、市内では大規模なキリスト教徒の弾圧が行われていた。ローマ滞在中の使徒パウロも、放火の首謀者として囚われの身。だが今や処刑を待つばかりの彼を、かつて旅を共にした医者ルカが訪ねてくる。最後にパウロの旅と信仰の記録を聞き取って書き写し、迫害の中で苦しむ各地のキリスト教徒たちに伝えるためだ。看守に賄賂を渡し、命がけでパウロの牢獄を訪ねるルカ。だがこのことは、獄舎の長官であるマウリティウスにもすぐ知られてしまう。彼には娘があり、今は重い病に苦しんでいる。だが「ルカは優秀な医者だ。彼なら娘を治せる」と言うパウロの言葉に、マウリティウスが耳を貸すことはない。キリスト教徒の助けを借りることで、ローマの神々の怒りを招くことを恐れているのだ。だが娘が危篤状態になったとき、彼はついにルカに助けを求める。

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教誨師

10月6日(土)公開 有楽町スバル座ほか全国公開

俳優大杉漣の最後の主演作

 佐伯保は教誨師だ。本業はプロテスタント教会の牧師だが、地域の拘置所で刑の執行を待つ死刑囚と話をするボランティアをしている。外部との面会が厳しく制限されている死刑囚たちにとって、教誨師の佐伯は数少ない外部との接点。佐伯が担当している死刑囚たちは、一癖も二癖もある人たちばかりだ。教誨師との面談を望みながら、ほとんど一言も言葉を発しない人もいれば、とりとめの無い雑談を延々と続けるものもいる。共通しているのは、そこにクリスチャンなどひとりもいないこと。佐伯は死と向かい合う死刑囚たちに何とかして聖書や神の言葉を伝えようとするが、その意欲が空回りすることも多い。時には死刑囚の言葉に心を揺り動かされることもあれば、彼らの言葉に翻弄され振り回されることもある。元暴力団組長からの意外な告白にドギマギし、青年死刑囚の言葉に追い詰められ動揺することもある。ある日佐伯に、拘置所の担当者から重大な知らせが届く。

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ワンダー 君は太陽

6月15日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

子供の成長という大きな奇跡!

 オギー・プルマンは10歳の男の子。両親と姉の四人家族の中で、いたずらと『スター・ウォーズ』が大好きな少年へとすくすく成長した。でも彼がひとつだけ、他の子供と違っていることがある。オギーは遺伝性の病気で、顔が変形して生まれたのだ。赤ん坊の頃から何十回も手術を繰り返したが、顔の変形が完全に治ったわけではない。学校に通えないまま、ホームスクールで母親から授業を受けていた。しかし小学5年生の新学期から、オギーは生まれてはじめて学校に通うことになった。物珍しそうにオギーの顔をのぞき込む子供たち。子供は大人以上に残酷なのだ。でも悪いことばかりじゃない。オギーは優しい先生たちに見守られながら、初めて自分と同じ年頃の子供たちと触れ合う。仲の良い友達もできた。同じ頃、オギーの姉ヴィアも高校生の新学期を迎えている。子供の頃から手のかからない「良い子」として育った彼女にも、思春期の女の子としての悩みがあった。

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七人の侍《4Kデジタルリマスター版》

6月8日(金)公開 午前十時の映画祭

フォルマリズムの果てのリアリズム

 戦国時代末期。野武士の略奪に苦しめられた山間の小さな村は、侍を雇って野武士と戦うことを決意する。だが侍に払う金はない。報酬はただ、白い飯を腹一杯食わせるだけだ。農民の窮状を聞いて、7人の浪人が村に馳せ参じることになった。浪人のリーダーである勘兵衛は、農民たちを指揮して村の防備を固め、あちこち柵や堀を巡らして要塞化する。やがて麦の刈り取りが終わり、いよいよ野武士たちがやって来た。侍と農民たちは勘兵衛の巧みな戦略で野武士を次々に撃退するが、その間に侍にも少なからず犠牲が生じる。侍と農民たちは疲れ果て、野武士も追い詰められている。このまま長い戦いは難しい。短期決戦しかない。おそらくそれは、明日の朝に迫っている。そして夜明け。決死の覚悟で村に襲いかかってくる野武士たち相手に、侍や農民たちも最後の力を振り絞って戦い抜く。やがて野武士は全滅。しかし7人いた侍たちのうち、生き残ったのは3人だけだった。

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万引き家族

6月8日(金)公開予定 TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー

是枝裕和監督のカンヌ映画祭パルムドール受賞作

 路地の隙間から、東京スカイツリーが見える東京下町。高層マンションと昔ながらの小さな平屋が混在するこの地域に、柴田家の人々は肩寄せ合うようにして暮らしている。年金暮らしの祖母を中心に、小さな家に夫婦と息子、叔母が同居する暮らし。だがこの一家には、あまり大っぴらには言えない秘密の稼業がある。彼らは生活費の不足を、万引きで補っているのだ。ある冬の夜、近くのスーパーでその日の「仕事」を済ませた帰り道のこと。父の治と息子の祥太は、近くのアパートの廊下で一人震えている幼い女の子を見つける。「コロッケ食べるかい?」と声をかけた治は、結局その子を自分たちの家に連れて帰ってしまう。「ゆり」と名乗ったその少女には、体中に虐待のあとがあった。翌日女の子を元のアパートに連れ帰ろうとした夫婦は、部屋から聞こえてくる「子供なんて欲しくなかった」という怒鳴り声を聞いて、どうしてもゆりを帰すことができなくなってしまう。

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