ホロコーストの罪人

8月27日(金)公開予定 新宿武蔵野館ほか全国順次公開

忘れられかけたノルウェーのホロコースト

■あらすじ

 1930年代後半。チャールズ・ブラウデは、ノルウェーで最高のボクサーの一人だった。ブラウデ家はリトアニアから亡命してきたユダヤ人だが、この時代のノルウェーにユダヤ人差別はほとんどない。チャールズは非ユダヤ人のラグンヒルと結婚し、周囲もそれを祝福する。ナチスがノルウェーを占領したのは、そんの時だった。

 国王ホーコン7世の亡命やレジスタンス活動もあったが、ナチスの理論で「優良な北方人種」とされたノルウェー国民をナチスは緩やかに扱った。だが1941年にはユダヤ系住民の登録制度が始まる。翌年10月には、国中のユダヤ人男性が一斉に逮捕され、国内2ヶ所の収容所に集められる。チャールズも父や兄弟たちと収容所へ。そこで待っていたのは、強制労働と看守たちによる陰惨なリンチだった。

 そして翌月。警察に国内のユダヤ人を全員逮捕せよとの命令が下った。ラグンヒルはチャールズの母を匿おうとするのだが……。

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アウシュヴィッツ・レポート

7月30日(金)公開予定 新宿武蔵野館ほかにて公開

死の収容所から脱走した男たち

■あらすじ

 1944年4月。二人のユダヤ人が、アウシュヴィッツの強制収容所から脱走した。その夜の点呼で脱走はすぐに発覚したが、看守のドイツ兵たちの捜索にもかかわらず、二人の行方はついに見つからなかった。

 逃げ出した囚人アルフレートとヴァルターは、収容所近くの材木置き場に隠れていたのだ。看守たちが捜索をほぼ諦めたのを見極めて、二人は材木の下の穴から抜け出すと、国境を目指して歩き始めた。昼間は人目を避けて草むらに隠れ、暗くなってからひたすら歩く。

 国境まであと数日の距離になった時、二人は森の中で地元の女性に見つかってしまう。通報されれば万事休す。だが女性は持っていたパンを二人に分け与え、親戚の男を呼んできて国境までの道案内に立てる。二人は空腹と疲労に倒れそうになりながら、国境を越えることに成功する。

 赤十字に無事保護された二人。だがここから新たな戦いが始まる。収容所の実態を世界に知らせるのだ!

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復讐者たち

7月23日(金)公開予定 ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開

知られざるホロコースト後日談の映画化

■あらすじ

 1945年。ホロコーストを生き延びたユダヤ人マックスは、家族の手掛かりを追って難民キャンプに向かう。そこで待っていたのは、妻子が殺されたという悲しい知らせだった。

 彼はイギリス軍ユダヤ人部隊の士官ミハイルに声をかけられ、彼らが秘かに行っているナチス残党狩りに合流する。ユダヤ人を収容所に送った者たちや収容所の責任者を探しだし、闇から闇に葬り去るのだ。この活動の中で、マックスは「ナカム(復讐)」と名乗るユダヤ人過激派グループと接触する。

 それから間もなく、ミハイルたちの部隊は別の地域に転属が決まる。マックスはミハイルたちと別行動を取り、ナカムに潜入して内情を探るスパイ任務を与えられる。かなり強引に組織にもぐり込んだマックスは、ナカムがドイツ人600万人の殺害という、前代未聞の大規模テロを計画していることを知る。

 マックスはこの計画を止めるのか? それとも、計画の遂行に加担するのか?

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