親愛なる君へ

7月23日(金)公開予定 シネマート新宿・心斎橋ほか全国順次公開

愛することが生み出した悲劇

■あらすじ

 ジエンイーは幼い少年ヨウユーと、その祖母シウユーと一緒に暮らしていた。ジエンイーと二人の間に血の繋がりはない。彼らは数年前に亡くなった、ジエンイーの同性パートナーの家族なのだ。

 大陸に渡って事業を興したパートナーの弟リーガンが正月に久しぶりの帰国をした日、ジエンイーは家族三人の食卓から少し距離を置くことにした。自分とパートナーの関係は、幼いヨウユーには秘密になっているからだ。彼はただの同居人に過ぎない。

 それから半年後。シウユーが亡くなった。「なぜ死んだんだ。半年前はあんなに元気だったのに!」と問い詰めるリーガンに、ジエンイーは何の反論もできない。リーガンは事情を調べはじめて愕然とする。自分の知らぬ間に、母名義の不動産は孫のシウユー名義になってる。そしてシウユーは、ジエンイーの養子になっていたのだ。

 母は財産目当てに殺されたのではないか? リーガンはシウユーを警察に告発する。

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少年の君

7月16日(金) 新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー

傷だらけの青春ラブストーリー

■あらすじ

 高校で同級生が自殺した。飛び降り死した遺体を遠巻きに眺めながら、生徒たちはスマホで写真や動画を撮っている。チェン・ニェンはその様子を見るに忍びなく、遺体の上に自分の着ていた上着を掛ける。

 自殺の原因は明らかだった。クラスメイトからの執拗なイジメだ。だがそのことについて、学校側や警察の取り調べがあっても誰も口を開かない。チェン・ニェンも黙っていた。なぜって、今は高校3年生にとって、大学入試を控えた大切なときのだから。

 だが遺体に上着を掛けたチェン・ニェンは、イジメグループの次のターゲットにされてしまうのだった。毎日続くしつこい嫌がらせ。待ち伏せ。暴力。彼女は少しずつ追い詰められて行く。

 チェン・ニェンがシャオベイに出会ったのは、そんな中でのことだった。たまたま通りがかった夜の街で、チンピラに取り囲まれて袋だたきにあっていた彼を見かね、チェン・ニェンは警察に電話しようとしたが……。

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くれなずめ

5月12日(水)公開 テアトル新宿ほか全国ロードショー

高校時代の仲間たちが隠している秘密とは?

■あらすじ

 友人の結婚式に参加するため、数年ぶりに勢揃いした高校時代の仲間たち6人。カラオケボックスで余興の練習をし、しこたま飲み、さんざんに酔っ払い、これで当日は大盛り上がり間違いなしと思ったのだが……。

 この世で、酔っ払いの判断ほどあてにならないものはない。高校時代には赤ふんダンスが大ウケだったのに、アラサー男が同じことをやるとダメだったらしい。当日の余興は、招待客たちのドン引きに終わった。

 そんな苦い披露宴の会場を後に、二次会までの時間をどう潰そうかと相談する男たち。結婚式場周囲の喫茶店は似たような客で満席。他の飲食店は夕方にならないと開かず、6人は行き場もなく路上に取り残されてしまう。

 行くあてもないまま、結婚式の引き出物を振り回しながら、思い出話に花を咲かせる男たち。だがその中で、彼らが全員が抱え込みながら、決して口に出さない「ある出来事」が、少しずつ明らかにされていくのだった。

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ファーザー

5月14日(金)公開 TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

主人公の目の前で少しずつ世界が壊れていく

■あらすじ
 80歳を過ぎてもアパートで一人暮らしを続ける父アンソニーのもとに、娘のアンがやってくる。通いで身の回りの世話をしていた介護士が、アンソニーの暴言に耐えられないと娘にご注進したのだ。「また代わりの人を探さなきゃならない」と娘は嘆くが、自分は身の回りのことぐらい一人でできる。いつだってデキの悪い介護士を押し付けてくるのは、娘の方ではないか。介護士が時計を盗もうとしていた話だって、娘は本気では取り合ってくれない。そんな娘が突然「私もうじきパリに行くのよ」と言いだす。「なぜ?」。数年前に前夫と離婚したアンは、新しい恋人と出会って、今は自分の幸せをつかみ取ろうとしているのだ。アンの去ったアパートに、人の気配を感じたのはその直後だった。見ると居間で見知らぬ男が、悠然と新聞を読んでいる。「君は誰だね?」「アンの夫ですよ」。そんな馬鹿な。間もなくアンが帰宅したが、その顔を見てアンソニーはギョッとする……。

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名探偵コナン 緋色の弾丸

4月16日(金)公開 全国ロードショー

リニア新幹線大爆破

 世界中のトップアスリートが集まり、4年に1度開催されるスポーツの祭典「ワールド・スポーツ・ゲームス(WSG)」。その東京大会が開かれ、開会式に合わせて東京と名古屋の間に最高時速1,000キロの真空超電導リニアも開通することが決まった。だが大会直前、大会関係者やスポンサー企業のトップを集めたパーティ会場で誘拐事件が起きる。たまたまパーティ会場にいたコナンは、誘拐の手口を見破り犯人を追跡。拉致された被害者を無事救出することに成功する。だが腑に落ちない。犯人は誘拐した相手を、わざと目立つ場所に放置して逃走したからだ。大胆で用意周到な誘拐だったが、犯人の目的は何なのだろうか? じつは同様の事件が直近にも起きており、今回の事件は連続誘拐事件の一部と思われる。この事件には、FBI捜査官たちも重大な関心を持っていた。じつは今から15年前、アメリカのボストンでも同じような事件が起きていた。それとの関連は?

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騙し絵の牙

3月26日(金)公開 丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

大泉洋は現代版の無責任男だった

 大手出版社「薫風社」の伊庭社長が急死し、やり手の東松専務が後継社長の座に就いた。新社長はアメリカ留学中の前社長子息が戻ってくるまでのワンポイントリリーフと見られていたが、本人にはそんな殊勝な気持ちはない。伊庭ジュニアが戻ってくるまでに社内改革を断行し、出版業界の構造改革で有無を言わさぬ実績を上げて、自分が社長の座に居座るつもりなのだ。その手始めはまず、赤字が続く雑誌部門の改革。カルチャー誌「トリニティ」編集長の速水輝也は、社長に雑誌の休廃刊をちらつかせられながら企画のテコ入れを進める。一方で文芸誌「小説薫風」の編集部は、そんな社内の空気とは無関係。「小説薫風」こそが薫風社の看板であり、今後も日本文学の世界を支えていくという自負がある。だが東松社長はここにも大なたを振るい、月刊誌だった「小説薫風」を季刊誌に再編成する処断を下した。こうして新人編集者・高野恵は、「トリニティ」に配置換えとなる。

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ファーストラヴ

2月11日(木)公開 全国ロードショー

ミステリー映画としては期待はずれ

 有名画家の聖山那雄人が、勤務先の美大で刺殺された。容疑者として逮捕されたのは、聖山の一人娘で女子大生の環菜だった。アナウンサー志望の美人女子大生が、高名な父親を殺害した事件は、日本中にセンセーションを巻き起こす。臨床心理士の真壁由紀はこの事件に興味を持ち、自分の次回の本のテーマにするため取材を開始。だが事件の担当弁護士・庵野迦葉は、由紀の夫である写真家・真壁我聞の弟であり、大学時代には彼女の恋人だった過去がある。結婚後はすっかり疎遠になっていた由紀と迦葉の関係は、この事件の調査をきっかけに最接近していく。だが事件は少々厄介だった。拘置所で面会した由紀に、環菜は「殺した理由は自分でもわからない。動機はそちらで勝手に見つけてください」と言い放つ。環菜と父親・那雄人の過去に何があったのか。環菜の母・昭菜が娘に冷淡な態度を取るのはなぜなのか。由紀は環菜の「初恋の相手」に会ってみようと決意する……。

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TENET テネット

TENET テネット
2020年9月18日(金)公開 全国ロードショー

理解不能だが面白い!

 キエフのオペラハウスでテロ事件が起こり、治安部隊に紛れ込んでいたアメリカ人の男がロシア当局に逮捕される。男は激しい拷問にも決して口を割らず、最後は自決用のカプセルを噛み砕く……。だがそれは、ある秘密組織が男に課した厳格な選抜テストだった。男はそれに合格したのだ。男は組織の秘密施設に案内され、「エントロピーを減少させる銃弾」を見せられる。壁に撃ち込まれた弾頭は時間を遡行して銃の中に戻り、テーブルの上にこぼれた弾丸は上にかざした手のひらの中へと吸い込まれていく。この技術を使えば、過去を変えることができる。このテクノロジーの根幹である「アルゴリズム」の秘密を探るため、男はインドのムンバイに飛ぶ。秘密を知る武器商人の妻プリヤの情報から、ロシア人武器商人セイターの存在を知った男は、セイターの妻キャサリンに接触。彼女を味方に引き込むには、オスロ空港の保管庫にあるゴヤの贋作画を奪い取らねばならなかった。

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罪の声

2020年10月30日(金) 全国ロードショー

あの有名事件の記憶がよみがえる

 亡くなった父のあとを継いで、小さなテーラーを経営している曽根俊也は、自宅の天袋奥から古い手帳とカセットテープを見つける。手帳には英語でびっしりと文字が書かれ、カセットテープには幼い頃の自分の声が吹き込まれていた。だがそれは、かつて世間を騒がせた劇場型企業恐喝「ギンガ萬堂事件」の脅迫テープ原盤だった。なぜこれが自分の家にあるのか。事件と自分はどう関わっているのか。手帳の持ち主は、かつて家に出入りしていた伯父だ。曽根は自分と家族の過去を探るため、今は行方不明になっている伯父の過去を探り始める。同じ頃、大日新聞大阪本社の文化部記者・阿久津英士が、同じ「ギン萬事件」の真相を探り始める。先輩記者の取材メモをもとに情報の洗い直しをしていた阿久津は、ついに犯人グループが利用していた小料理屋を突き止めた。そのしばらく後、京都にある曽根のテーラーに阿久津が現れる。事件調査はそこから大きく動き出すのだが……。

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グレース・オブ・ゴッド 告発の時

7月17日(金)公開 ヒューマントラストシネマ渋谷ほかロードショー

神父の性犯罪と教会の偽善を告発する実録映画

 アレクサンドルは、フランスのリヨンで妻や5人の子供と暮らす40歳代の銀行幹部だ。彼は友人のひとりから、少年時代にボーイスカウト活動を指導していたプレナ神父が、再びリヨンに戻ってきたことを知らされる。「君もプレナ神父に触られたかい?」と言う友人は、プレナ神父から性的虐待を受けた被害者だった。アレクサンドルが心の中で封印していた思い出が蘇る。自分も同じように、プレナ神父の性虐待の対象になっていた。しばしば個室に呼び出され、体をなで回されてキスされた。神父の性癖は当時ボーイスカウトに参加していた子供たちにとって公然の秘密で、同じような被害を受けた子供は大勢いるはずだ。その神父が、今もまだ教会で聖職者を続け、聖書クラスで子供たちを教えているのだ。アレクサンドルは30年前の性被害を、教会に告発することにした。神父を子供たちから遠ざけ、聖職を剥奪しなければならない。アレクサンドルの戦いが始まった……。

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