希望の灯り

4月5日(金)公開 Bunkamuraル・シネマにて公開

経済成長から取り残された人々

 大型の業務スーパーに飲料担当として雇われた、無口な青年クリスティアン。「それは隠しておけよ。客商売だからな」と職場の責任者に言われて、シャツの襟と作業着の袖口を引っ張る彼の体にはタトゥーがある。荒れた生活をしてきたのだろう。だが誰も、そのことについて彼から話を聞こうとする者はいない。右も左もわからないクリスティアンだが、同じ持ち場担当のブルーノに付いて、少しずつ仕事を憶えていく。例えば台車の引き方。荷を縛る結束バンドの再利用法。賞味期限の切れかけた食品をおやつにすること。そしてフォークリフトの運転だ。職場にこれといった事件はない。だが仕事を終えて帰る冷たく冷え切った部屋と違って、職場には仲間たちがいる。クリスティアンはそこで、マリオンという美しい女性と親しくなった。彼女は自分が担当する飲料から通路を一本隔てた菓子類の担当者。クリスティアンは毎日顔を合わせる彼女に、少しずつ心惹かれていく。

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愛がなんだ

4月19日(金)公開 テアトル新宿ほか全国ロードショー

イケテない若い男女の恋がリアル

 田中守と山田テルコは恋人同士ではない。それでも風邪をひいて寝込んだという守からの電話に、テルコはいそいそと出かけ、かいがいしく食事の支度をする。テルコは守のことが好きなのだ。ただ好きなだけじゃない。大好き。愛しているのだ。守のためなら何でもできる。テルコの生活は、今や守を中心に回っていると言っても過言ではない。だが守はそんなテルコの気持ちに気づかないのか、友人だか、飲み友達だかわからない、曖昧な関係のままだ。だがある日、ついにテルコの願いが叶い、二人が結ばれる日がやってきた。イチャイチャとじゃれ合う、甘ったるくて幸福な時間。だがその時間は、あっという間に消えてしまった。守にとって、テルコとの関係は負担だったのだろうか。でもテルコは諦めない。とうとうテルコは会社もクビになってしまう。そんなテルコを友人の葉子は呆れた目で見ているが、その葉子にも、恋人未満の奇妙な関係の男友だちがいるのだった。

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パリの恋人

12月21日(金)公開 午前十時の映画祭9

オードリーがカワイイからゆるす!

 世界的ファッション誌「クオリティ」の編集長マギーは、次の目玉企画のためのモデルに、街の古書店で働く若い店員ジョーを大抜擢。専属カメラマンのディックが強く推薦したためだが、ファッションに興味のないジョー自身はあまり乗り気になれない。だが撮影地がバリと聞いて、彼女の気持ちが動いた。パリに行けば、憧れの哲学者フロストル教授に会えるかもしれないからだ。バリに渡ったマギーたちは、ファッションショーの新作発表とタイアップをすることを目指し、紙面を飾るファッション写真の撮影をはじめる。最初はギクシャクしていた3人の関係だが、ジョーとディックは撮影のため一緒に行動する中で互いに打ち解け、やがて愛し合うようになるのだった。しかしマスコミ向け発表の当日、憧れの哲学教授に会えたジョーは、焼き餅を焼くディックと大ゲンカ。せっかくの発表会もメチャクチャになってしまう。ホテルに戻ったジョーはそのまま消えてしまった。

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アリー/スター誕生

12月21日(金)公開 TOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー

男の苦しさを描いた21世紀版リメイク

 ウェイトレスとして働きながら時折地元のドラァグ・バーで歌を披露するアリーは、たまたま店を訪れたカントリー歌手ジャクソンに見出され、彼のステージに出演するようになる。ふたりが恋人同士になるのに時間はかからなかった。アリーの圧倒的な歌唱力とソングライターとしての才能は注目を集め、やり手のマネージャーも付いて、彼女はスターへの階段を駆け上がっていく。ジャクソンは彼女を応援しつつ、彼女が自分の知らない「スター」に成長して行くことに複雑な気持ちを味わっている。彼にはもともと難聴の持病があったのだが、この頃は耳鳴りもひどくなり、失聴の恐怖を紛らわせるように酒とクスリの量が増えていた。アリーと出会って多少の落ち着きが見られるようになったが、アリーの仕事が忙しくなるとすれ違いも増え、再び酒の量が増えていった。その年のグラミー賞授賞式。受賞したアリーの目の前で、ジャクソンは取り返しの付かない事件を起こす。

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クレイジー・リッチ!

9月28日(金)公開 新宿ピカデリーほかにてロードショー

恋人はシンガポール大富豪の御曹司だった!

 大学で経済学を教えているレイチェルは、恋人ニックが親友の結婚式で介添人を務めるため帰国するのに合わせて、彼の実家があるシンガポールに行くことになった。この機会に彼の家族や親戚一同に引き合わされるらしい。ところが空港に着くと、飛行機がファーストクラスであることにびっくり。「まさかあなた、お金持ちなの?」と問うレイチェルに、「実家がちょっと」と言い訳するニック。だが現地で再会した大学時代の友人に恋人のことを告げると、「あのニック・ヤンが恋人ですって!」と大仰天される。じつはニックの家はシンガポールでも有数の大富豪。いまだ独り身のニックは独身女性たちの憧れの的で、庶民階級出身のレイチェルは玉の輿狙いの嫌な女だと思われるに決まっている。ヤン家で開かれたパーティに招かれたレイチェルは、ニックの母エレノアに挨拶するが、彼女がレイチェルを気に入らないのは態度や口調からも明らか。はてさて、二人の運命は?

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ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜

5月11日(金)公開 新宿ピカデリーほか全国ロードショー

日本の難病青春メロドラマをアメリカでリメイク

 17歳のケイティは幼い頃に母を亡くし、今は父と二人暮らし。彼女には母の記憶も、太陽の下で過ごした記憶もない。彼女は色素性乾皮症(XP)という難病のため、太陽の光に当たることができないのだ。家から出るのは日が暮れてからで、今は夜中の駅で自作の曲を通行人に歌って聞かせるのがケイティにとって掛け替えのない時間になっている。ある晩、歌っている彼女の前に、チャーリーという同い年の少年が現れる。有望な水泳選手でありながらケガで大学の奨学金を棒に振った彼は、ケイティを一目見て心を奪われてしまう。だがケイティにとっても、チャーリーは10年以上前から窓越しに姿を追う片思いの相手だった。ふたりはすぐに交際を始めるが、ケイティは彼に自分の病気について話すことができなかった。心配する父や友人に、「病気の話をすれば彼は病人と付き合うことになってしまう。今は病気と無関係な私を見てほしい」と言うケイティだったが……。

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いつまた、君と 〜何日君再来〜

6月24日(土)公開予定 TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー

実在した家族の戦中戦後史

 一人暮らしをしている祖母・朋子の家を訪ねた孫の理は、祖母が脳梗塞の発作を起こして倒れているのを発見。幸い命に別状はなく、朋子は病院で順調に快方に向かいはじめる。荷物を整理するため祖母の家に戻った理は、彼女がパソコンで自分の半生の記録を整理していることを知った。その手記は昭和15年、祖父母の結婚からはじまる。「日中和平のために働きたい」と言う祖父・吾郎と結婚して南京に渡った朋子。だがほんの数年で戦況は厳しくなり、一家は上海へと移住。さら敗戦によって、着の身着のままで日本に引き揚げてくることになった。愛媛にある朋子の実家で冷遇された一家は、茨城で運送業をはじめようとするが失敗。吾郎は福島のタイル販売業者に勤めるが、出張先で交通事故に遭って大ケガし、なんとか会社に戻ってみれば経理の持ち逃げで事務所はもぬけの空。吾郎はその後も次々職を変えるのだが、運に見放されたようにどれも長続きしなかった……。

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