運び屋

3月8日(金)公開 全国ロードショー

イーストウッド10年ぶりの監督・主演作

 デイリリーの栽培農家として、世界中の愛好家たちに名前を知られていたアール・ストーン。自慢の花や苗を持って各地の品評会や即売会を駆け回っていた彼だったが、インターネット販売に押されて売れ行きは低迷。やがて自慢の農園や家も手放す羽目になった。妻とはもうだいぶ前に離婚し、子供や孫とも音信不通状態。だが結婚する孫娘のために、何もしてやれないのは心残りだ。そんな彼に、ひとつの仕事が舞い込んでくる。ある場所から別のある場所に、荷物を運ぶだけの仕事。荷物の中身については、見ざる、聞かざる、言わざるのお約束だ。仕事の依頼主は麻薬組織のメンバーたち。長年無事故無違反で安全運転を心がけてきた高齢のアールが、オンボロのトラックで荷物を運んでも警察に疑われることはまずなかろうと見込んでのことだ。目論見は大成功。組織は無事に荷物を運び、アールも思いがけない大金を手にした。彼はすっかり、この仕事に味を占めてしまう。

続きを読む

ファースト・マン

2月8日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

カリスマ宇宙飛行士の孤独な世界

 1961年。NASAのテストパイロットであるニール・アームストロングは、ロケット機X-15のテスト飛行中、制御できなくなった機体を何とか着陸させることに成功した。だが現在彼を悩ませているのは仕事のことではなく、幼くして脳腫瘍を患う娘カレンのことだ。家族の祈るような願いと治療のかいもなく、カレンは2歳半の短い生涯を閉じる。このことは、ニールの心を深く傷つけることになった。彼はその後ジェミニ計画の飛行士に応募して、苛酷な訓練の日々を送るようになる。1966年。ニールが船長を務めるジェミニ8号は、無人衛星とのドッキングに成功。一時は操作不能になる危機的な状況となったが、ニールの的確な処置で無事帰還を果たした。その翌年、悲劇的な事故が宇宙飛行士たちを襲う。発射台のアポロ1号が火災事故を起こし、飛行士3人が死亡したのだ。それでも計画は進んで行く。ニールは月着陸を目指すアポロ11号の船長に選ばれた。

続きを読む

この道

1月11日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

盟友山田耕筰が語る北原白秋の実像

 昭和27年。小田原で開催された「北原白秋 没後十周年記念コンサート」で、白秋とのコンビで多数の歌曲を作った作曲家の山田耕筰が指揮棒を振っていた。コンサート終了後、記者から白秋についての思い出を尋ねられた彼は、「あんなひどいやつはいない」と言いながら、若き日の白秋と自分自身の関わりについて語り始める……。山田と白秋が出会ったのは、「赤い鳥」の鈴木三重吉の紹介によるものだった。「あなたの詩に曲を付けてより豊かなものにしたい。新しい日本の歌曲を作りたい」と熱く語る山田だったが、「僕の詩に何か加えるなんて許さない。僕の詩はそれだけで完璧な芸術なんだ!」と白秋は共作に興味を示さない。だが大正12年の関東大震災に打ちひしがれる人々の姿を見て、白秋の気持ちは共作に傾く。音楽には詩にはない力があると思ったのだ。大正14年。二人が作詞作曲した「からたちの花」が、日本初のラジオ放送で演奏されることになった。

続きを読む

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話

2018年12月28日(金)公開 丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

大泉洋主演の実録難病ドラマ

 1994年の札幌。医学生の田中と交際中の美咲は、彼がしばしば「ボランティア」と称して約束をすっぽかすことに不信感を募らせる。ひょっとして彼は、浮気しているんじゃないだろうか? 予告なしに田中のボランティア先を訪ねた美咲は、そこで大勢の若い女性ボランティアに囲まれてご満悦の、鹿野という男に出会う。筋ジストロフィー(全身の筋力が衰えていく難病)患者である彼の自立生活を支えるため、大勢の生活支援ボランティアが無償で働いている。田中もそんなボランティアのひとりなのだ。美咲を田中が勧誘した新しいボランティアだと勘違いした鹿野は、一目で彼女を気に入り夜中のシフトにも強引に入れてしまう。自分のために働くボランティアを当然のようにこき使い、あれこれ命じて好き放題に振る舞う鹿野に、美咲のイライラは募るばかり。田中が自分のことを、交際相手だと紹介しないことにも腹が立っている。その怒りがある日ついに爆発する。

続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ

11月9日(金)公開 TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー

ライブの再現シーンはすごい迫力!

 インドからの難民家庭に育ったフレディは、ライブハウスで見かけたバンド「スマイル」に欠員が出たため、新しいシンガーとしてバンドに参加することになった。間もなくバンドは「クイーン」に改名。試行錯誤して作ったアルバムが注目されてバンドは徐々に売れ始め、4枚目のアルバム「オペラ座の夜」からは6分の大作「ボヘミアン・ラプソディ」がシングルカットて大ヒット! だがこの頃からフレディは自分の同性愛指向を意識するようになり、恋人メアリーとの関係は破綻してしまう。クイーンはさらにヒットを連発するが、バンド成功の裏側でフレディの孤独は深まり、生活は荒んで行くばかりだ。マネージャーであり愛人でもあったポールの斡旋で、フレディはクイーンを離れてソロ活動をはじめる。だがそれ結果として、フレディの孤独をより深めていく原因になってしまった。同じ頃、彼の身体を病魔が蝕みはじめる。それは当時不治の病とされたエイズだった。

続きを読む

アメリカ交響楽 ~ラプソディ・インブルー~

9月15日(土)公開 名演小劇場

ガーシュインゆかりの人々が本人役で出演

 20世紀初頭のブルックリン。貧しいが教育熱心なユダヤ系家庭に育ったジョージ・ガーシュインは、ピアノを習い始めるとめきめき腕を上げ、やがてボードビルや音楽出版社で演奏家の仕事をするようになった。ピアノ教師のフランク教授は教え子の演奏にポピュラー音楽のクセが付くことを心配するが、ジョージの夢は演奏家ではなく作曲家だった。その入口は、まずポピュラーソングだ。転機になったのは人気歌手のアル・ジョルスンが、ジョージの曲「スワニー」を気に入って舞台に取り上げたこと。この曲は大ヒットし、ジョージはたちまち人気作曲家に。初期には手ひどい失敗もあったが、「ジョージ・ホワイトのスキャンダル」を担当することで人気は不動のものとなる。1924年には初のクラシック曲「ラプソディ・イン・ブルー」が大成功。ジョージはクラシック音楽をより深く学ぶため、フランスに遊学することとなる。そこで彼を、運命の出会いが待っていた。

続きを読む

グレイテスト・ショーマン

2月16日(金)公開 全国ロードショー

伝説的な興行師の伝記ミュージカル映画

 19世紀半ばのアメリカ。貧しい仕立職人の息子に生まれたP・T・バーナムは、上流階級出身の幼なじみチャリティーと結婚したものの、いつまでも貧しい暮らしから抜け出せないままだった。思いあまった彼は詐欺まがいの手法で銀行から1万ドルを借り、蝋人形や剥製を展示する博物館をオープンさせる。しかしこれもまったく客受けしない。だが娘の言葉にヒントを受けて、彼は博物館で新しいショーを始める。それは小人や巨人、ヒゲ女に毛むくじゃらの男、百貫デブ、黒人兄妹の空中ブランコなど、センセーショナルな話題を振りまく見世物興行だった。ショーは大当たりするが、同時に社会の良識派からの非難も激しくなる。バーナムは自分のショーを上流階級に認めさせるため、一座を引きつれてイギリスのビクトリア女王に謁見。さらにヨーロッパでナンバーワンのオペラ歌手、ジェニー・リンドのアメリカツアーを企画する。しかしこれが大きな落とし穴となった。

続きを読む