こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話

2018年12月28日(金)公開 丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

大泉洋主演の実録難病ドラマ

 1994年の札幌。医学生の田中と交際中の美咲は、彼がしばしば「ボランティア」と称して約束をすっぽかすことに不信感を募らせる。ひょっとして彼は、浮気しているんじゃないだろうか? 予告なしに田中のボランティア先を訪ねた美咲は、そこで大勢の若い女性ボランティアに囲まれてご満悦の、鹿野という男に出会う。筋ジストロフィー(全身の筋力が衰えていく難病)患者である彼の自立生活を支えるため、大勢の生活支援ボランティアが無償で働いている。田中もそんなボランティアのひとりなのだ。美咲を田中が勧誘した新しいボランティアだと勘違いした鹿野は、一目で彼女を気に入り夜中のシフトにも強引に入れてしまう。自分のために働くボランティアを当然のようにこき使い、あれこれ命じて好き放題に振る舞う鹿野に、美咲のイライラは募るばかり。田中が自分のことを、交際相手だと紹介しないことにも腹が立っている。その怒りがある日ついに爆発する。

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ボヘミアン・ラプソディ

11月9日(金)公開 TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー

ライブの再現シーンはすごい迫力!

 インドからの難民家庭に育ったフレディは、ライブハウスで見かけたバンド「スマイル」に欠員が出たため、新しいシンガーとしてバンドに参加することになった。間もなくバンドは「クイーン」に改名。試行錯誤して作ったアルバムが注目されてバンドは徐々に売れ始め、4枚目のアルバム「オペラ座の夜」からは6分の大作「ボヘミアン・ラプソディ」がシングルカットて大ヒット! だがこの頃からフレディは自分の同性愛指向を意識するようになり、恋人メアリーとの関係は破綻してしまう。クイーンはさらにヒットを連発するが、バンド成功の裏側でフレディの孤独は深まり、生活は荒んで行くばかりだ。マネージャーであり愛人でもあったポールの斡旋で、フレディはクイーンを離れてソロ活動をはじめる。だがそれ結果として、フレディの孤独をより深めていく原因になってしまった。同じ頃、彼の身体を病魔が蝕みはじめる。それは当時不治の病とされたエイズだった。

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パウロ 愛と赦しの物語

11月3日(土)公開 ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー

ひたすら地味で、暗く、つまらない

 西暦67年のローマ。ネロ帝は数年前に起きた大火の責任を、当時帝国内に目立ちはじめたキリスト教徒になすりつけ、市内では大規模なキリスト教徒の弾圧が行われていた。ローマ滞在中の使徒パウロも、放火の首謀者として囚われの身。だが今や処刑を待つばかりの彼を、かつて旅を共にした医者ルカが訪ねてくる。最後にパウロの旅と信仰の記録を聞き取って書き写し、迫害の中で苦しむ各地のキリスト教徒たちに伝えるためだ。看守に賄賂を渡し、命がけでパウロの牢獄を訪ねるルカ。だがこのことは、獄舎の長官であるマウリティウスにもすぐ知られてしまう。彼には娘があり、今は重い病に苦しんでいる。だが「ルカは優秀な医者だ。彼なら娘を治せる」と言うパウロの言葉に、マウリティウスが耳を貸すことはない。キリスト教徒の助けを借りることで、ローマの神々の怒りを招くことを恐れているのだ。だが娘が危篤状態になったとき、彼はついにルカに助けを求める。

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万引き家族

6月8日(金)公開予定 TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー

是枝裕和監督のカンヌ映画祭パルムドール受賞作

 路地の隙間から、東京スカイツリーが見える東京下町。高層マンションと昔ながらの小さな平屋が混在するこの地域に、柴田家の人々は肩寄せ合うようにして暮らしている。年金暮らしの祖母を中心に、小さな家に夫婦と息子、叔母が同居する暮らし。だがこの一家には、あまり大っぴらには言えない秘密の稼業がある。彼らは生活費の不足を、万引きで補っているのだ。ある冬の夜、近くのスーパーでその日の「仕事」を済ませた帰り道のこと。父の治と息子の祥太は、近くのアパートの廊下で一人震えている幼い女の子を見つける。「コロッケ食べるかい?」と声をかけた治は、結局その子を自分たちの家に連れて帰ってしまう。「ゆり」と名乗ったその少女には、体中に虐待のあとがあった。翌日女の子を元のアパートに連れ帰ろうとした夫婦は、部屋から聞こえてくる「子供なんて欲しくなかった」という怒鳴り声を聞いて、どうしてもゆりを帰すことができなくなってしまう。

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ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書

3月20日(火)公開 全国ロードショー

スピルバーグが撮ったフェミニズム映画

 1971年6月。ニューヨークタイムズ紙に掲載された政府機密文書にまつわるスクープに、競合紙のワシントンポスト編集部は色めき立った。この文書によれば、当時収拾のめどが立っていなかったベトナム戦争について、アメリカ政府が長年に渡って国民を騙していたことは明白だ。政府はこの報道に対して、機密情報保護やスパイ防止を理由に報道差し止めの裁判所命令を出すが、ワシントンポストはこの間に自分たちも同じ資料を入手し、特オチを一気に挽回しようと考える。だがこのことが、社内に大きな問題を生み出すことになる。当時ワシントンポスト紙は株式の市場公開によって、経営基盤の強化を図ろうとしている真っ最中だった。しかしこの機密文書報道で政府から目をつけられれば、新聞発行に対して様々な妨害を受けるだろう。場合によっては、新聞社は潰れていかねない。社主のキャサリン・グラハムは、社の存亡を賭けた究極の選択を迫られることになる。

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ハクソー・リッジ

6月24日(土)公開 TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー

地獄の戦場で、戦わない男は英雄になった

 1945年4月。激戦が続く沖縄のアメリカ軍前線基地に、ひとりの衛生兵がやってくる。名前はデズモンド・ドス。彼が同じ部隊の仲間たちから変わり者扱いされているのは、菜食主義のやせっぽちだったからではない。彼はセブンスデー・アドベンティスト教会の敬虔な信徒で、十戒の「殺すな」の掟を守るために銃を取らないことを信条としていたのだ。これが原因で訓練中には上官のしごきや周囲のいじめを受けることもあったが、「殺すのではなく、命を救いたい!」という決意は固く、こうして衛生兵として戦場にやって来ている。だが沖縄での戦いは、それ以前にデズモンドが経験してきたグアムやレイテの戦いとは比較にならない凄惨なものとなった。戦いの舞台は「ハクソー・リッジ」と呼ばれる高い断崖の上にある日本軍陣地。これを攻略しない限り、部隊は釘付けのままだ。激しい戦闘の中で、デズモンドは戦場に取り残された兵士たちを救出するため走り出す。

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いつまた、君と 〜何日君再来〜

6月24日(土)公開予定 TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー

実在した家族の戦中戦後史

 一人暮らしをしている祖母・朋子の家を訪ねた孫の理は、祖母が脳梗塞の発作を起こして倒れているのを発見。幸い命に別状はなく、朋子は病院で順調に快方に向かいはじめる。荷物を整理するため祖母の家に戻った理は、彼女がパソコンで自分の半生の記録を整理していることを知った。その手記は昭和15年、祖父母の結婚からはじまる。「日中和平のために働きたい」と言う祖父・吾郎と結婚して南京に渡った朋子。だがほんの数年で戦況は厳しくなり、一家は上海へと移住。さら敗戦によって、着の身着のままで日本に引き揚げてくることになった。愛媛にある朋子の実家で冷遇された一家は、茨城で運送業をはじめようとするが失敗。吾郎は福島のタイル販売業者に勤めるが、出張先で交通事故に遭って大ケガし、なんとか会社に戻ってみれば経理の持ち逃げで事務所はもぬけの空。吾郎はその後も次々職を変えるのだが、運に見放されたようにどれも長続きしなかった……。

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