きみと、波にのれたら

6月21日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

主題歌の使い方はまるでミュージカル

 大学進学を機に、海辺のマンションに引っ越して来たひな子。部屋の窓からは海が一望でき、波が良ければすぐ海に出てサーフィンができる。そのマンションで火事騒ぎがあったとき、助けてくれたのが消防士の青年・港だ。ふたりは付き合うようになり、ひな子の手ほどきで港もサーフィンの腕をめきめき上げていった。だがクリスマスを過ぎたその年の暮れに、港は海の事故で亡くなってしまう。突然の恋人の死に、何も手に付かなくなってしまうひな子。しかし彼女が港との思い出の歌をふと口ずさんだとき、目の前のコップの水の中に突然港の姿が現れた! それはひな子にだけ見える幻覚なのか? 港はその後も歌うたび彼女の前に現れ、ひな子はそんな彼との時間に安らぎを見出していく。たとえそれが、自分にしか見えない幽霊のような存在だとしても……。だがコップや水筒の水に親しげに、嬉しそうに話しかけるひな子の姿は、友人たちが見ても異様なものだった。

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さよならくちびる

5月31日(金)公開 全国ロードショー

ライブ演奏シーンだけでもとが取れる映画

 2018年7月。インディーズのギターデュオ「ハルレオ」のラストツアーがスタートする。ツアーのメンバーはボーカルとギターのハルとレオに、運転手兼マネージャーのシマの3人だけ。ひとつの夢に向けてはじめた音楽活動だったはずなのに、いつの間にか互いの気持ちがすれ違い、衝突し、こじれきってしまったのだ。車に荷物を載せて各地のライブハウスを移動して行く旅。しかしその間も互いの会話はほとんどなく、口を開けばトゲのある言葉が飛び出すだけだ。ハルレオはもともと、ハルとレオが同じクリーニング工場でバイトしていたことからはじまった。職場で叱られて不機嫌そうにタバコをふかすレオに、ハルが「わたしと音楽やんない?」と声をかけたのだ。ギターも歌も、ハルが手取り足取り教えた。ふたりはじきに路上で歌うようになり、本格的なライブハウス巡りを考えたとき、ローディに名乗り出たのが元ホストで多少の小金を持っているシマだった。

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パリ、嘘つきな恋

5月24日(金)公開 新宿ピカデリーほか全国ロードショー

中年プレイボーイの最初で最後の恋!

 ジョスランは間もなく50歳に手が届こうとしている独身貴族。有名ブランドの販売を手掛けるやり手の企業経営者だが、恋愛に関しては口から出任せの口説き文句で女性たちと次々その場限りの関係を持つプレイボーイだ。母が亡くなって実家の遺品を整理していたとき、たまたま隣家の女性ジュリーが訪れたことから、再びジョスランの虚言癖が始まる。彼女はジョスランが母の車椅子に座っていた様子を見て、彼を障害者だと思い込んでしまうのだ。ジュリーの実家に招待された彼は、そこで彼女の姉フロランスを紹介される。クラシックのヴァイオリン奏者でアマチュアのテニス選手でもある彼女は、車椅子の障害者だった。車椅子を並べて語り合ううちに、ジョスランは彼女にすっかり魅了されてしまう。彼女のテニスの試合を観戦し、海外のコンサートにも行った。これは本気の恋? しかし「障害者同士」だと思っているフロランスに、彼は本当のことを言えなかった。

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ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた

6月7日(金)公開 ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにてロードショー

小さくて愛らしいミュージカル映画

 ブルックリンで小さなレコードショップを経営するフランクは、17年続けた店を閉めようと決心した。一時は流行った店だ。今でも熱心な常連客はいるものの、インターネット時代にレコード一本の店は成り立たない。妻が事故で亡くなった後、男手ひとつで育て上げた一人娘のサムは、新学期からLAの大学で医者になる勉強をはじめるため家を出る。そろそろ潮時なのだ。元ミュージシャンの彼にとって目下唯一の楽しみは、子供の頃から音楽を教えて育てた娘との即興的なセッション。あまり乗り気ではないサムを強引に誘い、その晩ひとつの曲が生まれた。それが「ハーツ・ビート・ラウド」だ。出来上がった曲が驚くほど良かったため、フランクは娘に内緒でSpotifyにアップロード。これがSpotifyの注目曲リストに選ばれたことで、彼はすっかり舞い上がってしまう。だがサム自身はもっと冷静だった。音楽は大好き。でもそれは彼女の夢ではないのだ。

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風と共に去りぬ

5月31日(金)公開 午前十時の映画祭10 FINAL

80年たっても色褪せぬ古典的ロマンス

 南北戦争前夜の南部ジョージア州。広大な農場を持つ名門オハラ家の長女スカーレットは、幼なじみでもあるウィルクス家の長男アシュレーに恋い焦がれ、彼が別の女性と結婚するとの噂を聞きつけて彼を奪い取ろうとする。近隣の人々が集まる盛大なバーベキューパーティーの日、アシュレーは婚約者のメラニーを人々に紹介し、スカーレットの求愛をはねのけた。これを偶然目撃したのが、チャールストンから来たレッド・バトラーだった。「盗み聞きなんて紳士のやることじゃないわ!」「そういう君も淑女とは言えんね」。だがその場に届いたのは、ついに戦争が始まったという知らせ。スカーレットはアシュレーへの当てつけのように、自分に熱を上げるメラニーの兄チャールズと、愛のないまま電撃的に結婚してしまう。意気揚々と戦場に向かう男たちだったが、チャールズは出生直後に戦病死。彼女はあっという間に未亡人になってしまう。そこに再びレッドが現れる。

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愛がなんだ

4月19日(金)公開 テアトル新宿ほか全国ロードショー

イケテない若い男女の恋がリアル

 田中守と山田テルコは恋人同士ではない。それでも風邪をひいて寝込んだという守からの電話に、テルコはいそいそと出かけ、かいがいしく食事の支度をする。テルコは守のことが好きなのだ。ただ好きなだけじゃない。大好き。愛しているのだ。守のためなら何でもできる。テルコの生活は、今や守を中心に回っていると言っても過言ではない。だが守はそんなテルコの気持ちに気づかないのか、友人だか、飲み友達だかわからない、曖昧な関係のままだ。だがある日、ついにテルコの願いが叶い、二人が結ばれる日がやってきた。イチャイチャとじゃれ合う、甘ったるくて幸福な時間。だがその時間は、あっという間に消えてしまった。守にとって、テルコとの関係は負担だったのだろうか。でもテルコは諦めない。とうとうテルコは会社もクビになってしまう。そんなテルコを友人の葉子は呆れた目で見ているが、その葉子にも、恋人未満の奇妙な関係の男友だちがいるのだった。

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君の名は。

8月26日(金)公開 全国ロードショー

名前すら忘れてしまった運命の人

君の名は。

 夢を見て目覚めた朝。最初は夢の内容を覚えているのに、じきにみんな忘れてしまう……。山に囲まれた辺鄙な田舎町に住む女子高生・宮水三葉は、ある日とても奇妙な夢を見た。三葉は夢の中で東京の男子高校生・立花瀧になっているのだ。憧れていた東京の暮らし。しかし夢の中のフワフワした非現実感はなく、その夢はありとあらゆる点が細部までリアルだった。そんな夢を何度か観た後、三葉はそれが夢ではないことを確信する。自分は何日かに一度、東京の男子高校生と意識が入れ替わっているのだ。このことには相手も気づいていた。三葉と瀧は互いに協定を結び、この不思議な現象を楽しみ始める。そしてこの奇妙な日々の積み重ねの中で、ふたりは互いを特別な人として意識するようになっていた。だが互いがそんな気持ちを抱き始めたとき、体と意識の入れ替わりは突然ストップしてしまう。瀧は意を決して三葉に直接電話してみるが、電話の先には誰も出なかった。

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いきなり先生になったボクが彼女に恋をした

11月3日(木)公開予定 丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

中途半端なラストシーンが残念

いきなり先生になったボクが彼女に恋をした

 親の期待に反してひとり日本で働いている韓国人の青年イ・ヨンウンは、会社の業績不振で雇用契約を打ち切られ、同棲中だった恋人にも捨てられて、出張先の沖縄で途方に暮れていた。そんなヨンウンに声をかけたのが、外国語学校を経営する中年カップル。開講直前に韓国語講師に逃げられたふたりは、代わりの講師になりそうな人材を探していたのだ。うっかり彼らの口車に乗ってにわか講師になったヨンウンに、教室の中でもひときわ熱心に講義を受ける生徒・山城さくらの視線が突き刺さる。シングルマザーの彼女は「韓国語ができる」という実態にそぐわない触れ込みで旅行会社に勤めてしまったあと、正社員になろうと必死に韓国語を学んでいたのだ。そんな彼女に、来日する韓国の大口見込み客を接待する役目が降りかかる。学校の授業だけではとても時間が間に合わず、クビになってしまう。困り果てたさくらは、ヨンウンに休日を使った個人レッスンを申し込んだ。

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高台家の人々

6月4日(土)公開 TOHOシネマズスカラ座ほか全国ロードショー

妄想女子とテレパス青年の恋の行方

高台家の人々

 平野木絵は商事会社に勤める平凡なOL。口下手で人付き合いは苦手だが、その反動なのか、荒唐無稽でスケールの大きな妄想にふけるクセがある。もちろんこれは、彼女自身しか知らないささやかな楽しみだ。そんな彼女の目の前に現れたのが、イケメンのエリート社員・高台光正だった。どういうわけか彼は木絵のことが気に入って、あっという間に交際スタートする。そして婚約……。じつは光正には近くにいる人の心を読み取る不思議な力があり、奇想天外な妄想にふける木絵の自由な心が光正の頑なな気持ちをほぐしたのだ。光正の妹弟も同じ力の持ち主。高台家を訪れた木絵はそれを知って、自分の心が読まれていたことにショックを受ける。光正のことは大好きだ。でも彼と妹弟の前で、自分の心が丸裸にされることには耐えられない。木絵は光正の前で、自分の心を閉ざすようになる。もう自由な妄想も許されない。木絵は光正との関係に息苦しさを感じるようになる。

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カンチョリ オカンがくれた明日

カンチョリ オカンがくれた明日

認知症の母を世話する青年がやくざ抗争の渦中に

 カン・チョル(通称カンチョリ)は釜山の水産倉庫で働きながら、認知症の母スニを世話している青年。徘徊癖がある母からは目が離せないが、街の人たちは親子の姿を温かい目で見守ってくれている。たまたま旅行で釜山を訪れていた若い女性スジも、カンチョリ母子と知り合って好意を持ち始めた。だが彼の悩みは、母の体調よくないこと。なるべく早く手術を受けなければ命に関わると言われているが、手術費用は1億ウォンと高額。母を見殺しにはできないが、これはとてもカンチョリに工面できる金額ではない。だが彼は釜山やくざ社会を仕切るサンゴンが襲われた現場に偶然居合わせたことや、幼馴染みのジョンスがサンゴンの手下だったことから、忌み嫌っているやくざたちと関わりを持つことになった。やくざは金持ちだ。この関係を使って、サンゴンから金を借りられないだろうか? だがこの頃、サンゴンは日本のやくざたちと深刻なトラブルを起こしていたのだ。

(原題:깡철이)

5月17日(土)公開予定 シネマート新宿、シネマート心斎橋、伏見ミリオン座
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