風と共に去りぬ

5月31日(金)公開 午前十時の映画祭10 FINAL

80年たっても色褪せぬ古典的ロマンス

 南北戦争前夜の南部ジョージア州。広大な農場を持つ名門オハラ家の長女スカーレットは、幼なじみでもあるウィルクス家の長男アシュレーに恋い焦がれ、彼が別の女性と結婚するとの噂を聞きつけて彼を奪い取ろうとする。近隣の人々が集まる盛大なバーベキューパーティーの日、アシュレーは婚約者のメラニーを人々に紹介し、スカーレットの求愛をはねのけた。これを偶然目撃したのが、チャールストンから来たレッド・バトラーだった。「盗み聞きなんて紳士のやることじゃないわ!」「そういう君も淑女とは言えんね」。だがその場に届いたのは、ついに戦争が始まったという知らせ。スカーレットはアシュレーへの当てつけのように、自分に熱を上げるメラニーの兄チャールズと、愛のないまま電撃的に結婚してしまう。意気揚々と戦場に向かう男たちだったが、チャールズは出生直後に戦病死。彼女はあっという間に未亡人になってしまう。そこに再びレッドが現れる。

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空母いぶき

5月24日(金)公開 TOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー

あらゆるアイデアが中途半端な生煮え状態

 そう遠くない未来。東アジア海域の熾烈な領土紛争の中で、フィリピン海に出現した連合国家・東亜連邦が、日本領土の最南西に位置する波留間群島の初島を武装占拠した。日本政府は海上警備行動の名目で、訓練航海中だった航空機搭載型護衛艦「いぶき」を中核とする第5護衛隊群を現地に派遣。しかし現地海域では東亜連邦の潜水艦や艦隊が待ち構え、「いぶき」はいきなりミサイル攻撃の洗礼を浴びることになる。事態のエスカレートを望まなかった日本政府も、自衛に必要な措置として「防衛出動」を発令。攻撃を仕掛けてくる敵戦闘機を撃墜し、日本は戦後初めての実戦へと足を踏み入れて行く。このとき「いぶき」には、訓練航海を取材するためネットメディアの女性記者と、新聞社のベテラン記者が同乗していた。一連の武力衝突をマスコミに伏せていた日本政府だったが、攻撃された護衛艦が炎上する様子が動画がネットに配信され、国内でも戦争への危機が高まる。

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主戦場

4月20日(土)公開 シアター・イメージフォーラムほか全国順次

日系アメリカ人が見た従軍慰安婦問題

 日系アメリカ人のミキ・テザキは、英語教員として来日した際、日本における人種差別をテーマにした動画をYouTubeに投稿してネトウヨから大バッシングを受けた。「日本に差別などない!」というネトウヨの執拗な攻撃は、結果として日本の中にある根強い差別を浮き彫りにしてしていた。彼はその後、慰安婦少女像の設置を巡ってアメリカの地方議会まで巻き込んだ「従軍慰安婦問題」に注目する。何人かのアメリカ人が、この問題に関する権威やご意見番として、一部の日本人からもてはやされていることに興味を持つ。はたして慰安婦とは何なのか。それは性奴隷だったのか、それとも単なる売春婦だったのか。彼女たちは軍や警察によって強制連行されたのか。それとも自発的な応募だったのか。日本政府にこの問題の責任はあるのか。彼はこの問題で発言している多くの人々に取材を申し込み、慰安婦問題の歴史、争点となっている事柄などを詳細に調べはじめる。

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ハンターキラー 潜航せよ

4月12日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

潜水艦映画の見どころがテンコ盛り!

 ロシア北方のバレンツ海で、ロシア原潜を追跡中のアメリカ原潜タンパ・ベイが消息を絶った。おそらくロシアの原潜から攻撃を受け沈没したのだ。自体は米ロ両国戦争の危機だ。しかし艦内にはまだ生存者がいる可能性もある。救出作戦のため、新艦長ジョー・ダグラス率いる攻撃型原子力潜水艦(ハンターキラー)アーカンソーが北極海に向かう。魚雷攻撃を受けたタンパ・ベイは生存者ゼロだったが、沈没した潜水艦の生存者であるアンドロポフ艦長を救出することには成功した。同じ頃、原潜沈没地点に近いコラ半島のロシア軍基地には、ロシアのザカリン大統領が向かっていた。米軍はロシア側の真意を探るため、特殊部隊を現地に向かわせる。だが現地で偵察中の部隊が目撃したのは、ロシア軍による大統領拉致のクーデター。ロシア軍強硬派のドゥロフ国防大臣は融和的な外交を掲げるザカリン政権に不満を募らせ、対米戦争を起こすことで全権を掌握しようとしたのだ。

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記者たち 衝撃と畏怖の真実

3月29日(金)公開 TOHOシネマズシャンテほか全国順次公開

食べ足りない。おかわりをくれ!

 2001年9月11日。ニューヨークの世界貿易センタービルに2機のジェット旅客機が突入し、国防総省(ペンタゴン)にも旅客機が突入した。のべ3千人近い死者を出した、アメリカ同時多発テロだ。新聞社ナイト・リッダーのワシントンD.C.支局では、この事件に関する政府の対応を取材しはじめる。アメリカ政府はただちに実行犯をイスラム系テロ組織アルカイダだと断定し、本拠地があるアフガニスタンへの対テロ作戦を開始した。しかしこれと並行して、アメリカ国内ではこの事件に対する「イラク黒幕説」が流れはじめたのだ。ナイト・リッダーの取材では、そんな事実は完全に否定されている。中東関係の専門家も、軍関係者も、捜査関係者や情報筋も、同時多発テロとイラクの結びつきはないと断言している。だがイラク黒幕説は日に日に大きくなり、マスコミも、世論も、政治家も、政府も、イラクへの軍事侵攻へと傾く。ナイト・リッダー社は孤立していた。

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まぼろしの市街戦《4Kデジタル修復版》

2018年10月27日(土)公開 新宿K’s cinema

時代を経ても色褪せない現代人のための寓話

 第一次世界大戦末期の1918年10月。敗走中のドイツ軍は北フランスの小さな村を放棄する際、村全体を吹き飛ばすことができる巨大な時限爆弾をセットした。これをレジスタンスからの暗号電文で知ったイギリス軍は、伝書鳩係のプランピック二等兵を決死隊として村に送り込む。彼がその任務に選ばれたのは、彼がフランス語を喋れるという理由だけ。プランピックは村に潜入したものの、そこには既に村人たちの姿がない。あっという間にドイツ兵に見つかったプランピックが逃げ込んだ先は、村のはずれにある精神病院だった。医者も看護師も逃げ、患者だけになった病院で、プランピックはとっさに「ハートのキング」と名乗って患者たちの喝采を浴びる。やがてドイツ軍も村を脱出。誰もいなくなった村に出て行った患者たちは、思い思いの服を着て、自分のなりたい者になる。だがこの間にも、爆弾炸裂までの時間は刻一刻と迫っていた。タイムリミットは真夜中だ。

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ハクソー・リッジ

6月24日(土)公開 TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー

地獄の戦場で、戦わない男は英雄になった

 1945年4月。激戦が続く沖縄のアメリカ軍前線基地に、ひとりの衛生兵がやってくる。名前はデズモンド・ドス。彼が同じ部隊の仲間たちから変わり者扱いされているのは、菜食主義のやせっぽちだったからではない。彼はセブンスデー・アドベンティスト教会の敬虔な信徒で、十戒の「殺すな」の掟を守るために銃を取らないことを信条としていたのだ。これが原因で訓練中には上官のしごきや周囲のいじめを受けることもあったが、「殺すのではなく、命を救いたい!」という決意は固く、こうして衛生兵として戦場にやって来ている。だが沖縄での戦いは、それ以前にデズモンドが経験してきたグアムやレイテの戦いとは比較にならない凄惨なものとなった。戦いの舞台は「ハクソー・リッジ」と呼ばれる高い断崖の上にある日本軍陣地。これを攻略しない限り、部隊は釘付けのままだ。激しい戦闘の中で、デズモンドは戦場に取り残された兵士たちを救出するため走り出す。

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