用心棒 《4Kデジタルリマスター版》

6月22日(金)公開 午前十時の映画祭9

見事な脚本、豪華な配役、すごい演出!

 着のみ着のまま、行くあてもない浪人がひとり、北関東の宿場に流れ着く。絹の取引で栄えた町だが、今は対立するやくざ同士の抗争で血なまぐさく凄惨な場所になっている。宿も店も雨戸を閉め切り、大手を振ってのさばっているのは、近隣からかき集められた無法者たちばかり。まともな人間なら怖じ気を震って逃げ出しそうなものだが、腕に覚えのある浪人は「気に入ったぜ」とニヤニヤ笑って宿場に腰をすえてしまう。「三十郎」と名乗る浪人は、やくざ同士を上手く煽って衝突させ、弱ったところで根絶やしにしてしまう腹だ。しかしいよいよやくざたちが大げんかを始めようとした矢先、八州廻りの役人が来てけんかはしばし沙汰止み。だがこの休戦期間を利用して、やくざたちは着々と次の抗争への準備を進めている。浪人もうまく自分を売り込んで、抗争後に備える。しかしこのケンカは、突然休戦から手打ちになった。冷酷で知られる卯之助が、町に戻ってきたのだ。

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七人の侍《4Kデジタルリマスター版》

6月8日(金)公開 午前十時の映画祭

フォルマリズムの果てのリアリズム

 戦国時代末期。野武士の略奪に苦しめられた山間の小さな村は、侍を雇って野武士と戦うことを決意する。だが侍に払う金はない。報酬はただ、白い飯を腹一杯食わせるだけだ。農民の窮状を聞いて、7人の浪人が村に馳せ参じることになった。浪人のリーダーである勘兵衛は、農民たちを指揮して村の防備を固め、あちこち柵や堀を巡らして要塞化する。やがて麦の刈り取りが終わり、いよいよ野武士たちがやって来た。侍と農民たちは勘兵衛の巧みな戦略で野武士を次々に撃退するが、その間に侍にも少なからず犠牲が生じる。侍と農民たちは疲れ果て、野武士も追い詰められている。このまま長い戦いは難しい。短期決戦しかない。おそらくそれは、明日の朝に迫っている。そして夜明け。決死の覚悟で村に襲いかかってくる野武士たち相手に、侍や農民たちも最後の力を振り絞って戦い抜く。やがて野武士は全滅。しかし7人いた侍たちのうち、生き残ったのは3人だけだった。

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バーフバリ 王の凱旋〈完全版〉

6月1日(金)公開 新宿ピカデリーほか全国ロードショー

観る者を引き込む胸熱スペクタクル!

 国母シヴァガミによって次期国王に指名されたアマレンドラ・バーフバリは、戴冠式前に見聞を広めるため旅に出る。従者は奴隷剣士カッタッパだ。旅の途中、身分の若い貴婦人を中心とする一行が盗賊に襲われるのを見てとっさに助けようとしたバーフバリだったが、その貴婦人が剣を抜いて盗賊を撃退する様子を見て目を丸くする。彼女はクンタラ王国の王女デーヴァセーナ。すっかり彼女を気に入ったバーフバリは、偽名を名乗って身分も偽り、デーヴァセーナの従兄弟クマラ・ヴァルマの使用人として王宮に入り込んだ。一方、王位継承の機会を逃したバラーラデーヴァは、バーフバリがクンタラ王国の王女に恋をしているという情報をつかんである計画を思いついた。それは母のシヴァガミを通じて、デーヴァセーナを自分の妃にすることだ。バーフバリとデーヴァセーナの関係を知らないシヴァガミは、我が子の願いを叶えるためクンタラ王国に求婚の使者を送るのだった。

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のみとり侍

5月18日(金)公開 全国ロードショー

丁寧な作りでクスクス笑わせる艶笑時代劇

 江戸時代中期。俗に言う田沼時代。越後長岡藩士の小林寛之進は些細なことで藩主の逆鱗に触れ、「ネコのノミとりでもしておれ!」と江戸の町に放り出される。お役後免になったとは言え、藩主の命令とあらば従ってみせるのが武士の意地。そのままノミとり稼業に足を踏み入れる寛之進を待っていたのは、ネコのノミとりとは表向き、裏では女相手に体を売る売笑夫としての生活だった。だが買春稼業はサービス業。色事に疎い寛之進は最初の客にいきなり「ヘタクソ」と言われて、真面目で研究熱心な性分に火が付いた。たまたま町で知り合ったのが、小間物問屋の入り婿だが浮気ぐせが直らぬ清兵衛という男。彼に色事の指南をあおぎ、寛之進はめきめきと房事の腕を上げていく。最初に寛之進をヘタクソ呼ばわりしたおみねも、すっかり馴染みになってメロメロだ。だが江戸城内では田沼意次が失脚。大目に見られていたノミとり業も、厳しい取り締まりの対象になった……。

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沈黙 ーサイレンスー

1月21日(土)公開 TOHOシネマズ 日本橋ほか全国ロードショー

神は沈黙し、主人公は饒舌に語る

沈黙 ーサイレンスー

 17世紀初頭。キリスト教が禁じられた日本では宣教師たちが海外に追放され、あえて日本に残ろうとした宣教師たちは棄教を迫られ殉教していった。ポルトガルのイエズス会修道会に、フェレイラ神父棄教の知らせが届いたのはそんな時代だった。彼の教え子であるロドリゴ神父とガルペ神父には、そのことがまったく信じられない。ふたりは真相を調べ、孤立した日本のキリスト教徒の信仰を途絶えさせないため日本に向かう。途中マカオで日本人漁師のキチジローと出会い、彼の手引きで長崎の寒村に上陸した神父たちは、そこで潜伏キリシタンたちの素朴で力強い信仰に感動するのだった。だが奉行所の詮議が厳しくなる中で、間もなくふたりは捕らえられてしまう。ロドリゴは牢の中でも日本人キリシタンたちのために神父としての勤めを続けるが、棄教しないキリシタンに対する奉行所の処置は情け容赦が無い。やがてロドリゴの前に、日本人になったフェレイラが現れる。

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本能寺ホテル

1月14日(土)公開 TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー

このアイデアならもっと面白くなるでしょ?

本能寺ホテル

 婚約者の両親に会うため京都を訪れた倉本繭子は、ホテルの予約ミスから、町外れの「本能寺ホテル」に泊まることになった。アールデコ風のレトロなホテル。繭子がエレベーターに乗って自分の部屋に向かうと、降りたところは天正10年6月1日の本能寺だった。有名な「本能寺の変」は明日に迫っている。繭子は事情がよくわからないまま現代と過去を何度が往復し、織田信長本人とも直接言葉を交わすようになる。「脅かすようにして他人から宝物を取り上げるのはよくありません」「あなたの周囲にいる人たちは怯えるばかりで少しも幸せそうには見えません」など、天下人の信長に対してズケズケとものを言う繭子。だが信長と親しくなったからには、あのことを本人に告げるべきではないのか? それは明智光秀の謀反によって、間もなく信長の命運がつきるということだ。しかしそれを本人に告げれば、歴史が大きく変わってしまう。繭子はどうすればいいのだろうか。

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七人の侍(4Kデジタルリマスター版)

10月8日(土)公開 午前十時の映画祭7にて

映像と音が新鮮に生まれ変わった黒澤明の代表作!

午前十時の映画祭7

 戦国時代末期。野武士の略奪に苦しめられていた山間の村が、侍を雇って野武士と戦うことを決意する。だがこれといった金のない村人たちに用意できるのは、侍に腹一倍食わせる米の飯だけだ。町に出た農民たちは、それでもさんざん苦労した末に島田勘兵衛という中年の浪人と巡り会う。村人の窮状を知って、勘兵衛は村に行くことを決意。彼を慕って押しかけ弟子になった勝四郎、勘兵衛に誘われて人柄に惚れ込んだ五郎兵衛、勘兵衛の配下として幾度も戦に出た七郎次、腕はさほどでもないが愛想のいい平八、武者修行中の剣客久蔵、さらに野良犬のような目をした自称サムライの菊千代が仲間になった。こうして侍たちを迎え入れた村は、勘兵衛の指示に従って野武士を迎え撃つための備えを始める。麦の刈り入れが終わった頃、いよいよ野武士の一群が村にやって来る。要塞のように守りを固めた村ではあるが、次々と襲いかかる騎馬の野武士たちに勝つことができるのか?

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乱[4Kデジタル復元版]

第28回 東京国際映画祭  日本映画クラシックス

フォルマリスト黒澤明の最高傑作!

乱

 戦国乱世の時代。近隣に並ぶ者なき武将一文字秀虎も齢七十となり、家督を長男太郎に譲って隠居することに決めた。弟の次郎と三郎にも太郎を助け、兄弟3人で一文字家を盛り立ててほしい。自分は大殿として太郎を後見し、今後は悠々自適の余生を送るつもりだ。だが三郎はこれを「弱気になった老人の妄言」と切り捨てる。親の身を思っての意見だったが、秀虎はこれに激怒し三郎を追放してしまった。三郎は隣国の藤巻氏に匿われることになる。だが隠居した秀虎には、思いもかけないことが起きる。一家の頭領となった太郎は妻の楓に言われるがまま、秀虎を粗略に扱うようになったのだ。ブライドを傷つけられた秀虎は次郎のいる二の城に向かうが、次郎もまた体よく父を追い払ってしまう。行き場を失った秀虎は三郎を頼ることも考えたが、やはりプライドが邪魔して動けない。少数の家来と女たちを連れた秀虎は結局三の城へ。そこに太郎と次郎の連合軍が襲いかかる。

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百日紅 〜Miss HOKUSAI〜

5月9日(土)公開 テアトル新宿ほか全国ロードショー

原恵一が描く大江戸ワンダーランド!

百日紅 〜Miss HOKUSAI〜

 江戸時代の人気絵師・葛飾北斎こと鉄蔵は、絵一筋で他は何もできない男だ。鉄蔵と同居し、これまた絵一筋で他に何もないのが、娘のお栄だった。部屋は絵の道具と紙が散乱していて、誰も片付けない。食事も作らない。そこはひたすら絵に没頭する父娘にとってのアトリエ。散らかりきったら引っ越せばいい。そんな家には鉄蔵を慕う善次郎という若い絵師が、半分居候のように出たり入ったりしている。歌川門下の若い絵師・国直も時折顔を見せる。お栄は時として父の代筆を務めるほどの腕前で、鉄蔵も娘の描く美人画には一目置いている。だがまだ嫁入り前の娘では、鉄蔵が押し付ける春画の仕事には実感がこもらない。自分の行き詰まりの原因を打破すべく、お栄は陰間茶屋に乗り込んでコトを済ませてしまおうと考えたりもする。じつは鉄蔵にはもうひとり、生まれたときから目の悪いお猶という娘がいる。お猶に会うの渋る鉄蔵を、お栄は「弱虫だ」と言うのだが……。

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駆込み女と駆出し男

5月16日(土)公開 丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

縁切り寺は江戸時代の離婚裁判所だった!

駆込み女と駆出し男

 江戸時代後期の天保12年。前日にいえを抜け出したふたりの女が、「縁切り寺」として知られる鎌倉の東慶寺に駆け込んだ。ひとりは日本橋の唐物問屋堀切屋の妾で、実質的に店を仕切っているお吟。もうひとりは七里ヶ浜の鉄練り職人の妻じょご。縁切り寺に駆け込んでも、それですぐに離縁が成立するわけではない。まずは近くの宿場にある御用宿に泊まり、寺役人立ち会いのもとで取り調べを受け、夫との間で離婚協議を行わねばならない。ここでふたりの女と関わりを持ったのが、御用宿・柏屋の居候で、江戸で戯作者の真似事と医者見習いをしていたという信次郎。彼はじょごの顔にある火ぶくれの傷を治療しながら、柏屋に残されている聞き書きの書類をまさぐって戯作や滑稽本のネタ探しにいそしむ。結局女たちは離縁の話し合いが付かず、定法に沿って2年の入山が決まった。信次郎は寺公認の医者見習いとして、その後も彼女たちと関わりを持つことになるが……。

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