残穢【ざんえ】 住んではいけない部屋

第28回 東京国際映画祭 コンペティション
2016年1月30日(土)公開予定 全国ロードショー

それは手垢のついた怪談話のはずだった……

残穢【ざんえ】住んではいけない部屋

 ホラー小説作家の「わたし」に編集部経由で届いた手紙は、郊外のマンションで一人暮らしをしている女子大生・久保さん(仮名)からのものだった。彼女の住む部屋では夜中に無人の和室から、畳をホウキでこするような物音が聞こえるという。わたしにはこれが、他の体験談と同じ「ありがち」で「ありきたり」な内容に思えた。それから数ヶ月後、久保さんから続報が届く。音のする部屋の戸を開いて中を見ると、一瞬だが畳をすべる着物の帯が見えたという。どうやら久保さんは、着物姿で首をくくった人の姿を想像したようだ。だがわたしはその手紙を読んで、2年前に受け取った似た内容の手紙を思いだした。手紙の差出人は久保さんと同じマンションの、まったく別の部屋に住む人だ。それから半年後、久保さんが入居する前に同じ部屋に住んでいた青年が、転出してしばらくしてから首つり自殺していたことがわかる。やはりこのマンションに、異変が起きているのだ。

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