最後の決闘裁判

10月15日(金)公開 全国ロードショー

実在の事件に材を採ったミステリー劇

最後の決闘裁判

■あらすじ

 1386年12月29日。パリの試合場で、王や貴族たち臨席のもと、騎士同士の決闘裁判が行われようとしていた。彼らはなぜここで、命がけの戦いをすることになったのか?

 従騎士のジャン・ド・カルージュは、勇猛果敢な武人として戦場で名を高めた男だ。彼の親友は、同じ従騎士のジャック・ル・グリ。だが新領主としてピエール伯が赴任した頃から、カルージュとル・グリの関係に隙間風が吹き始める。

 ル・グリはピエール伯に取り入って出世コースに乗るが、無骨一辺倒のカルージュは置いてけぼり。カルージュが有力貴族の娘マルグリット結婚すると、持参金として約束されていた土地はル・グリにかすめ取られ、祖父の代から世襲の長官職も彼に奪われた。親友だった男は、カルージュの敵になったのだ。

 やがて妻のマルグリットが、カルージュの留守中にル・グリからレイプされたと告白する。これを聞いたカルージュは、ある決意を固める……。

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この世界に残されて

2020年12月18日(金)公開 シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー

ホロコーストを生き延びた人々

映画『この世界に残されて』のチラシ画像

■あらすじ

 1948年、ブダペストの病院で働く42歳の婦人科医アルドのもとを、16歳の少女クララが診察に訪れる。彼女にまだ生理がないこと、伯母のオルギが心配してのことだった。思春期の成長には個人差があるので、これ自体はさして心配には及ばない。だがアルドには、彼女の妙にふて腐れたような態度が印象に残った。

 数ヶ月後、街でアルドに再会したクララは、押しかけるようにして彼の自宅にやって来る。そしてここから、アルドとクララの疑似父子関係がはじまる。ホロコーストで家族をすべて失った二人は、心の傷を埋めるようにして接近していくコトになく。クララの扱いに手を焼いていたオルギは、クララの保護者役を買って出たアルドを歓迎する。だがそんな二人の関係は、周囲の誤解を受けかねない危ういものだった。

 戦後のハンガリーでは、ナチスに代わってソ連の支配力が強まっていく。アルドの周囲にも、秘密警察の手が伸びつつあった……。

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エイト・ハンドレッド ―戦場の英雄たち―

11月12日(金)公開予定 全国ロードショー

第二次上海事変の激戦「四行倉庫の戦い」を映画化

映画『エイト・ハンドレッド ―戦場の英雄たち―』のチラシ画像

■あらすじ

 1937年(昭和12年)8月にはじまった第二次上海事変は、日本軍が市内の主要部を占拠し、中国軍が撤退していくことで10月には大勢が決していた。爆撃と砲撃で市内は瓦礫の山。しかしそんな上海でも、ほぼ無傷で残っているのが、外国人居住区である共同租界だった。

 日本軍は国際社会からの批判を恐れ、租界を巻き込む砲撃などを避けてきた。そのため租界から蘇州河をはさんだ北岸にある四行倉庫は、砲撃を免れて崩壊を免れている。ここに中国国民政府軍の第88師第524団が入ったのは10月。北岸に残った一般市民は日本軍の総攻撃を避ける難民として、租界へと脱出した。

 今や蘇州河の北側には日本軍と中国軍しかいない。日本軍は周囲の建物に立てこもる中国軍を殲滅した後、いよいよ倉庫を奪取のための猛攻撃を仕掛けてくる。だがこれは租界の人々にとって、まさに対岸の火事。租界の人々が見守る中で、上海戦最後の抵抗がはじまった。

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ホロコーストの罪人

8月27日(金)公開予定 新宿武蔵野館ほか全国順次公開

忘れられかけたノルウェーのホロコースト

■あらすじ

 1930年代後半。チャールズ・ブラウデは、ノルウェーで最高のボクサーの一人だった。ブラウデ家はリトアニアから亡命してきたユダヤ人だが、この時代のノルウェーにユダヤ人差別はほとんどない。チャールズは非ユダヤ人のラグンヒルと結婚し、周囲もそれを祝福する。ナチスがノルウェーを占領したのは、そんの時だった。

 国王ホーコン7世の亡命やレジスタンス活動もあったが、ナチスの理論で「優良な北方人種」とされたノルウェー国民をナチスは緩やかに扱った。だが1941年にはユダヤ系住民の登録制度が始まる。翌年10月には、国中のユダヤ人男性が一斉に逮捕され、国内2ヶ所の収容所に集められる。チャールズも父や兄弟たちと収容所へ。そこで待っていたのは、強制労働と看守たちによる陰惨なリンチだった。

 そして翌月。警察に国内のユダヤ人を全員逮捕せよとの命令が下った。ラグンヒルはチャールズの母を匿おうとするのだが……。

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王の願い −ハングルの始まり−

6月25日(金)公開予定 シネマート新宿、シネマート心斎橋

まったく新しい文字をゼロから作った男

 1442年夏。李氏朝鮮第4代国王・世宗は、雨乞い儀式にうんざりしていた。神々に捧げる祝詞の文言が漢文なのだ。漢文の祝詞が朝鮮の神々の心に響くだろうか。だが腹立たしいことに、朝鮮には自分たちの言葉を表記する文字がない。王族や役人などは漢文を読み書きできるが、自分たちが日常的に使っている言葉は書き記す術がないのだ。世宗は朝鮮独自の文字を作る必要を感じていた。そんなとき、ある事件をきっかけにして世宗は仏教僧のシンミ和尚と出会う。当時の朝鮮は仏教を弾圧していたが、寺院には漢文資料では手に入れられない梵字(サンスクリット語)の資料がある。ひょっとすると、梵字は朝鮮語表記の参考になるのではないか? 世宗はシンミ和尚に協力を求め、新しい朝鮮語表記用文字の創作に着手する。だがこれは、宮廷の役職を独占支配する儒者たちの反発を招いた。儒者と仏僧は犬猿の仲。だが両者の協力なしに、文字の普及浸透はあり得ないのだ。

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ジャーニー ー太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語ー

6月25日(金)公開予定 新宿バルト9、梅田ブルク7にて公開

史実をもとにしたサウジアラビアと日本の合作長編アニメ

 6世紀半ばのアラビア半島。メッカはカアバ神殿を擁する聖地であると同時に、公益で栄える豊かな街だった。だがそのメッカを手中に収めるため、エチオピアの王アブラハが強大な軍隊を率いて攻め上ってきた。王の要求は、メッカの住民が神殿を破壊して奴隷になること。それに従わねば、全員を殺戮すると言う。あまりにも理不尽で苛酷な要求に屈服せず、多くの男たちが町を守るため立ち上がった。アウスもそのひとりだ。幼い頃に両親を亡くして盗賊として生きてきた彼は、メッカで親切な夫婦に匿われて養子となり、今は夫婦の一人娘と結婚して息子にも恵まれた。自分の過去を責めることなく受け入れてくれた養父母や妻の恩に報いるためにも、アブラハの前に膝を屈することはできないのだ。だがアブラハはアフリカから多くの兵士と巨大なゾウの部隊を連れてきて、メッカ側の寄せ集め軍に対峙する。その戦力差は圧倒的。メッカ側は兵士3名による代表戦を申し出る。

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KCIA 南山(ナムサン)の部長たち

 1月22日(金)公開 シネマート新宿ほか全国ロードショー

手に汗握る暗殺シーンの再現

 大韓民国中央情報部。略称はKCIA。パク・チョンヒ大統領時代に北朝鮮工作員対策を目的に作られた情報機関だが、反政府運動の取り締まりにもその力を振るい、軍事政権の独裁を支えていた。情報部の部長は「南山の部長」と呼ばれ、大統領に次ぐ韓国ナンバー2の実力者と目されていたという。1979年。元KCIAの部長だったパク・ヨンガクがアメリカに亡命し、公聴会で大統領の数々の不正を証言しはじめる。大統領はこれに激怒。大統領警護室長のクァク・サンチョンは元部長の暗殺を提案するが、現在の情報部部長キム・ギュピョンは強く反対。米国政府の保護下にある前部長に手を出せば、米国との同盟関係に大きな亀裂が入ることは免れない。キム部長は単独で渡米し、かつての上司で友人でもある元部長と交渉する。助命の条件は、出版準備が進む回顧録を公表しないこと。だが約束を交わしてキム部長が韓国に戻った直後、回顧録の内容がマスコミに流れた。

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大コメ騒動

1月8日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

主人公に魅力が乏しいのが残念

 大正時代半ば。富山県の小さな漁師町で暮らす松浦いとは、夫が出稼ぎ漁で留守の間、女仲仕の仕事をして家族の生活を支えている。富山は日本有数の米どころ。集められた米は貨物船で全国に出荷される。いとは他の女たちと一緒に米蔵から米俵をかつぎ、港まで運ぶのが仕事だ。一日の給金はわずかなものだが、それでもこうし女たちが働かねば漁師一家の暮らしは成り立たない。だが大正7年夏にシベリア出兵が決まると、米は軍事需要を当て込んだ投機筋の金を集めて、みるみるうちに価格が急騰した。当時の日本人労働者層は、大人1人が1日1升の米を食べていた。生きるのに必要なカロリーも栄養も、ほとんど米に頼っていたのだ。米の値上げは、庶民の生活を直撃することになった。米の値上げで困窮する人々の目の前を、多くの米が素通りして船で運び出されていく。これを阻止しない限り、米は高値が続くだろう。女たちは浜に結集し、実力行使に出るのだった……。

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天外者(てんがらもん)

2020年12月11日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

三浦春馬の主演最終作

 黒船来航で幕府の屋台骨が大きく揺らいでいた幕末。外国との交易窓口として開けた長崎の町で、薩摩の五代才助(五代友厚)、土佐の坂本龍馬と岩崎弥太郎、長州の伊藤利助(伊藤博文)が出会って、あっという間に意気投合する。薩摩は攘夷派の雄藩だが、才助は開国論者だから周囲には疎まれる。彼が求めるのは、生まれた身分に関わらず、誰もが夢を持てる国を作ることだった。丸山遊郭の遊女はると親しくなった才助だったが、生麦事件とそれに次ぐ薩英戦争でイギリスの捕虜となり、はるはイギリスの商人に身請けされることを条件に才助の命を救う。はるはそのまま、イギリスへと旅立つことに。やがて薩摩藩の遣英使節団の一員としてイギリスに渡った才助は、ひとり彼女の行方を捜すが再会することはできなかった。やがて帰国した才助は、はるが胸を病んで帰国し、海辺の療養所で最後の時を過ごしていることを知る。早速彼女のもとに駆けつけた才助だったが……。

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アラビアのロレンス

1月10日(金)公開 午前十時の映画祭 10 Final

異能の人が生み出した歴史

 1935年5月。イギリスの片田舎でオートバイを運転していた男が、事故を起こして死んだ。盛大な葬儀が行われて各界の名士が参列したが、死んだ男の評価については毀誉褒貶相半ばしている。彼の名はトーマス・エドワード・ロレンス。第一次大戦中にアラブのベドウィンたちを率いて、ドイツの同盟国だったオスマン帝国と戦った砂漠の英雄だ。とはいえカイロ勤務の下級士官だったロレンスは、博識だが変わり者、軍隊内では思い切り浮いた存在だった。その彼が上官に割り当てられたのは、オスマン帝国からの独立を目指すハーシム家のファイサル王子に接触してイギリス側に引き込むという仕事。だが現地で王子の客分として迎えられたロレンスは、周囲の誰もが驚く提案を行って周囲の度肝を抜く。オスマン帝国の重要拠点であるアカバ要塞を、ベドウィンのラクダ部隊で急襲しようというのだ。しかしその行く手には、灼熱の砂漠が広がっている。作戦は成功するのか?

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