ザ・ファブル 殺さない殺し屋

6月18日(金)公開 全国ロードショー

堤真一が演じた悪役の奇妙な魅力

■あらすじ

 ボスの命令でとある売春組織のメンバーを次々に始末していく、凄腕の殺し屋ファブル。彼はターゲットを始末した際に現場にいた少女を助けたが、彼女はこの出来事が原因で下半身不随となってしまう。

 それから数年後。殺しの仕事を離れて「普通の生活」をしているファブルこと佐藤明は、公園で下半身麻痺のリハビリをしている佐羽ヒナコに出会う。彼女はかつてファブルの殺しの現場に出くわして少女だった。ヒナコは小さなNPO団体の職員だが、代表の宇津帆という男はNPOや興信所を隠れ蓑にして悪どい仕事を重ねる裏社会の人間だ。

 宇津帆は自分のグループの新しいメンバーとして、元真黒組の井崎という男を引き入れる。彼はヒナコが出会った佐藤が真黒組の社員向け施設に暮らしていることを知り、宇津帆は佐藤が伝説の殺し屋ファブルであることを確信する。

 宇津帆にとって、ファブルは自分の売春組織を壊滅させ弟を殺した仇だった……。

続きを読む

親愛なる君へ

7月23日(金)公開予定 シネマート新宿・心斎橋ほか全国順次公開

愛することが生み出した悲劇

■あらすじ

 ジエンイーは幼い少年ヨウユーと、その祖母シウユーと一緒に暮らしていた。ジエンイーと二人の間に血の繋がりはない。彼らは数年前に亡くなった、ジエンイーの同性パートナーの家族なのだ。

 大陸に渡って事業を興したパートナーの弟リーガンが正月に久しぶりの帰国をした日、ジエンイーは家族三人の食卓から少し距離を置くことにした。自分とパートナーの関係は、幼いヨウユーには秘密になっているからだ。彼はただの同居人に過ぎない。

 それから半年後。シウユーが亡くなった。「なぜ死んだんだ。半年前はあんなに元気だったのに!」と問い詰めるリーガンに、ジエンイーは何の反論もできない。リーガンは事情を調べはじめて愕然とする。自分の知らぬ間に、母名義の不動産は孫のシウユー名義になってる。そしてシウユーは、ジエンイーの養子になっていたのだ。

 母は財産目当てに殺されたのではないか? リーガンはシウユーを警察に告発する。

続きを読む

ジェントルメン

5月7日(金)公開 TOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー

ヒュー・グラントはダメ男を演じると今も最高!

 ロンドンの大麻王ミッキーの部下レイの自宅を、私立探偵のフレッチャーが突然訪ねて来る。ゴシップ紙の編集長に依頼されてミッキーの組織について調べていたが、思いがけない結果が出たので調査結果を2000万ポンドで買えと言うのだ。ことの発端は、学生時代から手掛けた大麻ビジネスで巨万の富を築いたミッキーが、事業を売却して引退しようとしたことにある。事業の価格は4億ポンド。買い手はアメリカのユダヤ系大富豪マシューだ。ミッキーは自分のビジネスのからくりを紹介するため、マシューを工場のひとつに案内する。だがミッキー引退の噂を聞き、中国系マフィアのドライ・アイも事業継承に食指を動かす。その直後、大麻工場が何者かに襲われた。襲撃犯はその様子を動画サイトにアップ。彼らの面倒を見ているボクシングジムのコーチは、若者たちの命を助けるためミッキーに詫びを入れ、彼らのために働くと申し出る。だがこの事件には黒幕がいた……。

続きを読む

藁にもすがる獣たち

2月19日(金)公開 シネマート新宿ほか全国ロードショー

出てくる人たち全員悪人

 生活費と借金返済のため、ホテルのサウナで受付や清掃の仕事をしているジュンマン。彼はある日、客が置き忘れて帰った札束入りのバッグを見つける。一度は忘れ物として保管庫に入れたものの、それからは金のことが気になって仕方がない……。出入国官のテヨンは、恋人の女社長ヨンヒが失踪したことから闇金の借金を肩代わりすることになる。返済期日は迫るのに、ヨンヒとの連絡が取れない。テヨンは一発逆転の大博打を考えるが、その彼にある事件を捜査中だという刑事がまとわりつきはじめる……。投資の失敗で多額の負債を抱え、夜の仕事で働きながら、家に帰れば夫からの暴力を受けているミラン。彼女は夜の仕事で知り合った中国人の青年ジンテと深い関係になり、すっかりのぼせ上がった彼に、事故を装って夫を殺害してくれるようにほのめかす。目的は夫の生命保険金。ジンテはミランに教えられたまま、彼女の夫に向けて車のアクセルを踏み込んだのだが……。

続きを読む

ヤクザと家族 The Family

1月29日(金)公開 全国ロードショー

新しい革袋に入った古い酒

 1999年。覚醒剤中毒だった父親が亡くなり天涯孤独の身となった山本賢治は、生きる目的もないまま自暴自棄になって荒れ狂っている。父に覚醒剤を売っていた売人を襲って薬と金を強奪したり、行きつけの焼き肉屋でピストルを振り回すヤクザを叩きのめしたり。だが覚醒剤を奪われたヤクザ組織は賢治を拉致。間一髪のところで救いの手を差し伸べたのは、焼肉屋で彼に命を救われた柴咲組の柴咲組長だった。「ケン坊、俺と家族になるか」。これが縁となって、賢治は柴咲組長から杯を受けて子分となる。それから6年。柴咲組の中堅組員になった山本は、面倒を見ていたクラブで由香という女と出会った。それまで女に興味を示さなかった賢治だが、なぜか由香に心引かれていく賢治。だが敵対する侠葉会に柴咲組長が襲われ、運転手だった賢治の弟分が殺された。賢治は侠葉会の幹部を殺した若頭の身代わりとして、警察に逮捕される。それから14年の歳月が流れた……。

続きを読む

グレース・オブ・ゴッド 告発の時

7月17日(金)公開 ヒューマントラストシネマ渋谷ほかロードショー

神父の性犯罪と教会の偽善を告発する実録映画

 アレクサンドルは、フランスのリヨンで妻や5人の子供と暮らす40歳代の銀行幹部だ。彼は友人のひとりから、少年時代にボーイスカウト活動を指導していたプレナ神父が、再びリヨンに戻ってきたことを知らされる。「君もプレナ神父に触られたかい?」と言う友人は、プレナ神父から性的虐待を受けた被害者だった。アレクサンドルが心の中で封印していた思い出が蘇る。自分も同じように、プレナ神父の性虐待の対象になっていた。しばしば個室に呼び出され、体をなで回されてキスされた。神父の性癖は当時ボーイスカウトに参加していた子供たちにとって公然の秘密で、同じような被害を受けた子供は大勢いるはずだ。その神父が、今もまだ教会で聖職者を続け、聖書クラスで子供たちを教えているのだ。アレクサンドルは30年前の性被害を、教会に告発することにした。神父を子供たちから遠ざけ、聖職を剥奪しなければならない。アレクサンドルの戦いが始まった……。

続きを読む

悪人伝

7月17日(金)公開 全国劇場公開

マ・ドンソクの存在感にしびれる!

 夜道で人が刺され、金を奪われる事件が発生した。警察は強盗殺人事件として捜査開始。だが刑事のチョン・テソクは、これが近隣で起きている他の殺人事件と同一犯だと直感する。上司は「他の管轄の事件に首を突っ込むな」と釘を刺すが、テソクは独自に捜査を進めていく。そんな中、しばしばテソクと対立している大物やくざのチャン・ドンスが、何者かに刺されて病院に担ぎ込まれた。犯人は逃亡したが、テソクはこれも連続殺人犯の仕業だと確信する。だとすれば、ドンスは一連の事件の唯一の生存者だ。ドンスは犯人の顔を見て、会話も交わしている。だが警察は一連の事件が同一犯だという見立てにはとらず、テソクは自由に使える人手がない。一方ドンスも復讐のために犯人を追うが、多くの部下が動いても雲をつかむような話。警察の調査分析能力と、やくざの人海戦術を組み合わせるしかない。こうしてテソクとドンスは、一時的に手を組むことになったのだが……。

続きを読む

初恋

2月28日(金)公開 全国ロードショー

荒ぶるベッキーに注目だ!

 天涯孤独の若きプロボクサー葛城レオ。彼は体調不良を疑って診察を受けた医師から、脳腫瘍で余命わずかの宣告を受ける。手術可能だが、ボクサー生命は絶たれる。やけっぱちな気分になったレオは、夜の街で「助けて!」と叫びながらすがりついてくる若い女と、彼女を追う中年男に出会う。反射的に手が出た。プロのカウンターパンチを食らって、中年男は失神。だが殴った相手は刑事だった。逃げていたのは、やくざ組織に囲われていたシャブ中の娼婦モニカ。刑事の大伴は組織の若いやくざ加瀬とつるみ、組織に運び込まれた大量の覚醒剤を横領しようとしていたのだ。しかしただ横領したのではすぐ足が付く。だからモニカがブツを奪って逃げたことにして、彼女の身柄は闇から闇に葬ってしまえばいい。完璧に見えたシナリオ。それがレオの登場で狂い始める。一方で加瀬も、ヤクを奪う際の不手際で計画に齟齬を生じさせていた。やくざ、刑事、中国マフィアが動き出す。

続きを読む

パラサイト 半地下の家族

1月10日(金)公開 TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

これは現代版『天国と地獄』だ

 低所得者が多く住む裏町で、家賃の安い半地下の部屋に住むキム一家は、家族全員が失業中だ。そんな中、浪人したまま定職にも就かないでいる長男ギウに、高校時代の友人が紹介してくれたのが、家庭教師のアルバイトだった。もともとその友人のバイト先だったのだが、急きょ留学が決まって後釜にギウを紹介したのだ。数日後、ギウが向かったのは高台の高級住宅地。高名な建築家が設計したというパク家の豪邸で、ギウは女子高生ダヘに英語を教えることになった。その家には小学生の息子ダソンもいて、両親は絵を教える家庭教師を探しているという。ギウは姉のギジョンを海外から帰ったばかりの美術療法士に仕立て、同じパク家に雇わせることに成功。さらにギジョンはトリックを使って一家の主人が雇っていた運転手を解雇させ、架空の運転手派遣会社を介して父ギテクを新しい運転手として雇わせる。残るは母チュンスクを雇わせる番だが、これは少し手間がかかった。

続きを読む

テッド・バンディ

12月20日(金)公開 TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

殺人鬼は我々の善き隣人だった

 1980年代の終わり。エリザベス(リズ)・クレプファーは刑務所に一人の男を訪ねていた。相手の名はテッド・バンディ。アメリカで30人以上の若い女性を陵辱・殺害した、稀代のシリアル・キラーだ。「なあ、出会ったときのことを覚えてるか?」とたずねるテッド。二人はかつて恋人同士として、何年間か同棲していたことがある。出会ったのは1969年、とあるバーでのことだった。一緒に飲んだあと彼女を自宅まで送ったテッドは、シングルマザーのリズに優しく包み込むような愛情を注ぐ。幼い娘ともすぐに親しくなった。結婚こそしなかったものの、子供を含めた3人は幸せな家庭を築いていたのだ。だが1975年、テッドが逮捕されたことでこの生活は終わる。彼は前年ユタ州で起きていた女性誘拐事件の容疑者として身柄拘束され、裁判を受けることになった。「これは誤解だ。僕は無実だよ」と身の潔白を主張するテッドを、リズは信頼していたのだが……。

続きを読む