運び屋

3月8日(金)公開 全国ロードショー

イーストウッド10年ぶりの監督・主演作

 デイリリーの栽培農家として、世界中の愛好家たちに名前を知られていたアール・ストーン。自慢の花や苗を持って各地の品評会や即売会を駆け回っていた彼だったが、インターネット販売に押されて売れ行きは低迷。やがて自慢の農園や家も手放す羽目になった。妻とはもうだいぶ前に離婚し、子供や孫とも音信不通状態。だが結婚する孫娘のために、何もしてやれないのは心残りだ。そんな彼に、ひとつの仕事が舞い込んでくる。ある場所から別のある場所に、荷物を運ぶだけの仕事。荷物の中身については、見ざる、聞かざる、言わざるのお約束だ。仕事の依頼主は麻薬組織のメンバーたち。長年無事故無違反で安全運転を心がけてきた高齢のアールが、オンボロのトラックで荷物を運んでも警察に疑われることはまずなかろうと見込んでのことだ。目論見は大成功。組織は無事に荷物を運び、アールも思いがけない大金を手にした。彼はすっかり、この仕事に味を占めてしまう。

続きを読む

狼たちの午後

3月1日(金)公開 午前十時の映画祭9

アル・パチーノ主演の実録犯罪映画

 1972年8月22日のニューヨーク、ブルックリン。定時業務を終えて客を送り出しはじめた銀行に、若い男三人組の強盗が押し入った。ところがそのうち一人は、高齢の警備員に銃を突きつけることすらまともにできないまま逃げ出してしまう。現場に残った二人の強盗は店員に金庫を開けさせるが、そこにあるのはたった千数百ドルぽっち。集金直後で支店にはほとんど現金が残っていなかったのだ。大急ぎで窓口からも小口の金をかき集め、さて退散と腰を上げた途端、銀行に警察から強盗あてに電話がかかってくる。「周囲は完全に包囲されている。逃げることはできん。大人しく武器を捨てて出てこい」。いつの間にか、周囲はぎっしり警官たちに取り囲まれている。これではアリの一匹すら這い出る隙間がない。強盗たちは行員たち人質に銀行内に立てこもる。その様子はテレビで生中継され、銀行を取り囲む警官隊の背後には、数百人もの野次馬たちが押し寄せていた。

続きを読む

七つの会議

2月1日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

会社を舞台にした犯罪ミステリー

 中堅の製造メーカーである東京建電で、常にトップの成績を上げ続ける営業1課。課長の坂戸は北川営業部長の右腕として、毎月の過酷なノルマをこなし続けている。だがそんな花の1課には、ぐうたら社員のハッカクこと八角民夫がいる。坂戸より10歳も年上の万年係長。会議では平気で昼寝。ノルマ未達も平気の平左。ひとり有休の消化にいそしむ給料泥棒だ。しかもハッカクは上司の坂戸をパワハラで訴え、坂戸は他部署に左遷されてしまった。その後釜として1課長になった原島は、ハッカクの周囲で不可解な発注変更や人事異動が起きている事に気づく。しかも部長や社長が、ぐうたら社員のハッカクを守っている。彼の周囲で何が起きているのだろう。まさか業者と癒着して、リベートを受け取っているのか? 原島は退社間近の女性社員・浜本と共に、ハッカクの行動を探りはじめる。だがそこから浮かび上がってきたのは、会社の存亡を揺るがす恐るべき秘密だった。

続きを読む

バッド・ジーニアス 危険な天才たち

9月22日(土)公開 新宿武蔵野館ほか全国順次公開

天才高校生が編み出した禁断のビジネス

 中学時代に成績優秀で数学コンテストのチャンピオンにもなったリンは、富裕層が通う名門校に特待生として招かれる。学校ではじめてできた友人はグレース。あまり成績がよくない彼女のために、リンは試験の最中にこっそり答えを教えてあげた。だがこのことが、グレースの交際相手パットに伝わってしまう。「僕にも試験の答えを教えてほしい。他の仲間たちにもだ。報酬は払う」。授業料免除の特待生も、学校に通い続けるには他にも何かと金がかかる。貧しい父子家庭のリンにとって、高額の報酬は何よりも魅力だった。リンは試験中に暗号を使って「顧客」たちに答えを教えることを思いつく。だがこの不正の一端に気づいたのは、同じく貧しい特待生のバンクだった。特待生の資格を剥奪されたリンは、父親に厳しく諌められて二度と不正に手を染めないことを誓う。だが卒業間近になった時、グレースとパットから、彼女に途方もない大口の取引が持ちかけられた……。

続きを読む

教誨師

10月6日(土)公開 有楽町スバル座ほか全国公開

俳優大杉漣の最後の主演作

 佐伯保は教誨師だ。本業はプロテスタント教会の牧師だが、地域の拘置所で刑の執行を待つ死刑囚と話をするボランティアをしている。外部との面会が厳しく制限されている死刑囚たちにとって、教誨師の佐伯は数少ない外部との接点。佐伯が担当している死刑囚たちは、一癖も二癖もある人たちばかりだ。教誨師との面談を望みながら、ほとんど一言も言葉を発しない人もいれば、とりとめの無い雑談を延々と続けるものもいる。共通しているのは、そこにクリスチャンなどひとりもいないこと。佐伯は死と向かい合う死刑囚たちに何とかして聖書や神の言葉を伝えようとするが、その意欲が空回りすることも多い。時には死刑囚の言葉に心を揺り動かされることもあれば、彼らの言葉に翻弄され振り回されることもある。元暴力団組長からの意外な告白にドギマギし、青年死刑囚の言葉に追い詰められ動揺することもある。ある日佐伯に、拘置所の担当者から重大な知らせが届く。

続きを読む

万引き家族

6月8日(金)公開予定 TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー

是枝裕和監督のカンヌ映画祭パルムドール受賞作

 路地の隙間から、東京スカイツリーが見える東京下町。高層マンションと昔ながらの小さな平屋が混在するこの地域に、柴田家の人々は肩寄せ合うようにして暮らしている。年金暮らしの祖母を中心に、小さな家に夫婦と息子、叔母が同居する暮らし。だがこの一家には、あまり大っぴらには言えない秘密の稼業がある。彼らは生活費の不足を、万引きで補っているのだ。ある冬の夜、近くのスーパーでその日の「仕事」を済ませた帰り道のこと。父の治と息子の祥太は、近くのアパートの廊下で一人震えている幼い女の子を見つける。「コロッケ食べるかい?」と声をかけた治は、結局その子を自分たちの家に連れて帰ってしまう。「ゆり」と名乗ったその少女には、体中に虐待のあとがあった。翌日女の子を元のアパートに連れ帰ろうとした夫婦は、部屋から聞こえてくる「子供なんて欲しくなかった」という怒鳴り声を聞いて、どうしてもゆりを帰すことができなくなってしまう。

続きを読む

フィクション。

公開未定

動機は小説のネタ作りだった

fiksi

 資産家の一人娘として何不自由のない暮らしをしているアリシャは、自分の生活がすべて父の監視下にあることにウンザリ。彼女は部屋の窓から見下ろすプールを、見慣れぬ青年が掃除していることに気づく。アリシャは彼に興味を持ち、その興味はやがて強い執着へと変わっていった。プール掃除が終わって彼がやって来なくなると、アリシャは彼が恋人と暮らすアパートの隣の部屋に住み始める。彼の名はバリ。小説家志望で、アパートの他の部屋に住む人たちをモデルにした小説を書いているのだという。だが書きかけの小説は、どれも途中でストップしたままだ。人々の暮らしが続いているのに、小説だけを完結させることがどうしてもできない。バリに好意を持つアリシャは、彼の小説執筆に協力しようとする。モデルになった人たちの人生が未完で小説も未完なら、小説を完結させるためにモデルの人生を完結させればいい……。アパートでは住民の連続不審死がはじまる。

続きを読む