アナと世界の終わり

5月31日(金)公開 新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

歌って、踊って、ゾンビがガブリ!

 クリスマスを数日後に控えているというのに、高校生アナの生活はまるで冴えなかった。卒業後は町を出ようとせっせとアルバイトで金を貯めているが、娘の大学進学を望む父はそれを知ってヘソを曲げる。学校はつまらないし、バイト先はかび臭いボーリング場。親しい友人もいまいちの連中ばかり。だがある朝目を覚ますと、世界の様子は一変していた。町の人々が、次々ゾンビになっていたのだ。バイト仲間のジョンと何とかバイト先のボーリング場に逃げ込んだが、そこには夜中に町でビデオ撮影をしていたステフとクリスも難を逃れて立てこもっていた。しかしこの建物も、必ずしも安全ではない。4人は建物に侵入したゾンビを何とか撃退すると、生き残った人たちが軍隊の救助を待っているという学校に向けて移動しはじめる。だがその行く手には、さらに大量のゾンビたちがひしめき合っていた。はたしてアナたちは、無事に家族と再会することができるのだろうか。

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ホワイト・クロウ 伝説のダンサー

5月10日(金)公開 TOHOシネマズ シャンテ、シネクイント、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

伝説のプリンシパル、ヌレエフの伝記映画

 1961年6月16日。ソ連の花形バレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフが、パリの空港で突然亡命した。一体なぜ、彼はそんな大それたことをしでかしたのか。ヌレエフは1938年生まれ。母が彼を産んだのは列車の中だった。貧しい生活の中でバレエに出会うが、名門ワガノワ・キーロフバレエ学院に編入したのは17歳の時。バレエダンサーとしての基礎を学ぶには年を取っていたが、名伯楽プーシキンと出会ってめきめきと頭角を現し、数年後にはキーロフ・バレエ団のプリンシパルに迎えられる。1961年のヨーロッパ公演は、ヌレエフにとって初の西側での公演。しばしば反抗的な態度を示す彼の参加に難色を示す人たちもいたが、ベストメンバーでの公演を目指せば彼を外すことはできない。パリに到着した彼は水を得た魚のように生き生きとし、フランスのバレエ関係者やセレブたちと活発な交流や夜遊びを行う。これは監視役のKGBを警戒させるに十分だった。

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芳華 Youth

4月12日(金)公開 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー

1970年代が舞台の中国版『四十二番街』

 1970年代の中国。人民解放軍で兵士たちの慰問などを行う芸能部門「文工団」の地方部隊に、17歳の少女・小萍(シャオピン)が入隊する。ダンスの才能を見込まれて異例の時期の入隊だったが、地方出身で野暮ったい彼女は団員たちの笑いもの。他の寮生の軍服を無断で借りて写真館で写真を取ったことがばれると、「泥棒」「嘘つき」と同僚たちのいじめのターゲットになってしまう。そんな彼女に分け隔てなく親身になってくれるのは、文工団の模範生・劉峰(リウ・フォン)だけだった。だが彼は団の歌姫・丁丁(ディンディン)に密かに思いを寄せている。ある日とうとう自分の思いを彼女に打ち明けた劉峰は、その現場を他の団員に目撃され、丁丁の不正確な証言もあって実戦部隊に転属させられてしまった。ひっそりと文工団を去る劉峰を見送ったのは、小萍だけだった。間もなく小萍も退団。しかし1979年に勃発した中越戦争が、二人の運命を狂わせていく。

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愛がなんだ

4月19日(金)公開 テアトル新宿ほか全国ロードショー

イケテない若い男女の恋がリアル

 田中守と山田テルコは恋人同士ではない。それでも風邪をひいて寝込んだという守からの電話に、テルコはいそいそと出かけ、かいがいしく食事の支度をする。テルコは守のことが好きなのだ。ただ好きなだけじゃない。大好き。愛しているのだ。守のためなら何でもできる。テルコの生活は、今や守を中心に回っていると言っても過言ではない。だが守はそんなテルコの気持ちに気づかないのか、友人だか、飲み友達だかわからない、曖昧な関係のままだ。だがある日、ついにテルコの願いが叶い、二人が結ばれる日がやってきた。イチャイチャとじゃれ合う、甘ったるくて幸福な時間。だがその時間は、あっという間に消えてしまった。守にとって、テルコとの関係は負担だったのだろうか。でもテルコは諦めない。とうとうテルコは会社もクビになってしまう。そんなテルコを友人の葉子は呆れた目で見ているが、その葉子にも、恋人未満の奇妙な関係の男友だちがいるのだった。

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スパイダーマン:スパイダーバース

** 3月8日(金)公開 全国ロードショー**

アニメーション技術の素晴らしさ!

 ブルックリン育ちの黒人少年マイルス・モラレスは、転校先のエリート高校に馴染めないでいる。警官の父と看護師の母を尊敬しているが、憧れているのは自由人の叔父アーロンだ。ある日地下道の奥で奇妙なクモに噛まれたことがきっかけで、マイルスはスパイダーマンと同じ力に目覚めてしまう。その力に戸惑う彼は、力を得たきっかけとなった地下道へ。そこで見たのは巨大な加速器で次元の壁に穴を開けようとするキングピンと、世界の崩壊を食い止めるため加速器を破壊しようとするスパイダーマンの姿だった。マイルスの目の前でスパイダーマンは殺されたが、マイルスの手に加速器破壊のための電子キーが残された。そんな彼のもとに集まって来たのは、加速器の作動で次元を超えてきた別の世界のスパイダーマンたち。彼らは別次元で長く生き続けることはできない。彼らが元の世界に戻るには、再び加速器を作動させて、次元の流れを逆転させなければならないのだ。

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狼たちの午後

3月1日(金)公開 午前十時の映画祭9

アル・パチーノ主演の実録犯罪映画

 1972年8月22日のニューヨーク、ブルックリン。定時業務を終えて客を送り出しはじめた銀行に、若い男三人組の強盗が押し入った。ところがそのうち一人は、高齢の警備員に銃を突きつけることすらまともにできないまま逃げ出してしまう。現場に残った二人の強盗は店員に金庫を開けさせるが、そこにあるのはたった千数百ドルぽっち。集金直後で支店にはほとんど現金が残っていなかったのだ。大急ぎで窓口からも小口の金をかき集め、さて退散と腰を上げた途端、銀行に警察から強盗あてに電話がかかってくる。「周囲は完全に包囲されている。逃げることはできん。大人しく武器を捨てて出てこい」。いつの間にか、周囲はぎっしり警官たちに取り囲まれている。これではアリの一匹すら這い出る隙間がない。強盗たちは行員たち人質に銀行内に立てこもる。その様子はテレビで生中継され、銀行を取り囲む警官隊の背後には、数百人もの野次馬たちが押し寄せていた。

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十二人の死にたい子どもたち

1月25日(金)公開 TOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー

自殺サイト版の「十二人の怒れる男」

 閉鎖して廃墟になりかけた病院に集まって来た、12人の若者たち。彼らはネットで知り合い、全員で集団自殺するためこの場に集まったのだ。心変わりして立ち去りたいなら、それは本人の自由。ただし集団自殺に反対する者がいるなら、その時は全員一致するまで話し合わねばならない。ぞれがルールだ。しかしこの時、当初予定していなかったことが起きる。死ぬために12人が集まったはずが、集合場所には既にひとつの死体があったのだ。この死体は何者なのか? 彼は自殺なのか、それとも誰かに殺されたのか? 彼が誰かに殺されたのだとすれば、これは集団自殺ではなく殺人事件になってしまう。このまま自殺を決行すべきか否か、最初の採決が行われる。全員が自殺に賛成すると思われる中で、反対はわずかに1名。しかしルールが求めるのは話し合いだ。ここから13人目の死の謎を探る、長い物語がスタートする。謎を解く鍵は、病院のあちこちに残されていた。

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