エルヴィス

7月1日(金)公開 全国ロードショー

これがロックンロールの誕生神話だ

エルヴィス

■あらすじ

 1997年。ラスベガスのホテルで、かつてエルヴィス・プレスリーのマネージャーだったトム・パーカー大佐が倒れた。病院に運び込まれたパーカーは、彼の人生にとって欠くことのできない男、エルヴィス・プレスリーについて語り始める。

 1955年。人気カントリー歌手ハンク・スノーのマネージャーだったパーカーは、レコードを出したばかりの新人歌手エルヴィス・プレスリーと出会う。パーカーにはその音楽がまったく理解できなかったが、若者たちが夢中になっている様子を見て、パーカーはそこにビッグビジネスのにおいを嗅ぎつけた。

 パーカーはエルヴィスのマネージャーになり、彼を大手のレコード会社に売り込むことに成功。ここからエルヴィスの快進撃がはじまるのだが、若者たち、とくに若い女性たちの熱狂ぶりは、保守的な大人たちを刺激することになる。

 体制側の反発を恐れたパーカーは、新生エルヴィスをアピールして批判をかわそうとする。

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リスペクト

11月5日(金)公開 全国ロードショー

アレサ・フランクリンの前半生を映画化

リスペクト

■あらすじ

 1952年のミシガン州デトロイト。10歳の少女アレサの父は有名な牧師で、家ではしばしば多くの客を招いたパーティが開かれた。父はそんな時、大勢の招待客の前でアレサの歌声を披露させる。アレサは父にとって自慢の娘だった。

 数年後。父の教会で聖歌隊のメンバーとして活動するアレサは、父の巡回殿堂に同伴してあちこちの集会で歌を披露するようになっていた。父はコロムビアレコードにアレサを売り込み、1960年にレコードデビューが決定。だがデビューはしたものの、アレサはヒットに恵まれない不遇の時代が続く。

 家族の反対を押し切って音楽マネージャーのテッド・ホワイトと結婚したアレサだったが、ヒット曲がでないのは相変わらず。その後コロムビアとの契約が失効したとき、アレサたちに声をかけたのはアトランティック・レコードのジェリー・ウェクスラーだった。

 この出会いが、「ソウルの女王」の誕生につながっていく。

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ディナー・イン・アメリカ

9月24日(金)公開予定 全国順次公開

中流家庭が生みだす息苦しさをぶっ壊せ

■あらすじ

 ペットショップで働くパティの生活はどん詰まり状態だった。仕事の行き帰りに合う高校生には容姿や態度をバカにされ、家の中では口うるさい父母に何かと干渉され、仕事場でもことあるごとに店長から叱責されている。

 そんな彼女にとって唯一の楽しみは、大好きなパンクパンド「サイオプス」の曲を大音響で聞きながら踊り狂い、マスターベーションしている写真を撮って、バンドのリーダーである覆面ボーカリストのジョンQにファンレターを送ること。彼女はそんなことを、もう2年ぐらい続けている。出口は見えない。どん詰まりだ。

 同じ頃、ジョンQことサイモンは行く先々でトラブルを起こし、懸賞金付きのお尋ね者になっていた。そんな彼が出会ったのがパティ。行き場のなかったサイモンは、キリスト教の伝道師だと身分を偽ってパティの家に居ついてしまう。サイモンはそこで、バンドの他のメンバーがライブを計画していることを知らされる……。

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ベルヴィル・ランデブー

7月9日(金)公開予定 ヒューマントラストシネマ渋谷、UPLINK吉祥寺

音楽たっぷりの長編ミュージカル・アニメーション

 内気な少年シャンピオンはおばあちゃんと二人暮らし。孤独なシャンピオンのため祖母は犬のブルーノを飼うが、シャンピオンはそれほど心を動かされなかった。じつは彼が大好きなのは自転車レース。それを知った祖母が三輪車を買い与えると、シャンピオンの目は喜びに輝き、三輪車をいつまでもこぎ続ける。それから十数年後、シャンピオンは自転車選手としてツール・ド・フランスに出場するまでになった。サポートカーに乗り込むのはもちろんおばあちゃん。だが車のトラブルでシャンピオンの自転車と離れた間に、シャンピオンは自転車ごと姿を消してしまう。彼は自転車選手を狙うマフィアに誘拐されたのだ。このことを知ったおばあちゃんは、ブルーノと共に孫のシャンピオンの行方を追う。海を渡って行き着いた先は、大都会ベルヴィル。彼女がそこで出会ったのは、かつて一世を風靡した三つ子姉妹の歌手だった。おばあちゃんは、彼女たちの力を借りることにする。

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らいか ろりん すとん -IDOL AUDiTiON-

1月15日(金)公開 テアトル新宿ほか全国順次公開

コロナ禍で行われたアイドルオーディション

 2020年3月。関東近郊の某所で、音楽事務所WACKの合宿オーディション「WACK合同オーディション2020」がスタートした。事前に書類審査などで選ばれた参加者は18名。オーディションの様子はニコ生で動画配信され、多くの視聴者たちの前で毎日何名かずつが脱落して行くサバイバルマッチになっている。オーディション参加者は個人情報を守るため全員仮名。今回この中で注目されていたのは、前年のオーディションで無念の初日リタイアとなったワキワキワッキーの再挑戦。そして、インポッシブル・マイカという候補生だった。オーディションから数日で、参加していた候補生の半数が脱落。その後は毎日数名ずつが脱落して行く中で、このふたりは終盤まで戦列に残り続ける。同じ頃、実力者や個性派がそろうオーディション会場には、自分の殻を破れずもがく候補生トト・パーティン・トトがいた。特殊な環境の重圧で、彼女の表情は固くこわばっていく。

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ジュディ 虹の彼方に

3月6日(金)公開 全国ロードショー

ジュディ・ガーランド最後の日々

 1968年。かつての映画スターであり歌手でもあるジュディ・ガーランドは、すっかり「過去の人」になっていた。舞台に出てもギャラはわずか。ついには宿泊費の滞納で、ホテルまで追い出されてしまう。そんな彼女に、救いの手を差し伸べたのがイギリスのショービジネス界だった。イギリスにはまだまだジュディの熱烈なファンが多い。子供たちと離れ離れになることからイギリス行きを躊躇したものの、経済的に困窮しているジュディにこれを断れるはずがない。だがこの頃の彼女は、精神的にも肉体的にもボロボロの状態だった。精神的には必要以上の上機嫌と不機嫌な状態を目まぐるしく往復し、睡眠薬とアルコールが肉体を蝕んでいく。リハーサルもろくにできないままステージに立ったジュディ。だが彼女は、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了する。スターの復活! 誰もがそれを期待したのだが、これがジュディ・ガーランドにとって最後の大きなステージだった。

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キャッツ

1月24日(金)公開 全国ロードショー

CGの猫人間が歌って踊る

 ロンドンの片隅にあるゴミ捨て場に、一匹の子猫が捨てられる。袋から飛び出してきた子猫の名前はヴィクトリア。野良猫ジェリクルキャッツに迎えられた彼女は、その夜が猫たちにとって特別なものであることを知らされる。長老猫オールド・デュトロノミーを招いたジェリクル舞踏会で、最も優れたパフォーマンスを披露した一匹の猫が選ばれる。その猫は天上に運ばれ、新たな命を得る権利を得るのだ。長老猫の前で、次々に披露される歌と踊り。誰もが自分が選ばれようと必死だ。だがそんな猫たちを尻目に、不正な手段で天上に運ばれる権利を得ようとする者もいる。お尋ね者のマキャヴィティは、有力な猫を一匹ずつさらって候補から蹴落としていく。そして最後に狙いを付けたのは、長老猫のオールド・デュトロノミーだ。一方新入り子猫のヴィクトリアは、舞踏会に入れず街頭でさまよう年老いた元娼婦猫グリザベラを見つけると、彼女のつぶやくような歌に耳を傾ける。

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ボヘミアン・ラプソディ

2018年11月9日(金)公開 全国ロードショー

ドルビーシネマ初体験はボヘラプ

 1970年。空港で働く音楽好きの青年ファルークは、お気に入りのバンド「スマイル」のボーカリストが脱退したと知って後釜のボーカルに名乗りを上げる。恋人メアリーとの幸せな暮らしもスタート。間もなくバンドは「クイーン」に改称し、ファルーク自身は「フレディ・マーキュリー」に改名した。最初のアルバムを自主製作中、大手レコード会社EMIにスカウトされて、クイーンはメジャーデビューが決定。3枚目のアルバからは大ヒット曲は「キラー・クイーン」が生まれた。だが同じ路線で次のヒットを狙おうとするレコード会社幹部に反発し、クイーンは「ボヘミアン・ラプソディ」という6分の大作をリリース。この曲とアルバム「オペラ座の夜」で、クイーンは人気と実力を兼ね備えた世界的バンドに成長。だがその裏側で、フレディの抱えたある秘密が、彼とバンドメンバーたちの間にきしみを生み出し始めていた。フレディは少しずつ孤立するようになる……。

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NO SMOKING

11月1日(金)公開 シネスイッチ銀座、ユーロスペースほか全国順次公開

細野晴臣の過去と現在

 ミュージシャンの細野晴臣は1947年東京生まれ。幼い頃は米軍占領時代で、母に背負われて銀座に出かけたとき、米兵にチョコレートをもらったことがあるという。戦争は終わって平和な時代が来ていたが、あちこちにまだ戦争の爪痕が残っていた。そんな中で細野は、戦後大量に流れ込んできたアメリカのポピュラー音楽を聴いて育つ。ドラムのイントロが高らかに響き渡るベニー・グッドマンの「シング・シング・シング」や、ハリウッド映画のサウンドトラック。それらは今でも、彼の音楽のルーツのひとつになっている。大学時代にバンド活動を始め、周囲にはさまざまな人間が集まってくる。エイプリル・フールでメジャーデビューした後、大滝詠一、松本隆、鈴木茂とはっぴいえんどを結成。3枚のアルバムを発表した後、ソロ活動をスタートした。この映画は2018年から翌年までのワールドツアーの様子を軸に、細野晴臣の過去と現在を綴ったドキュメンタリーだ。

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ブルーノート・レコード/ジャズを超えて

9月6日(金)公開 Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開

名門ジャズ・レーベルの過去と現在。そして未来……

 ブルーノート・レコードは、1939年に創立された名門のジャズ専門レーベルだ。創設者のアルフレッド・ライオンはニューヨークの貿易会社に勤めていたが、子供時代からのジャズ好きが高じて小さなレコード会社を立ち上げた。翌年にはドイツ時代の親友だったフランシス・ウルフもこのレコード会社に合流し、ニューヨークの最新ジャズを次々に録音していった。ライオンとウルフはユダヤ人で、ナチス政権によるユダヤ人迫害を逃れてきたのだ。ブルーノートでは様々なミュージシャンが録音し、その中には今でもジャズの名盤とされるものが多い。1930年代末にアルバート・アモンズとミード・ルクス・ルイスのブギウギからスタートしたレーベルは、1940年代にはビバップの名盤を数多く生み出し、1950年代のハードパップを経て、1960年代にリー・モーガンの「サイドワインダー」が大ヒット。だが皮肉なことに、これが同レーベルの身売りにつながる。

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