映画 ゆるキャン△

7月1日(金)公開 全国ロードショー

社会人になった野クルメンバーの挑戦

映画 ゆるキャン△

■あらすじ

 高校時代に野クル(野外活動サークル)のメンバーとして季節毎のキャンプを楽しんでいたメンバーたちも、今はみな社会人。

 ソロキャン派の志摩リンは、名古屋の出版社でタウン誌の編集者になった。ムードメーカーの各務原なでしこは、東京郊外でアウトドアショップの販売員。リーダーの大垣千明は、山梨で観光推進課の職員。犬山あおいは小学校の先生。斉藤恵那は横浜のペットサロンでトリマーとして働いている。

 ある日、名古屋にやって来た千明から、観光推進課が山間部で広大な敷地の再開発企画をしていると聞いたリンは、「いっそキャンプ場にでもすれば?」と気軽に提案。「それだ!」と盛り上がった千明は、さっそく元野クルのメンバーたちに声をかける。

 まさにひょうたんから駒。軽い思いつきから生まれたキャンプ場新設計画は、意外にもとんとん拍子に現実化してしまい、野クルがプロデュースする新しいキャンプ場が誕生すると思えたのだが……。

■感想・レビュー

 あfろの同名コミックを原作にした、人気アニメ「ゆるキャン△」の劇場版長編アニメーション。元のテレビ版は高校生少女たちの日常という小さな世界を描いていたが、今回はその時間軸から大きく時をずらして、社会人になった彼女たちの物語になっている。

 こうした物語の作りが、良かったのか悪かったのかは正直よくわからない。僕は原作コミックもアニメ版も好きなので、そこで先の見えない青春真っ直中の日常を送っている主人公たちの未来を、一足先に見てしまうことに対する違和感がある。この映画が作られたことで、原作の先行きに一定の枠がはまってしまうのではないだろうか。

 たぶん原作は主人公たちが高校を卒業して、別々の進路に進む頃にはエンディングを迎えるのだろう。映画は高校時代から直結している物語ではないので、高校卒業から就職に至る大学なり専門学校なりの期間の物語は、テレビ版や原作と今回の映画の間のクッションにはなっているのだが……。

 これは文字通りの「同窓会映画」なのだ。同じ学校で学んで交流を持った仲間たちが、学校を卒業してからまた集まり、ひとつの問題に取り組んでいくという物語。続編ものの定番ではあるし、この映画は同窓会としては良くできていると思う。でもテレビアニメ版にしろ原作コミックにしろ、主人公たちはまだ卒業していないのだ。彼女たちの物語は、まだ現在進行中。その段階で、同窓会を開いてどうすんだよ……。

 映画を観ていて一番の違和感は、結局そのあたりにあったと思う。

 それを除外して映画を観た場合は、ちょっとリアリティとしてどうなのかという気がした。主人公たちはそれぞれ仕事を持っているので、キャンプ場作りのために揃って作業ができるのは基本的に週末だけのはず。多少は手伝ってくれる人もいるにせよ、若い女性5人でキャンプ場を作ることは可能なんだろうか?

 リンちゃんが名古屋から参加しているが、山梨はちと遠いよ……。

丸の内ピカデリー(シアター2)にて 
配給:松竹 
2022年|2時間|日本|カラー 
公式HP: https://yurucamp.jp/cinema/
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt14364238/

映画『ゆるキャン△』オリジナル・サウンドトラック

映画『ゆるキャン△』オリジナル・サウンドトラック

posted with AmaQuick at 2022.07.17

立山秋航(アーティスト)
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